メタバースはやっぱり熱い!
2023年も大きな注目を集める分野になるとみられるメタバース(Metaverse)と呼ばれる分野。
既にさまざまな形で「メタバース・プラットフォーム」と呼ばれるサービスが立ち上がっています。
ただ正直一般の人には何がどう違うのか分からないですし、どこに注目して良いかもわかりません。
そこで今回は代表的なメタバース・プラットフォームとその概要を紹介します。
メタバース・プラットフォームとは⁉
メタバース(Metaverse)は古代ギリシャ語に由来するMeta(超越した)と英語のUniverse(宇宙、世界)を繋げた造語で「(現実を)超越した世界」、いわゆる仮想空間を指す言葉です。
仮想空間を表現する言葉としてはメタバース以外にもVR(virtual reality)やサイバースペース、ワイヤードなど多くの言葉がありますが、明確な区分けや定義が定まっている訳ではありません。
誤解を恐れずに言えば、今は『メタバース』という言い方が”旬”だから取り敢えず使っているという感じが多分にあります。
技術の進化と共に以前よりもリアルにスムーズに様々な事が可能になった仮想空間という意味合いで使われる事が多い様です。
実際、現在では仮想空間の散策に留まらず、経済活動や創作活動、他の人とのコミュニケーションなどが高いレベルで実現できる様になってきています。
仮想空間内でこうしたサービスを総合的に提供するものが一般に「メタバース・プラットフォーム」と呼ばれています。
世界中で続々とメタバース・プラットフォームが立ち上がり、展開を勧めていますが、早くも乱立の時代から集約に向けての動きが見られる様にもっています。
以下では、有力なメタバース・プラットフォームを紹介していきます。
ディセントラランド/Decentraland
■PJ名称 ディセントラランド
■英語表記 Decentraland
■開始時期 2015年
■基軸通貨 MANA
■運営母体 ディセントラランド財団
■チェーン イーサリアム・ブロックチェーン
■公式サイト
ディセントラランド(Decentraland)は現在もっとも人気のあるメタバース・プラットフォームの1つです。
日本発のメタバース都市『メタトーキョー』や『メタ・リゾートTOKYO』もディセントラランドの仮想空間の中で展開されています。
ディセントラランド内では独自の暗号資産$MANAが使われています。
ザ・サンドボックス/The Sand Box
■PJ名称 ザ・サンドボックス
■英語表記 The Sand Box
■開始時期 2021年11月オープンメタバース化
■基軸通貨 SAND
■運営母体 The Sandbox
■チェーン イーサリアム・ブロックチェーン
■公式サイト
ザ・サンドボックス(The Sand Box)も非常に人気の高いメタバース・プラットフォームです。
独自の暗号資産$SANDを発行しています。
コインチェック社がザ・サンドボックス内に購入した土地を大々的に販売した事でも注目され、日本ではディセントラランドよりも高い知名度を持っています。
ザナ/XANA
■PJ名称 ザナ
■英語表記 XANA
■開始時期 2020年7月公開
■基軸通貨 XETA
■運営母体 NOBORDER.z
■チェーン XANAチェーン
■公式サイト
ザナ(XANA)は20207月公開と後発ながらも勢いのあるメタバース・プラットフォームです。
米国発のプロジェクトですが、日本のアニメやキャラクターを積極的に活用しています。
NFTの展開も非常に巧で、ザナから人気NFTシリーズがいくつも生まれています。
アース2/Earth2
■PJ名称 アース2
■英語表記 Earth2
■開始時期
■基軸通貨 Eドル
■運営母体
■チェーン ポリゴン(2021〜)
■公式サイト
アース2は「もう1つの地球」をコンセプトにしたメタバース・プロジェクトです。
世界地図をそのまま仮想空間に持ってきて新しい世界を構築しようとしています。
土地の販売が先行していましたが、いよいよ建物やアバターを展開するフェーズに入り、期待度が増しています。
既に欧米や韓国では人気ですが、2023年には日本でも火が付くかも知れません。
アザーサイド/Otherside
■PJ名称 アザーサイド
■英語表記 Otherside
■開始時期
■基軸通貨 APE
■運営母体 ユガ・ラボ
■チェーン
■公式サイト
アザーサイド(Otherside)は類人猿のデザインで有名な人気NFTシリーズ「ボヤード・エイプ・ヨットクラブ(BAYC)」を手掛けるユガ・ラボ社が展開するメタバース・プラットフォームです。
ユガ・ラボ社だけでは無く、アモニカ・ブランズやインプロバブルというブロックチェーン業界の重要企業が手を組んだプロジェクトという事でも大きな注目を集めています。
エバードーム/Everdome
■PJ名称 エバードーム
■英語表記 Everdome
■開始時期
■基軸通貨 DOME
■運営母体 Everdome FZCO
■チェーン バイナンス・スマート・チェーン
■公式サイト
エバードーム(Everdome)はメタヒーロー社が展開する「火星への移植」をコンセプトにしたメタバース・プロジェクトです。
開発母体のメタヒーロー社が展開する高精度な3Dスキャン装置を使った非常にリアルな分身(アバター)を持っている事が大きな強みとなっています。
エバードーム内の取引には独自の暗号資産$DOMEが使われています。
クラスター/Cluster
■PJ名称 クラスター
■英語表記 Cluster
■開始時期 2016年α版、2017年正式版公開
■基軸通貨 クラスターコイン
■運営母体 クラスター㈱
■チェーン ーーー
■公式サイト
クラスター(Cluster)は日本発のメタバース・プラットフォームです。
誰もが簡単に仮想空間を体験できる事を目指しており、スマートフォンからも容易にアクセスできる設計となっています。
KDDIやテレビ朝日なども出資しており、
マインクラフト/Minecraft
■PJ名称 マインクラフト
■英語表記 Minecraft
■開始時期 2009年α版、2011年正式版公開
■基軸通貨 ーーー
■運営母体 Mojang Studios
■チェーン ーーー
■公式サイト
マインクラフト(Minecraft)は、仮想空間内に自由にブロックを配置して建築などをする事ができるゲームです。
ゲーム内の空間(ワールド)が無限に拡がっており、多種多様な立方体のブロックで構成されています。
2009年にα版、2011年11月に正式版をリリースすると世界的な大人気ゲームとなりました。
開発したのはスウェーデン発のモヤン・スタジオ(Mojang Studios)です。
2014年にマイクロソフトに約25億ドルで買収され、マイクロソフトの子会社となっています。
ブロックチェーン技術を使ったゲームではありませんが、その世界観はメタバースの概念に非常に近く、提供されるサービスも幅広くなっています。
将来的に本格的なメタバース・プラットフォームに進化する可能性もあるゲームです。
但し開発サイドはNFTやブロックチェーンには距離を置く方針を示しており、2022年6月にはNFTの導入を禁止すると発表しています。
ロブロックス/Roblox
■PJ名称 ロブロックス
■英語表記 Roblox
■公開時期 2006年公開
■基軸通貨 ROBUX
■運営母体 Roblox Corporation
■チェーン ーーー
■公式サイト
ロブロックス(Roblox)は北米を中心に圧倒的な人気を誇るオンラインゲーミング・プラットフォームです。
米国では16歳未満の子供の半数以上がロブロックスを利用していると言われ、抜群の知名度を持っています。
ユーザーはロブロックス独自のツール「Roblox Studio」を使用してオンライン・ゲームを作成・共有する事ができ、プロや他のユーザーが作成したゲームをプレイする事もできます。
基本的な立ち位置はゲーミング・プラットフォームであり、ネットワークもブロックチェーンではありませんが、仮想空間や独自通貨、コミュニケーション環境などを実現しており、メタバース・プラットフォームとしても数えられる存在になっています。
セカンドライフ/Second Life
■PJ名称 セカンドライフ
■英語表記 Second Life
■開始時期 2003年
■基軸通貨 リンデン
■運営母体 リンデン・ラボ
■チェーン −−−
■公式サイト
セカンドライフ(Second Life)はメタバースの元祖とも言うべき仮想世界のサービスです。
運営開始は実に2003年と非常に早いですが、それから2008年に掛けては世界的な人気となりました。
その後人気は急激に低下しましたが、アバターを通したコミュニケーションや土地の売買、街づくりなど現在のメタバース・プラットフォームの主要なサービスを殆ど展開しており、早すぎたプロジェクトとも言われています。
ただ創業者であるフィリップ・ローズデール(Philip Rosedale)氏が2022年1月に運営会社に復帰するなど、ここに来て再浮上の兆しが見えています。
メタ・ホライゾン・ワールド/Meta Horizon Worlds
■PJ名称 メタ・ホライゾン・ワールド
■英語表記 Meta Horizon Worlds
■開始時期 2021年12月公開
■基軸通貨 ZuckBucks(ZBUX)
■運営母体 メタ・プラットフォーム
■チェーン
■公式サイト
旧フェイスブック社が社名をメタ・プラットフォームへと変更するほどの決意を見せて開発したのがホライゾン・ワールドです。
今のところその評判は余り芳しいものではありませんが、圧倒的な資金力を持つだけに脱落と決めつける訳には行きません。
有力なプラットフォームを買収して統合・再浮上を図る展開になるものと思われます。
ゼペットX/Zepeto X
■PJ名称 ゼペットX
■英語表記 Zepeto X
■開始時期 2022年9月
■基軸通貨
■運営母体 NAVER Z Corporation
■チェーン ソラナ・ブロックチェーン
■公式サイト
ゼペットXは韓国発のメタバース・プラットフォームです。
東アジアの10代女性層を中心に約3億人のユーザーを持つSNS「ゼペット」をベースにソラナ・ブロックチェーンを使ったメタバース化を進めています。
SNSとしてのゼペットの人気は既にピークを過ぎているとの声も多いですが既存ユーザーが多いだけに注目されるプロジェクトです。
VRチャット/VR Chat
■PJ名称 VRチャット
■英語表記 VR Chat
■開始時期 2017年
■基軸通貨 −−−
■運営母体 VRChat Inc.
■チェーン −−−
■公式サイト
VRチャット(VR Chat)は米国では非常に有名なソーシャルVRアプリです。
経済圏というよりはコミュニケーション・ツールの色が強いですが、メタバース的な要素を拡大しています。
ブロックチェーンやNFTに関しては禁止規約があり、否定的なスタンスを取っています。
エドバース/Edoverse
■PJ名称 エドバース
■英語表記 Edoverse
■開始時期 2022年
■基軸通貨 KOBAN,ZENI
■運営母体 エドバース
■チェーン イーサリアム・ブロックチェーン
■公式サイト
メジャー志向のプラットフォームでは無いですが優れた個性を持つ日本のプロジェクトがエドバース(Edoverse)です。
エドバースは日本のシンワワイズの子会社が運営するメタバース・プラットフォームです。
江戸時代の町並みを忠実に再現した仮想空間を目指しており、徳川家の次期当主が監修するという点が大きな特性となっています。
XRワールド/XR World
■PJ名称 XRワールド
■英語表記 XR World
■開始時期 2022年3月
■運営母体 株式会社NTTコノキュー
■チェーン ーーー
■公式サイト
XRワールド(XR World)はNTTドコモの子会社である株式会社NTTコノキューが展開するメタバース・プラットフォームです。
NTTドコモ・グループは2022年9月にメタバース/Web3領域に今後5年間で最大600億円規模の投資を行う計画を発表しており、XRワールドはその中核となります。
国際市場にどこまで出ていけるか注目されます。
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