テラ(Terra)とは⁉韓国発の暗号資産プロジェクトを解説

暗号資産(仮想通貨)
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テラ(Terra)

テラ(Terra)は、テラフォーム・ラボ(Terraform labs)によって2018年に立ち上げられた暗号資産プロジェクトです。
暗号資産(仮想通貨)を決済方法として活用し、普及させる事を大きな目的に掲げています。
暗号資産としてはLUNAの他、ステーブルコインのTerra USD(UST)Terra EU(EUT)Terra KRWなどを発行しています。
LUNAUSTが暗号資産の時価総額上位に躍進するなど目覚ましい成果をあげており、大きな注目を集めています。

バイナンスやOKExも投資

テラ(Terra)は2018年1月に開発が始まりました。
資金調達の為に、投資家向けにLUNAトークンのプライベートセールを実施しました。
プライベートセールにはバイナンス・ラボ(Binance Labs)OKEx(現OKX)、ポリチェーン・キャピタル(Polychain Capital)といった錚々たる投資ファンドが名を連ね、2018年8月までに3,200万ドルの資金調達に成功しています。
事業資金を得たチームはプロジェクト開発を進め、2019年4月にはメインネットの運用が開始されています。
テラは電子取引(Eコマース)などの決済事業に暗号資産を活用する事に重点をおいており、既に東南アジアを中心に多くの決済事業者とパートナーシップを結んでいます。
テラ・プロジェクトは決済に活用するためには法定通貨の価格と連動したコイン(ステーブルコイン)が必要と考えてTerra USD(UST)などのコインを開発しました。
併せて発行するステーブルコインの価格を安定する為のコインとしてLUNAを開発しています。

韓国発のプロジェクト

テラ・プロジェクトを推進するテラフォーム・ラボ(Terraform Labs)はソウルに本社を置く韓国発の企業です。
テラフォーム・ラボ社ダニエル・シン(Daniel Shin)氏ドゥ・クウォン(Do Kwon)氏によって2018年1月に立ち上げられました。
シン氏は韓国の電子決済事業大手チケット・モンスター(Ticket Monster/TMON)社やスタートアップ支援企業のファスト・トラック・アジア(Fast Track Asia)社を共同創設した実績を持つ起業家です。
一方のクウォン氏はマイクロソフトとアップルでソフトウェアエンジニアとして活躍した実績を持つ人物で、分散型ネットワークサービスを提供するアニファイ(Anyfi)社を創立し、CEOを務めていました。
クウォン氏テラフォーム・ラボのCEOに就任しています。
テラフォーム・ラボが開発から運営まで主導している点でテラは完全な分散型プロジェクトでは無く、どちらかといえば中央集権型の色を残すプロジェクトと言えます。

LUNAを発行

テラでは独自開発したテラ・ブロックチェーン上で動く通貨としてLUNAという暗号資産(仮想通貨)を発行しています。
Terra(LUNA)、あるいは$LUNAと表記される事もあります。
またLUNAとは別に、米ドルと価格を連動させたTerra USD(UST)、ユーロと連動させたTerra EU(EUT)、韓国ウォンと連動させたTerra KRWなどのステーブルコインを発行しています。
Terraの発行するステーブルコインの人気はかなり高く、特にTerra USD(UST)に至っては1.3 兆円の時価総額*を誇る暗号資産に成長しています。
これはステーブルコインの中で4位、全体でも17位の暗号資産となります。

USTの発行

テラのプロジェクトではステーブルコイン、例えばTerra USD(UST)を発行する時には米ドルと同じ価値分のLUNAを消滅(バーン)させる事でUSTを発行できる仕組みになっています。
USTを消滅させる事でLUNAを発行する事もできます。
1ドル分のLUNAを無くす代わりに1ドル分のUSTを発行するよ、という理屈で価格の裏付けを持たせています。
後は価格の変動に併せて投資家が裁定取引を行う事によって1ドル=1USTの価格に安定させる制度設計になっています。

価格安定の仕組み

価格安定の仕組みが解りにくいのでもう少し説明します。
USTの需要が増えて1USTの価値が1ドル以上になってしまうと、LUNAを購入して消滅させてUSTに交換する投資家が出てくると考えられます。
仮に1USTが1.1ドルの価値になると、LUNAを1ドル分消滅させて1USTを獲得し、USTをドルに交換すると1ドルが1.1ドルに増える計算になります。
こうした動きをする投資家が出てくる事によって1USTの価格は1ドルに近づいてくると考えられます。
反対にUSTの価値が1ドルより安くなる場合、例えば1USTが0.9ドルになってしまった場合には、1USTを0.9ドルで購入し、USTを消滅させて1ドル分のLUNAに替えて更に1ドルに交換するという動きが出てきます。
この動きによってやはり1USTは1ドルに近づくと考えられます。

テラ・アライアンス

テラのプロジェクトにはアジア、オセアニアのEコマース企業を中心に多くの企業が参加してテラ・アライアンス(Terra Alliance)を形成しています。
テラ/アライアンスには2018年時点で既に15社が参加し、テラを決済手段として利用して行く環境を整備しています。
テラ・アライアンスへの主な参加企業は以下の通りです。

●TMON(韓国)
 ダニエル・シン氏が会長を務める韓国のeコマースプラットフォーム企業。
●Woowa Brothers(韓国)
 韓国最大のフードデリバリーアプリを運営
●Qoo10(シンガポール)
 東南アジアの電子商取引プラットフォーム企業
●Carousell(シンガポール)
 東南アジアのネット取引プラットフォーム企業
●Pomelo(タイ)
 ファッション通販サイト

LUNAのステーキング

テラのプロジェクトでは暗号資産を使って利益を得る金融的サービスを続々と開発しています。
LUNAをネットワークに預ける事でLUNAを得られるステーキングの仕組みもいち早く導入しています。
預けられたLUNAはテラのアルゴリズムに組み込まれ、テラが発行するステーブルコインの価格を安定させるために使用されます。

アンコールで金利を稼ぐ

2021年3月にテラはアンコール(Anchor)という金融プラットフォームを公開しサービスの提供を開始しました。
アンコールにテラのステーブルコインを預けることで報酬(金利)を得ることができます。
これが相当なものでTerra USD(UST)を預けた場合に直近では19.45%という驚異的な数字が掲載されています。
アンコールには暗号資産を担保にして資産を借りる機能や、ファーミングの様な機能もあり、こうした機能を活用したDeFi投資的な運用もできる様になっています。
アンコールの金利の仕組みと預け方については別の機会に解説したいと思います。

まとめ

テラのプロジェクトは多くのファンド、企業の参加を得て着実に進捗を進めています。
中央集権的という側面はありますが、逆にその利点を活かしてビジネスユースのメリットが多いサービスを構築して勢力を拡大しています。
個人投資家にもメリットの大きいサービスを展開しているので今後の展開に期待が持てます。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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