アキバ+メタバース
2022年春、アキバを舞台にリアルの世界とバーチャルの世界が融合するメタバース空間『バーチャル秋葉原(Virtual Akihabara)』がオープンします。
併せて神田明神が公認する『神田明神社殿 高精細CG』も展開されます。
オタク文化、新しいカルチャーの発信地である秋葉原と、歴史と由緒ある神田明神が手を組む形となりました。
かなり面白い展開が期待できそうです。
バーチャル秋葉原
2021年12月23日、合同会社AKIBA観光協議会と大日本印刷株式会社は、 千代田区の支援を得て2022年春に『バーチャル秋葉原』並びに『神田明神社殿 高精細CG 』をオープンする計画を発表しました。
拡張現実(XR)を使った地域共創型のまちづくりを推進し、秋葉原エリアの開発を進めていきます。
今回のプロジェクトでは秋葉原のメインストリートである「中央通り」と1300年の歴史と格式を持つ「神田明神」について現実と仮想空間が共存する拡張現実空間(XR)を構築します。
行政や企業、事業者は、仮想空間の中にアート作品を展示したり、商品を販売したり、サービスを提供したりする事ができます。
ユーザーはバーチャル秋葉原の空間へはパソコンやスマートフォンからアクセスする事ができ、自身の分身(アバター)を通じて街や神田明神を探索したりイベントに参加する事が
できます。
このプロジェクトを推進するために「バーチャル秋葉原委員会」が設立され、団体や企業の参加を広く募って行く計画です。
■PJ名称 バーチャル秋葉原
■英語表記 Virtual Akihabara
■運営開始 2022年春予定
■管理団体 バーチャル秋葉原委員会
■公式ホームページ
神田明神社殿 高精細CG化
神田明神社殿 高精細CG化も重要なコンテンツとなります。
長い歴史を持つ神田明神は秋葉原地域の氏神様としても親しまれています。
秋葉原に近い神社らしくITやサブカルチャーに対しても開かれていてアニメや漫画の舞台になる事も多く「聖地」としても親しまれています。
今回のプロジェクトでは神田明神の有形文化財社殿の高精細CG化によってバーチャル空間に再現すると共に、神田明神が所蔵する数多くの貴重な浮世絵作品を展示します。
世界に向けて神田明神の伝統文化を発信するツールとなります。
AKIBA観光協議会
バーチャル秋葉原を仕掛ける合同会社AKIBA観光協議会は「秋葉原という街・文化を皆さまと共に次のステージへ」というコンセプトを掲げてメディア事業、イベント事業などさまざまな活動を展開している会社です。
会社設立は2018年となっていますが、前進の協議会から数えると実に20年近い活動実績を誇ります。
秋葉原の観光情報を扱う最大級のサイト「AKIHABARA JAPAN」の運営や秋葉原の多くの店舗と連携して開催する「秋フェス」など地域に密着した活動が強みとなっています。
今回の「バーチャル秋葉原」プロジェクトでも千代田区や秋葉原地域の事業者と連携して安全・安心な環境づくりやeスポーツの活性化などを目指して活動を進めています。
■名称 合同会社AKIBA観光協議会
■英語表記
Akihabara Area Tourism Organization Ltd.
■代表者 泉 登美雄
■設立日 2018年7月2日
■会社所在 千代田区外神田
■公式ホームページ
ディセントラランドでは無い
バーチャル秋葉原は大日本印刷(DNP)が展開する拡張現実のシステム「PARALLEL SITE」やDMM.comのサービス「Connect Chat」などを使って展開される予定です。
同じ様なバーチャル文化都市プロジェクトであるメタトーキョーやメタトーキョーリゾートが国際的にメジャーなプラットフォームであるディセントラランド上でサービスを展開しているのとは対照的にも感じられます。
日本企業のXRプラットフォーム
大日本印刷株式会社(DNP)は凸版印刷株式会社と日本の印刷業界を2分するを総合印刷会社ですが、近年は情報イノベーション事業といった印刷以外の分野にも事業の幅を拡げています。
自治体や施設公認で、現実の街と並列する仮想的な街や施設を開発するXRコミュニケーション事業にも力を入れています。
このXRコミュニケーション事業の中で展開されている、誰もがいつでも簡単に、安全・安心に楽しめる機能を備えた拡張現実(XR)空間の構築システムが「PARALLEL SITE」です。
PARALLEL SITEでは現実と仮想空間を融合させて現実の地域や施設の機能を拡張して新しい体験を提供します。
一方のDMM.comも「Connect Chat」という仮想空間のソーシャルコミュニケーションサービスを展開しています。
VRセットやパソコンがあれば、仮想空間で自身の分身(アバター)を通じて無料で遊ぶ事ができ、人との交流もできます。
こうした日本のプラットフォームを使って秋葉原を発信して行くという所にも志を感じられますね。
ケイゴイノウエ氏
バーチャル秋葉原では現実の秋葉原と連動した仮想空間を通じて日本の伝統文化やアニメ、ゲームなどの文化を発信していきます。
今回、注目のイラストレーターであるケイゴイノウエ氏の作品をフューチャーし、バーチャル秋葉原内にも効果的に配置しています。
ケイゴイノウエ氏はイラストレーター、 デザイナー、 映像クリエイターと幅広い分野で活動する新進気鋭のクリエイターです。
NFTマーケットプレイス大手のFoundationでイノウエ氏のNFTアート作品が販売されており5.06ETH(約155万円)の価格*が付いています。
今後も更にイノウエ氏の作品が注目され、価値を上げる可能性が十分にあります。
*2022.02.05.時点の価格
アキコも始動
秋葉原ではほぼ同じ時期、2022年1月26日に地域電子コイン「アキコ」のサービスが開始されました。
加盟店舗や施設で指定されたアクションをするとアキコが貰えて、ここでしかできない体験やグッズに”使う”事ができる電子コインです。
現時点ではバーチャル秋葉原と連携したコインではありませんが、アキコの加盟店にも神田明神が名を連ねており全く関わりが無い訳ではありません。
アキコに地域電子通貨のシステムを提供している株式会社カヤックは2021年にAKIBA観光協議会と協同でメイドカフェやコンカフェに特化した「アキバメイドオンライン」を開発した実績もあります。
今後アキコの様なサービスとバーチャル秋葉原が手を組んで新しい価値を生みだす事も十分に考えられます。
まとめ
バーチャル秋葉原はITやカルチャーの集積地である秋葉原の個性を強く感じる拡張現実(XR)空間です。
そこに伝統ある神田明神が加わった事で幅や厚みが加わっています。
日本のプラットフォームを使って発信するというのも挑戦的で応援したくなります。
世界中の幅広い層にアピールできる空間に育って欲しいプロジェクトですね。期待しています。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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