イーサリアムとは⁉仮想通貨の特長を解説

仮想通貨(暗号資産)
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イーサリアム(Ethereum)

(2021.01.03.改訂)
イーサリアム(ETH)は、 ビットコインに次ぐ時価総額を持つメジャーな仮想通貨(暗号資産)です。
2021年1月03日時点での時価総額は約9.1兆円に達し、ビットコイン(約62.4兆円)に次いで第2位の座にあります。
ビットコインと同様の通貨的機能に加えて「スマートコントラクト」という、今後仮想通貨のみならず、実社会のさまざまな場面での活用が有望視される機能を実装しています。
仮想通貨の可能性を大きく拡げた存在として、多くの人から高い支持を受けています。
通貨単位はETH(イーサ)、更に補助単位としてwei(ウェイ)と言う単位があります。
1ETH=0.00000001weiです。

■PJ名称 イーサリアム(Ethereum)
通貨名称 イーサ(ETH)

通貨単位 ETH
補助単位 wei
通貨順位 第2位* (前回第2位**)
時価総額 9.1兆円*(前回3.1兆円**)
通貨単価 79,900円*(前回28,961円**)
発行枚数 上限なし

承認方式 PoW(Proof of Work)
提唱者  ヴィタリック・プテリン (Vitalik Buterin)
公開時期 2015年
(* 順位、単価、時価総額はCoinMarketCap 2021.01.03.発表データより集計)
(**前回の順位、時価総額はCoinMarketCap 2019.06.20.発表データより集計)

基軸通貨としてのイーサリアム

イーサリアム(ETH)は、ビットコインと並んで仮想通貨(暗号資産)の中で実質的な基軸通貨として認識されています。
ビットコインに次ぐ時価総額の大きさや、イーサリアムの機能を使って発行されたトークン(独自に発行されたコイン)がいくつも有り、影響力が大きい事などから、自然とそうした役割を担う様になっています。
基軸通貨がどう言う役割を持つかと言うと、

●海外の取引所での取引
●ICO(トークンの販売による資金集め)

といった取引の際に、基軸通貨であるビットコインやイーサリアムでの支払いを求められる事が多いという事があります。
海外の取引所の利用や、ICOと言った投資対象への参加を考えて行くのであれば、 イーサリアムは有力な保有候補のコインになると思います。

通貨名はイーサ

イーサリアムとは正確には「イーサリアム・プロジェクト」というプロジェクトの名称であり、あるいはこのプロジェクトで進めている、様々なアプリケーションやソフトウェア、トークンが動くプラットフォームの名称です。
正確には仮想通貨の名称としてはイーサになるのですが、一般的には仮想通貨としてもイーサリアムの名前で認知されています。
その為本サイトでは原則的にイーサリアム(ETH)と表記していますが、この頁では文脈との関係もありイーサの表記も併用します。

イーサリアムプロジェクト

イーサリアム・プロジェクトは、ブロックチェーン技術などの新進の技術術を取り入れた新しいプラットフォーム(基盤)を社会に提供しようとするプロジェクトです。
非営利団体の「イーサリアム財団」が同プロジェクトを管理しています。
イーサはイーサリアムの仕組みの中で使われる仮想通貨(暗号資産)と言う位置付けになります。
元々はイーサリアムのプラットフォーム上で、アプリケーションを動かす際の手数料がイーサという発想で開発されたものです。
イーサリアムというプラットフォームの社会基盤としての価値が、イーサの通貨としての価値を担保する事になります。
もっとも、プロジェクト側の認識ではイーサが通貨だと言う意識は余り強く無く、通貨としても利用できるツールと言ったニュアンスで開発された模様です。

イーサリアムの提唱者

イーサリアムの提唱者はヴィタリック・ブテリン (Vitalik Buterin)氏です。
ブテリン氏はロシア・モスクワ生まれの天才的な発想を持つ若き開発者で、仮想通貨・ブロックチェーン業界の最重要人物の一人です。
18才の時には情報科学の国際オリンピックで銅メダルを獲得するなど、早くから抜きん出た数学的才能を見せていました。
2008年にビットコインの論文(ホワイトペーパー)が発表されるとブテリン氏はこれに強い興味を持ち、ビットコインの研究を始めます。
ビットコインのホワイトペーパー発表から5年後の2013年11月、プテリン氏はイーサリアムの構想をビットコインに倣ってホワイトペーパーとして発表しました。

ホワイトペーパー

ホワイトペーパーとは元々は政府が作成する報告書や白書の事を指す言葉ですが、民間事業などでも何か特定のテーマを議論する文書と言う形で使われる様になりました
仮想通貨(暗号資産)の世界では、いわば事業や構想の計画書と言った位置づけでホワイトペーパーが作成され、通常はインターネット上で公開されています。
2008年10月31日にSatoshi Nakamotoと名乗る者が約9頁に渡る電子通貨に関するホワイトペーパーを発表した事により、ビットコインが生まれ、仮想通貨(暗号資産)と言う概念が認知されました。
ビットコイン以降の仮想通貨(暗号資産)の構想も、ビットコインの経緯に倣いホワイトペーパーをネット上に公開すると言う形で発表する様になっています。

ICOの実施

イーサリアムの構想を実現する為の資金を集める目的で、2014年7月にイーサ(ETH)のオンライン・クラウドセールが実施されました。
ICOとよばれる資金集めの方法です。
2014年の第1回のプレセール(前売り)では 1ETH=26円の値が付きました。
その後も4期に渡ってプレセールが実施されます。
2015年には取引所で公開され、現在では3万円強の価格となています。
イーサリアム・プロジェクトは多額の資金を集める事に成功し、この資金でプテリン氏らを中心にした非営利組織「イーサリアム財団(Ethereum Foundation)」が設立されました。

イーサリアム·アライアンス

イーサリアム財団とは別に、イーサリアムを活用してビジネスを拡大していこうと言う組織「イーサリアム・アライアンス(The Enterprise Ethereum Alliance)」という組織が有ります。
イーサリアム・アライアンスには、既にマイクロソフトやJPモルガンなどの世界的な巨大企業が続々と参加しており、イーサリアムの事業への展開を試行しています。
この点もイーサリアム(ETH)が期待を集める大きなポイントとなっています。

スマートコントラクト

イーサリアム(ETH)にはスマートコントラクトと言う機能が実装されています。
スマートコントラクトはイーサリアムの最大の特長であり、他の多くの仮想通貨(暗号資産)に多大な影響を与えた機能でもあります。
スマートコントラクトとはプログラムに基いて自動的に実行される契約、あるいはその仕組みの事です。
イーサリアムには、イーサリアムのブロックチェーン上に契約を記録して、記録した契約を自動的に執行させるスマートコントラクト機能があります。
取引(契約)をプログラムとして記載し、執行の条件が満たされたら契約を自動的に執行する仕組みを作る事ができるのです。
イーサリアムを使えば、取引(契約)に生じる様々な作業を自動で執行できると言っているのです。

イーサリアムの発想

ビットコインを始めとする殆どの仮想通貨(暗号資産)は、ブロックチェーン上にこのコインが何処から何処に移動したと言う移動履歴を全て記録して行く事で通貨として扱える仕組みになっています。
銀行の預金通帳と同じ様に、記載された記録によって誰がどれだけの通貨を持っているかを証明できるという仕組みです。
そこにコインの移動履歴という情報だけでは無くもっと多様な情報を書き込める様にすれば、通貨以上に色々な事ができるのではないかと言う発想で作られたのがイーサリアムなのです。
スマートコントラクト機能はイーサリアム以外のコインにも見られ、実はピットコインにもこうした機能は存在します。
ただイーサリアムのスマートコントラクト機能は非常に汎用性が高く、柔軟な使い方が出来る様に設計されています。
それは携帯電話で言うスマートフォンの様な考え方と言えばイメージしやすいでしょうか。
スマートフォンはアプリを入れる事でさまざまな機能を持つことができますが、同じ様にイーサリアムもプログラムを組み込む事で多様な機能を持つ事ができるのです。
では具体的にイーサリアムでは何ができるのでしょうか。
現在もさまざまなプロジェクトが実用化を目指して動いていますが、その中には既に実用化しているものもあります。

社会を変える機能

スマートコントラクトは、業務を自動化する事ができる機能です。
その為仲介業務的な仕事を無くし、既存の経済構造を大きく変える可能性があります。
対象としては金融業や保険業などが注目を集めていますが、実際には仲介業務を必要としている業務は実に広範に存在しています。
スマートコントラクトが、そしてイーサリアムが、今後その多くを変えて行く起点になるかも知れません。
その1つがトークンの発行です。

トークンを発行できる

イーサリアムの機能を使って具体的にできる事の代表的な例として「トークンの発行」があります。
イーサリアムではイーサリアムのブロックチェーン規格に乗せた形で、独自のトークンを発行する事ができます。
トークンというものをイメージできないと意味不明な話ですが、既に投資や資金調達の世界では実際に多大なインパクトを与えている強力な機能です。

トークンとは

トークンの定義についてはまだしっかり定まっていない部分が有ります。
技術的には「独自のブロックチェーンを持っていないコイン」をトークンと定義する事が多いですが、一般的な認識がそれに沿っているとは言えません。
現象としては、誰かが独自に発行したコインがトークンであり、トークンが多くの人に認識されて、取引所で取引されて流動性が増してくると仮想通貨(暗号資産) として認知されるという形で捉えた方が実態により近いと思います。
例えば商品券や株券の様に企業やお店などが独自に発行している金券や証券・サービスをブロックチェーンに乗せたものがトークンと考えられます(何ら機能を持っていないトークンも中にはあります)。
このトークンをイーサリアムのシステムを使って簡単に発行できる機能が有るのです。

ERC規格

イーサリアムではERC20というトークンの標準規格を持っています。
このERC規格に則って必要な項目を指定する事で、セキュリティのしっかりしたトークンを簡単に発行する事ができます。
ERC規格に準拠したトークンは、基本的にはイーサリアムのシステム上で動かす事が可能です。
イーサリアムと同じ様に、他の人に送る事も、受け取る事もできます。
企業が独自のトークンを発行して、例えばトークンで自社のサービスを利用できるなどの付加価値を付けて売り出したり、配ったりすると言う事が容易にできます。
個人で自分のトークンを発行する事も同じ様に可能です。
既に多くの企業がERC20準拠のトークンを使った事業やサービスに取り組みを始めています。
ERC規格はその後拡大し、ERC223規格やERC721規格などの規格が続々と生まれています。

ICOとは

トークンの発行機能が大きな威力を発揮するのがICOと呼ばれる事業資金調達方法の場面です。

ICO(initial Con Offering)とはブロックチェーン技術を利用した資金調達の方法の事です。
株式市場の新規株式公開 (IPO)と同じ様に、事業を立ち上げる際に独自のトークンを発行し、トークンを株券のように売り出す事で資金を集めます。
日本で最初の大型ICO案件と言われるテックビューロ社のプラットフォーム事業COMSAICOでは、実に108億円もの資金を集める事に成功し、金融業界全体に大きなインパクトを与えました。
一般的には知名度も無く業績も事業も未知数な企業が、 証券取引所への上場と言った手順を踏む事無しにいきなり108億円もの資金を集めてしまった事になります。
今後の証券市場の存在意義さえ問われかねない事件だったわけです。

ICO一つを取っても、ブロックチェーン技術が社会に大きな影響を与え得る技術である事が分かります。
そして現在までICO案件の多くでは、イーサリアムのERC20規格でトークンが発行されているのです (COMSAのICOは違います)。
何よりイーサリアム・プロジェクト自体がICOによってイーサ(ETH) を売り出し、巨額の資金を集める事に成功した事例でもあります。

イーサリアムの抱える問題

この他にもイーサリアムを利用した様々なプロジェクトが進行しています。
応用範囲は広範で期待度も高いのですが、一方で具体化の為には多くの課題が存在する事も事実です。
またイーサリアム自体が抱える問題もあります。
イーサリアムのデメリット、 問題点についてもやはり確認しておく必要があります。

難解なコード

まず挙げられるのは、イーサリアムのプログラムが、かなり難度の高いSolidityというプログラムコードで書かれているという点です。
プログラム言語としてはJava(JavaScript)などが有名ですが、Solidityはマイナー且つ高難度のプログラム言語であり、そもそも使いこなせる人が少ないと言う問題があります。
プログラムのコードを読める人が少ない為に、プログラムを書く人が悪意を持って契約内容を書き換えられた時には内容のチェックが難しいと言う問題も抱えています。
個人的にはこの問題がクリアされなければイーサリアムが本格的に社会のインフラとして浸透するのは難しいと考えています。

しかしながら、イーサリアムの登場以後、Solidityを学ぼうとする人は確実に増えており、既にスマートコントラストの開発言語としては主流なものになっています。
Solidityは難度は高いですが、少ない行数でプログラムを纏める事ができる美しい言語でもあります。
イーサリアムがプログラム言語の流れをも変え始めているのかも知れません。

開発者の力が強過ぎる

イーサリアムの開発チームが実質的に大きな裁量権を握ってしまっている状況も懸念材料として挙げられます。
イーサリアムの開発チームは開発スピードも速く、活発な事で定評がある素晴らしいチームなのですが、提唱者であるブテリン氏の決断が大きな影響を与える傾向があり、実際にその事で賛否が大きく分かれる事件も起こっています。
その最も有名なものが「The DAO事件」への対応です。

The DAO事件

投資ファンド「The DAO」ではイーサリアム(ETH)をベースとして資金を集めていました。
ところが、集めていた資金360万ETHを何者かにハッキングされ送金されてしまい、当時のレートで約52億円相当のイーサリアム(ETH)を消失するという事件が起こりました。
これが「The DAO事件」です。

この時ブテリン氏は、被害者救済の為にイーサリアムのブロックチェーン記録を書き換えて、送金される前の時点まで戻ると言う操作を実施し、不正な送金を無かったもの(無効)とする決断をしました。
この決断によって多くのユーザーが救済された一方、イーサリアムが極少数の人間の判断で自由に書き換えられてしまう可能性を実証してしまった事にもなります。
この決断には、中央集権的な支配から解放されると言う 仮想通貨(暗号資産) の理念・カルチャーに馴染まないと批判的な意見も数多く出ました。
確かに、分散型の管理を目指しながら、中央集権的な強権発動ができてしまうと言う点には不安が残ります。

ICO規制の流れ

イーサリアムの規格が採用される事が多いICOという資金調達方法に対して、世界的に規制強化の動きが進んでいる事も懸念材料と言えます。
ICOでは、何となく凄い事をやりそうな企画書 (ホワイトペーパー)を公開してトークンを売り出してしまえば、誰でも簡単に資金集めが出来てしまう様な状況が少なからずありました。
その為、ICOやトークンを基にした詐欺、あるいは詐欺紛いの事件も世界中で多発しています。
銀行融資や証券取引への影響もあり、各国が年々ICOの規制を強める傾向にあります。
中国では2017年9月に全てのICOの禁止措置を打ち出していますし、アメリカ韓国なども規制強化に動いています。
一方でカナダスイスなどではICO促進の動きがむしろ強まっています。
エストニアなどでは、政府が国家的にイーサリアムのシステムを社会に導入していこうとしています。
IEOSTOと言う、より管理を強化したものに移行している途中でもありますが、 今後すんなり
ICO、IEOが社会に浸透して行くかについてはまだ不透明な部分が有るのです。

イーサリアムの動き

イーサリアムでは基本性能の向上やトランザクションコスト削減のため、4段階のハードフォークが予定されています。
コンスタンチノープルは3回目のハードフォークになる予定です。
2018年10月21日、イーサリアムが2018年11月に行う予定だったハードフォーク「コンスタンチノープル」を2019年1月に延期すると発表しました。
開発者がプログラム上のバグを発見した事によるものです。

2018年9月1日 イーサリアムのマイニング報酬が3ETHから2ETHに減額する事が可決されました。
2018年11月3日 イーサリアム関連企業の Consensysが、宇宙開発企業の Planetary sources を買収しました。
2018年11月10日 イーサリアム関連企業Consensys の傘下企業が AWS と協業することを発表しました。

まとめ

多くの課題を抱えながらも、イーサリアムは確実に前進を続けています。
技術的な課題も抜群のスピード感を持って取り組まれており、より安全で誰にでも使いこなせるものになっていくのではないでしょうか。
それが実現した時にイーサリアムの価値がどうなっているかは注目したい所です。
何よりスマートコントラクトと言う概念を組込み、仮想通貨(暗号資産)の領域を大きく拡げた事はイーサリアムのブランドを大きく高めています。
コインとしての価値は機能や性能の高低だけでは決まらず、それ以上にコインの持つ意義の様なものに多くの支持が集まったりします。
ビットコインがそうである様に、イーサリアムも仮想通貨(暗号資産)の大きな旗印であり続ける可能性は高いのではないでしょうか。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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