INXトークンとは⁉米国SEC認可のセキュリティトークンを解説

ICO/IEO
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INXトークン

INXトークン米国証券取引委員会(SEC)に登録されたセキュリティートークンです。
仮想通貨(暗号資産)で資金調達に数多く使われてきたICOという調達手段では無く、証券取引のルールに沿ったトークンセール「IPO」を実施して資金を集めたことで大きな注目を集めました。
証券市場で堂々と取引できる仮想通貨という新しい個性を持つ期待のコインです。
通貨記号はINX。時価総額ランキングは…と言いたい所ですが、特殊な理由もあってCoinmarketCapなどの時価総額データにはまだ現れていません。
それでも有力なコインだという理由も含めて紹介していきます。

■通貨名称 INXトークン
■通貨記号 INX
■総発行数 2億枚
■公式HP https://www.inx.co/

セキュリティトークン⁉

INXトークンは仮想通貨取引所を展開するINX社(INX Ltd.)が発行したトークンです。
INX Ltd.はジブラルタルに本拠地を置いていますが、仮想通貨関連事業は米国に本社を置く関連会社のINXデジタル社(INX Digital,Inc)INXセキュリティズ社(INXSecurities,LLC)がサービスを提供しています。
INXトークンは取引所トークンでもあり、汎用トークン(ユーティリティトークン)でもありますが、セキュリティトークンという特性が大きな特徴となっています。
ここでいう”セキュリティ”というのは防犯などの意味で使うセキュリティでは無く「証券」という意味です。
英語にすると同じ「security」なのですが2 つの意味があるのですね。

仮想通貨はグレーゾーン⁉

仮想通貨(暗号資産)は各国から規制の必要性が議論されています。
とりわけ金融事業に関しての規制が厳格な米国では、米国証券取引委員会(SEC)を中心に仮想通貨事業に対して厳しい目が向けられています。
端的にいうと殆どの仮想通貨は法的には「証券」であり、にも関わらず米国の証券関連法規に沿わない形で販売されていると問題視しているのです。
実際2020年には有数の仮想通貨であるリップル(XRP)がSECに証券法違反の疑いを指摘され、裁判で係争しています。
リップルに限らず、現状では多くの仮想通貨が米国ではグレーゾーンの立ち位置にあり、特にコインの販売方向については法規違反を指摘する国も少なくありません。

米国SECの認可

これに対しINXは米国の規制を回避せず、証券として正式な認可を取りに行く正面突破の方法を取ります。
そもそも欧米諸国では当局の認可を受けた金融期間でなければ証券を販売することができませんが、INXセキュリティズ社はSECに仲介業者、販売業者、私設取引所として登録されています。

INXトークン

INXトークンは米国証券取引委員会(SEC)の認可を受けたセキュリティトークンです。
イーサリアムのトークン規格であるERC規格で発行されたトークンになります。
セキュリティトークンは法的には株式などと同じ「証券」になるため、ICO(コインの販売による資金調達)では無くIPO(新規証券販売)という形でトークンの販売を行っています。
どっちもコイン(トークン)を販売するのに何がどう違うのが分からないというのが普通の感覚だと思いますが、やっている事は殆ど同じで法的な位置づけが違うという話になります。
またセキュリティトークンは「証券」なので一般的な仮想通貨取引所には上場せず、証券法で認められた取引所で取引されます。
そのためINXではINXトークンを流通させるための取引所を開設してそこに上場させることにしました。
その取引所がオープンファイナンスです。

配当が受けられる

INXトークンは「証券」ではあるがINX社の「株式」では無いという設定であり、トークンの保有者は株主の様な議決権は持っていません。
代わりに保有者は配当を受け取ることができます。
米国(殆どの先進国)の法律では仮想通貨は配当を出すことが認められませんが、証券は配当が認められます。
INXトークンの保有者はINXの事業収益の40%を配当として配分されます。
またINXのプラットフォームの利用時にINXトークンを使うと取引手数料が10%割引になります。
更にINXトークンを預け入れることで取引手数料の割引が受けられます。

INXトークンのIPO

INXトークンのIPOは2021年4月22日まで開催されました。
販売価格は0.9ドルで最低購入金額は1,000ドル、総発行枚数2億枚の内1.3億枚が販売されています。
残りの7,000万枚はプロジェクトの運営者及び初期投資家への配布と予備に回されています。
但し運営が保有する分のINXトークンには24か月間のロックアップが掛かっており、大量売却で暴落をさせない様にされています(内50%については12か月後から順次売却可能)。
INXはIPOで調達した資金を使って3つの金融プラットフォームを開発し、順次立ち上げています。

3つのプラットフォーム

INXのプロジェクトでは3つの異なるプラットフォームが展開されます。
米国を始めとする各国の規制に対応する形でプラットフォームを分けて対応するという発想です。
具体的にはコインと取引の性格別に以下のプラットフォームを整備します。

●INX Digital 仮想通貨取引のプラットフォーム
●Openfinance Securities セキュリティトークン取引のプラットフォーム
●デリバティブ取引のプラットフォーム

この内デリバティブ取引、先物取引のためのプラットフォームは近い将来導入する計画となっています。

INX Digital

INX Digitalは仮想通貨取引のプラットフォームで2021年3月31日に招待制で一部公開されました。
いわゆる仮想通貨取引所の様な位置づけです。
当初は招待された機関投資家を対象に運営されていますが、今後一般の投資家にも公開される予定です。
ただ2021年9月時点では日本在住者はアカウントを開設することができません。

■公式HP http://crypto.inx.co

オープンファイナンス・セキュリティズ(Openfinance Securities)

オープンファイナンス・セキュリティズ(Openfinance Securities)はセキュリティートークンの取引用のプラットフォームです。
不動産、未公開株、実物資産などさまざまなデジタル証券をトークン化し、流通させる市場を展開します。
米国の証券市場及び為替市場の自主規制機関であるFINRAや証券投資家保護公社(SIPC)のメンバーにも加わっています。
現状オープンファイナンス・セキュリティズはINXとは別の組織となっていましたが、FINRAの認可を受けてオープンファイナンス・セキュリティズからINX Securitiesへと経営が移行されています。
INXトークンは2021年7月にこのオープンファイナンスに上場されています。
  
■公式HP https://www.openfinance.io/

デリバティブ取引のプラットフォーム

先物取引及びデリバティブ取引用のプラットフォームはINXの将来的な計画として準備が進められています。

今後の見通し

INXトークンは仮想通貨という枠を超えて証券市場に大きな変革をもたらす可能性を持っています。
何より規制の厳しい米国の証券法をクリアしていることの意味は大きく、日本を含む欧米諸国でセキュリティトークンを展開していく可能性が拡がります。
証券市場には拡大余地が大きく、未上場株式などトークン化のメリットがある材料がたくさんあります。
市場は大きいのに競合相手が少ない状況は魅力的ですね。
Openfinanceというプラットフォームを整備したことも大きく、今後の発展が期待できます。

まとめ

セキュリティトークンという特徴を持つINXトークンは証券市場に対応可能という強力な武器を持つコインです。
仮想通貨(暗号資産)の可能性を拡げるとともに証券市場の可能性も拡げるものとして期待されています。
INXトークンが成功すればセキュリティトークンの市場が成長するので、今後も動向を注視して行きます。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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