*2021.5.29.改訂
ヘデラ・ハッシュグラフ(HBAR)
ヘデラ・ハッシュグラフという名前を聞いたことがあるでしょうか。
何とも覚えにくい名前ですが、界隈ではとても注目されている仮想通貨(暗号資産)のプロジェクトなんです。
今回はこのヘデラ・ハッシュグラフを紹介します。
ヘデラ・ハッシュグラフ(Hedera Hashgraph/HBAR)は、分散型アプリケーション(DApps)作成のためのプラットフォームです。
ブロックチェーンよりも安全で快適な分散型台帳技術とも言われる「ハッシュグラフ技術」を開発・実装しています。
ハッシュグラフ技術は仮想通貨(暗号資産)の第3世代技術とも言われ、この技術を核にした評議会にIBMやGoogle、ボーイングといった世界的企業が開発に参加していることでも注目されています。
ヘデラ・ハッシュグラフのネットワークで使われる通貨が同名のヘデラ・ハッシュグラフです。
通貨記号(テッカー)はHBAR。2021年5月2日時点で2,783億円の時価総額*を誇り、時価総額ランキング54位*に付けています。
■PJ名称 Hedera Hashgraph
■PJ区分 DApps作成用プラットフォーム
■通貨単位 HBAR
■通貨価格 33.74円*
■時価総額 2,917億円*
■時価順位 54位
■発行枚数 500億HBAR
■公開時期 2019年9月
■公式HP https://hedera.com/
(※2021.05.02. CoinMarketcap公開データより集計)
ヘデラ・ハッシュグラフは2017年〜2018年に掛けて、年収2,000万円以上または純資産1億円以上の投資家に対象を絞ったICOを行ない、トークンセールで約100億円の資金調達に成功して注目を集めました。
ヘデラ・ハッシュグラフ(HBAR)の特長
ヘデラ・ハッシュグラフ(HBAR)の特長、メリットとしてはどの様なものがあるでしょうか。
主な項目としては以下の項目があげられます。
●ブロックチェーンに代わる技術
●高速なのに手数料が安い
●巨大企業が参加
●ステーキングで収益を得られる
ブロックチェーンに代わる技術
ヘデラ・ハッシュグラフはブロックチェーン技術に代わる分散型台帳管理技術「ハッシュグラフ(Hashgraph)」を使ってつくられたプロジェクトです。
ハッシュグラフ技術は米国のソフトウエア会社であるSwirlds社が開発した技術で、同社が技術特許を持つ非公開の技術です。
このハッシュグラフ技術を使って実用化されたネットワーク(プラットフォーム)がヘデラ・ハッシュグラフということになります。
やっぱりわかりにくいですね 苦笑。
ヘデラ・ハッシュグラフではブロックチェーンとは異なる方法で、ブロックチェーンよりも安全で高速な分散型台帳技術を実現しようとしています。
区分で言うと有向非巡回グラフ(Directed Acyclic Graph/DAG)と呼ばれるタイプの技術で、IOTAやNano、Avarancheなども類似の技術を使った仮想通貨プロジェクトと言えます。
高速なのに手数料が安い
ヘデラ・ハッシュグラフでは1秒間に数十万回クラスの取引を記録することができます。
第1世代の仮想通貨とは全く次元の違う水準です。
これだけの取引速度を実現しながらもヘデラ・ハッシュグラフの送金手数料は格安です。
ビットコインやイーサリアムで深刻化した送金手数料の高騰問題はヘデラ・ハッシュグラフではほぼ発生しません。
巨大企業が参加
ヘデラ・ハッシュグラフはSwirldsの共同創業者兼CTO、リーモン・ベアード(Leemon Baird)氏が中心となって開発が進められました。
実際の運営はヘデラ統治評議会(Hedera Governing Council)という組織が担っています。
この評議会にはIBM、Google、ボーイング、LG、タタなど国際的な巨大企業が参加しており、プロジェクトが仮想通貨業界で注目される要因にもなっています。
日本の野村ホールディングスも評議会に参加しています。
ヘデラ統治評議会には最大で39の企業が参加できる規定のため、今後の参加企業が何処になるのかにも注目が集まっています。
ステーキングで収益を得られる
ヘデラ・ハッシュグラフはメインネットをアップデートし、2021年5月6日からステーキングを開始しています。
ヘデラ・ハッシュグラフは取引承認の方法としてPoS(Proof of Stake)という方式を採用しています。
PoS方式にはビットコインの様なマイニングの仕組みが無く、代わりにステーキングの仕組みがあります。
ヘデラ・ハッシュグラフの場合はヘデラのネットワークにHBARトークンを預ける(ステークする)ことで取引を承認する投票の実行者(ノード)となり、投票を実施することで報酬を得ます。
ノードが預けたHBARトークンが多いほど投票数が多くなる様に調整されます。
100HBAR預けたら100票分の投票券みたいなイメージですね。
投票と言っても実際には自動的に一瞬で行われ、手順に沿って取引が承認されて行きます。
投票するとノードは承認作業への貢献の報酬として、預けた量に応じてHBARトークンを貰うことができます。
報酬は24時間毎に設定条件を満たした投票ノードに自動的に支払われます。
ヘデラ・ハッシュグラフのステーキングではコインを動かせない期間(ロック期間)が無く、いつでも自由に取り出したり売却したりすることができます。但しヘデラ/ハッシュグラフでは、当初はヘデラ統治評議会のメンバーだけがこのノードとなり承認投票を実行できます。
今後は評議会以外の信頼できる組織にも徐々に範囲を広げて、最終的にはCPU能力やストレージなど条件を満たせば誰でもノードになれる形になる予定です。
それまで個人ユーザーはステーキング投資ができないという話になりますが、そうしたユーザーに向けて「プロキシステーキング」という仕組みの準備が進められています。
プロキシステーキング
ヘデラ・ハッシュグラフでは、現状は評議会メンバーしかノードになれません。
最終的にはHBARトークン保有者であればノードの実行者になれる予定ですが、それでもCPU能力などを用意する必要があり、ノードにならない人が多くなると予想されます。
ヘデラ・ハッシュグラフではこうしたロスを減らすためにプロキシステーキング(代理ステーキング)という間接的なステーキングシステムを組み込んでいます。
プロキシステーキングはノードを実行していないHBARトークンの保有者がノード実行者にトークン預けて間接的に意思決定に反映させる仕組みです。
適当なノード管理者にトークンを預けて「これを使ってステーキングをして」と委託する訳です。
手数料を取られますが、特に設備投資をする必要も無く簡単に報酬を得ることができます。
NEM/Symbolなども既にこれに近いシステムを運用しています。
プロキシステーキングは2021年5月29日時点では「近日公開」予定となっています。
プロキシステーキング方法と実際の報酬額については確認が取れ次第紹介して行く予定ですので今しばらくお待ち下さい。
ヘデラ・ハッシュグラフ(HBAR)の問題点
ヘデラ・ハッシュグラフ(HBAR)の問題点、デメリットとしてはどの様なものがあるでしょうか。
主な項目としては以下の項目があげられます。
●中央集権的な側面
●国内の取引所で購入できない
中央集権的な側面
前述した様に、ヘデラ・ハッシュグラフはヘデラ統治評議会という組織が運営し、統治しています。
その意味では非中央集権的な仮想通貨とは言えず、やや中央集権的な側面を持っています。
ただリップル社が展開するリップルの様に1社が全てを管理している訳では無く、最大39社が参加する評議会による運営という点では民主的とも考えられます。
それでも参加企業の思惑が影響しやすいプロジェクトという面は拭えず、評議会の示す姿勢が大切になります。
ヘデラ・ハッシュグラフはプロジェクトの基本的価値観について最初に「誠実さ」を挙げているので、その理念に強く期待したい所です。
国内の取引所で購入できない
ヘデラ・ハッシュグラフ(HBAR)は日本国内の仮想通貨取引所には上場されておらず、購入することができません。
どうしてもHBARを購入したいということであれば、海外の取引所に口座(アカウント)を作成して購入する必要があります。
2021年4月時点でHBARを購入できる主な海外取引所は以下の通りです。
・Binance
・Huobi Grobal
・OK Ex
・Upbit
価格の見通し
ヘデラ・ハッシュグラフ(HBAR)はICO時のトークンセールでは0.12ドル(約13円)の価格で売り出されました。
一部は条件付で0.096ドル(約11円)で販売されています。
但し公開後はHBARの価格は下がり続け、2020年1月には1.10円まで落ちてしまいましが、
2021年5月2日現在、HBARの価格は33.74円を付けています。
HBARの総発行枚数は500億枚となっています。
発行枚数がビットコイン(2,100万枚)の2,000倍以上あるので、数百万円の価格に上がることは考えにくいですが、現在の価格から更に上がる可能性は十分にあります。
但し運営側が管理するコインが65%に及んでおり、流通している枚数は82億枚程しかありません。
市場への報酬状況によっては価格が下落するリスクも孕んでいます。
今後、国際的な企業との提携プロジェクトが続々と出てくるので、その度に追い風が吹くことになります。
まとめ
ヘデラ・ハッシュグラフ(HBAR)はブロックチェーンに代わる革新的な技術を使って、既存の仮想通貨プロジェクトの抱える問題を解決し、快適な環境を実現しようとしています。
巨大企業が多数参加し、ビジネスなどへの展開実現のイメージがしやすいのも魅力です。
現時点では購入しやすい価格でもあり、購入しやすい仮想通貨とも言えます。
是非ヘデラ・ハッシュグラフの名前を覚えて、注目してみて下さい。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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