リオデジャネイロ市が資産の1%をビットコインに⁉暗号資産の中心地を目指します。

各国の状況
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準備資産の1%をビットコインに

2022年1月13日、ブラジルの大都市リオデジャネイロ市エドゥアルド・パエス(Eduardo Paes)市長が市の準備資産の1%をビットコインにする計画を地元メデイアに明らかにしました。
パエス市長はリオデジャネイロ市を暗号資産(仮想通貨)の中心地にする構想を持っていることも表明しており、ブラジルをはじめ南米の他の自治体にも影響を与えそうです。
エルサルバドルや米国・マイアミ市などの暗号資産先進地域に続く、リオデジャネイロ市の動きを紹介します。

リオデジャネイロ市

リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)はブラジル南東部にある600万人超の人口を抱えるブラジル第2位の大都市でリオデジャネイロ州の州都でもあります。
1位のサンパウロ市がビジネスの中心地であるのに対してリオデジャネイロ市は商業の街の趣きを持つ都市です。
加えてコパカバーナに代表される美しいビーチなどの観光資源に恵まれ、リオのカーニバルやサッカーなど文化の発信地としても知られています。
ブラジルはもちろん、南米を代表する観光都市でもあります。

Crypto Rio構想の発表

2022年1月13日〜14日にオフラインとオンラインで「リオ・イノベーション・ウィーク(Rio Innovation Week)」という大型イベントが開催されました。
初日に開かれた米国マイアミ市長とリオデジャネイロ市のパエス市長とのパネルディスカッションの中で、パエス市長から「Crypto Rio」の構想が明らかにされました。
Crypto Rioはリオデジャネイロを暗号資産(仮想通貨)の中心地にする構想で、その一貫として市の準備資産の1%をビットコインにする考えを示しました。
実現すれば、ブラジルで最初の財政に暗号資産を組み入れた都市とになります。
またパエス市長は暗号資産業界に対する優遇税制の導入を検討している事も明らかにしました。
固定資産税についても、ビットコインで支払った場合には10%割引になる優遇措置を考えているとの事です。

ブラジルの暗号資産事情

ブラジルは国民の暗号通貨(仮想通貨)への関心が高く、約1,000万人が暗号資産を保有していると見られています。
法定通貨レアルが不安定である事から暗号資産に注目する人も多いようです。
大手投資銀行のBTG Pactualなども暗号資産取引事業を展開しています。
また米国で審査が続いている上場投資信託(ETF)についても、既にビットコインやイーサリアムのETFが同国証券取引委員会に承認されています
元ブラジル代表のサッカー界のレジェンド、ロナウジーニョ氏も早い段階から暗号資産に注目し、独自コインを発行するなどの活動を続けています。
その一方でブラジルでは暗号資産に関する法整備が余り進んでいません。
大規模な暗号資産詐欺事件も発生しており、法制度の整備が求められています。

暗号資産に好意的な動きも多い

ブラジルでは暗号資産を締め出す方向では無く、適正に規制して上手く管理して行こうという考えが主流の様です。
そうさた中でも、2021年11月にはルイス・ゴラート連邦下院議員が労働者への賃金の支払い方法として暗号資産を合法化する法案を提案するなど、日本以上に積極的な動きが見られています。
アウレオ・リベイロ(Aureo Ribeiro)下院議員なども暗号資産決済や取引に好意的な暗号資産規制法案を提出しています。
リオデジャネイロのCrypto Rio構想はブラジルの暗号資産規制にも少なからず影響を与えて行きそうです。

米国を代表する暗号資産シティ

パネル・ディスカッションに参加した米国マイアミ市フランシス・スアレス(Francis Suarez)市長はビットコイン積極推進派の市長として知られる人物です。
既にマイアミ市では税金のビットコイン支払いの受け入れや、希望する市職員へのビットコインでの給与払いなどを含めた提案が議会で可決されています。
またマイアミ市独自のコインであるマイアミコイン(MiamiCoin/MIA)が発行されています。
マイアミコイン(MIA)は2021年8月の時点で大手暗号資産取引所OKcoinにも上場を果たしています。
世界中の暗号資産推進を計る自治体の先頭を走る都市と言えます。

エルサルバドルの法定通貨

また2021年6月には中米・エルサルバドルのナジブ・ブケレ(Nayib Bukele)大統領が「ビットコインを国の法定通貨にする」と発表して世界中に衝撃を与えています。
ブケレ大統領の提案は議会を通過し、9月にはビットコインが正式に法定通貨となりました。
法定通貨化した直後にビットコインの価格が大きく下落しましたが、エルサルバドルはすかさずビットコインを買い増すなど並々ならぬ決意が感じられます。
ブケレ大統領の決断がリオデジャネイロのパエス市長やマイアミ市のスアレス市長しの行動に影響を与えていることは確かです。

まとめ

中米エクアドルの法的通貨化からマイアミ市、リオデジャネイロ市の積極的な動きなど、暗号資産を積極的に取り込んで行こうという政治的な動きは点と点が繋がり、線から面へと発展しようとしています。
強力な規制を打ち出す国や地域との競争は激しいものになると予想されますが、暗号資産を社会から締め出す事はほぼ不可能と見ています。
今後の勢力争いも含めて各国の動きに注目していきます。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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