【続報】法定通貨化直後にビットコインが下落‼エルサルバドルの行方は⁉

各国の状況
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ビットコインの法定通貨化

世界中が注目する中、中米のエルサルバドルビットコイン法が施行され、ビットコインが米ドルと共にエルサルバドルの法定通貨となりました。
ところが法定通貨化初日に用意されていた仮想通貨用ウォレットに不具合が発覚。
この一報をきっかけにビットコインの価格が下落するという波乱の幕開けとなっています。
エルサルバドルの決定に対して世界銀行も今後の支援に否定的な見解を出すなど、国際社会を巻き込む事態に発展しています。
ビットコイン法定通貨化の実現によって何が起こっているのか、エルサルバドルの続報です。
これまでの展開については以前の記事を参照下さい。

移行前のビットコイン価格は上昇

2021年9月7日、中米エルサルバドルにおいて世界で初めてビットコインが法定通貨になりました。
エルサルバドルはこれまでは米国ドルを法定通貨としていましたが、ドルはそのままにビットコインと両方を法定通貨にする決定をしています。
法定通貨化に備えエルサルバドルは400BTCのビットコインを購入しており、そのことをナジブ・ブケレ(Nayib Bukele)大統領がツイートで明らかにしたことで、ビットコインの価格は上昇し法定通貨化前には5万2000ドル(約570万円)まで上昇しています。
準備金の資産価値も上がり、エルサルバトルは大きな期待の中で当日を迎えることになりました。
ただ8月に中央アメリカ大学が国民に実施した調査では、国民の68%がビットコインを法定通貨にすることに反対の回答をしており同政策に国民は批判的と見られています。
また仮想通貨(暗号資産)については約9割がよく分からない、明確には理解していないと答えています。

公式ウォレットがダウンロードできない⁉

ビットコイン法定通貨化に併せて、エルサルバドル政府は公式のウォレット「Chivo(チボ)」を導入し、Chivoに登録した国民に30ドル(約3300円)相当のビットコインを配布する政策を示していました。
Chivoのアプリをスマートフォンにダウンロードして登録すれば30ドル相当のビットコインが受け取れるというもので、最大で総額2億ドル(約220億円)近くにも及ぶ大盤振る舞いです。
ところが法定通貨化されビットコインの配布が始まった7日、いきなりiPhone(アップル)アンドロイド(グーグル)ファーウェイ(華為技術)のアプリストアでChivoのアプリがダウンロードできない状況が発生してしまいます。
間もなくファーウェイ製スマートフォンではダウンロード可能になったものの、iPoneやアンドロイド端末ではダウンロードできない状況が続きました。
エルサルバトルのビットコイン法定通貨化は、初日から大きなトラブルを抱えたわけです。

Chivoウォレット

Chivoウォレットを開発したのは米国で仮想通貨の管理・保管事業(カストディ事業)を展開するBitGo社です。
BitGo社は世界に約400の顧客企業を抱え、楽天ウォレットやLINEグループのLVCもBitGoのサービスを利用しています。
2021年4月には仮想通貨関連の金融会社ギャラクシー・デジタル社(Galaxy Digital)に12億ドルで買収され、現在は同社の傘下に入っています。
BifGo社はブケレ大統領の依頼を受けて数ヶ月前からChivoウォレットの準備を進めていました。
Chivoウォレットは当初は米ドルとビットコインに対応し、手数料無料でユーザー間の資金をやりとりできます。
但しChivoウォレットから資産を出金する時には手数料が発生する設計になっています。
今回のダウンロードの不具合はBitGo側の技術的問題ではない様ですが、今後の安定した運用が一層求められることになりました。

ビットコイン価格

CHIVOの不具合のニュースをきっかけにビットコインの価格は5万2000ドルから一気に暴落し、一時は4万3000ドルまで値を下げました。
400BTCを保有していたエルサルバドルは一時的に360万ドルを失った計算になります。
但し暴落は長くは続かず、ビットコインは直ぐに4万7000ドル台まで値を戻しています。
ブケレ大統領は少なくとも表面的には動揺などは見せず、ツイッターでは今回の暴落時にエルサルバドルが150BTCを買い増ししていたことを明らかにしています。
しかも価格の回復が予想以上に早くて余り買い増しできなかったと発信し、なかなかしたたかな面を見せています。

世界銀行も突き放す

ただエルサルバドルのリスクの大きな金融政策に対し、国際機関などは軒並み厳しい視線を送っています。
世界銀行はビットコインの法定通貨化に際してエルサルバドル政府から支援を求められたが政策には環境面と透明性の点で欠陥があり、世界銀行の支援対象ではないとの声明を出しました。
エルサルバドルが勝手にやった政策で失敗しても世界銀行は面倒を見ないよと突き放した形です。
格付け会社のムーディーズもビットコインの採用が国際パートナーとの緊張を高めるとして
7月にエルサルバドルの信用格付けを引き下げています。
同月には国際通貨基金(IMF)もビットコインを国の通貨にするにはボラリティ(値動き)が大きすぎると懸念を示しています。

中南米で仮想通貨導入の動きが拡大

一方で中南米諸国を中心に仮想通貨を積極的に導入して行こうとする動きは拡がりを見せています。
2021年7月、コロンビアでは仮想通貨Symbolのブロックチェーンを公的機関向けに活用する実証実験を行なう計画を表明しました。
パナマでは9月6日にガブリエル・シルバ(Gabriel Silva)議員が、仮想通貨及びブロックチェーン技術を合法化する「クリプト法案」を提出しました。
パラグアイでもビットコイン推進派のカルロス・レジャラ(Carlos Rejala)議員が7月に仮想通貨を合法的に使用できる様にするための法案を提出しています。
議員の法案提出については国によってその重要度も手順も違うので法案提出くらいで余り騒ぐのも違う気がしますが、こうした動きは今後も加速して行きそうです。

まとめ

エルサルバドルのビットコイン法定通貨化は波乱のスタートを切りましたが、大きな一歩であることは間違いありません。
もしかしたらビットコインは法定通貨としては浸透しないかも知れませんが、ビットコインを採用したことによって世界中の仮想通貨関連プロジェクトがエルサルバドルに注目しました。
実際にエルサルバドルに拠点を開設するプロジェクトも少なからず生まれています。
目ぼしい産業の乏しいエルサルバドルにとってこのことが最大の成果となるかも知れません。
エルサルバドルの決断が世界を変えるのか、今後もその動向を追いかけて行きます。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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