仮想通貨(暗号資産)の歴史。2008年〜2016年

ブロックチェーン
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仮想通貨(暗号資産)の変遷

前回はビットコインに焦点を当ててビットコインの歴史を紹介しましたが、今回は仮想通貨(暗号資産)全体の事やビットコイン以外のコイン、プロジェクトの登場に注目して歴史を辿って見ようと思います。
歴史といっても仮想通貨の誕生からまだ13年程しか経っていないのですが、この間にたくさんの事件やトピックがありましたので残しておく意味もあるのでは無いかと思っています。
ビットコインの歴史については前回の記事を参照願います。

2008年

ビットコインのホワイトペーパー

仮想通貨(暗号資産)の歴史は2018年にビットコインと共にスタートします。
2008年10月31日の14時10分(NY時間)、暗号技術に関するメーリングリストにサトシ・ナカモト(Satoshi Nakamoto)と名乗る人物から投稿がありました。
投稿には論文へのリンクが貼られており、論文には「Bitcoin:A Peer to Peer Electorick Cash System」のタイトルが付いていました。
最初の仮想通貨となるビットコインのホワイトペーパーの登場です。

2009年

ビットコインのスタート

2009年1月3日、サトシ・ナカモト氏がビットコインのシステムをスタートさせてマイニングを開始し、最初の仮想通貨ビットコインがスタートします。
2009年10月12日、フィンランドの大学生だったハンドルネーム「シリウス」ことマルティ・マルミ(Martti Malmi)氏がマイニングで獲得した5,050BTCを5.02ドルと交換し、仮想通貨が初めてリアルなお金と交換されました。

2011年

ライトコインの公開

2011年10月、Googleのエンジニアの経歴を持つチャーリー·リー氏がビットコインのプログラムをベースにした独自の仮想通貨(暗号資産)ライトコイン (LTC)を公開しました。
リー氏は「ビットコインがゴールドを目指すならライトコインはシルバーを目指す」としてより日常で利用しやすい仮想通貨(暗号資産)の開発を進めました。
ライトコインはビットコインより送金処理速度が速く、マイニングの難易度が低いという特性を持ち、有力コインとなりました。

2012年

バイトコインの発行

2012年7月、初めて匿名性という機能を盛り込んだコインとして知られるバイトコイン(BCN)が発行されました。
一時はバイナンスなどでの取引も多かったのですが、2018年10月にバイナンスでバイトコインの上場廃止が決まると、欧州の取引所 HotBTCに取引の殆どが集中する状況となり、次第に勢いを失っていきました。

2013年

リップルの公開

2013年2月2日、リップル(XRP)が公開され正式な配布が始まります。

闇サイト「シルクロード」の運営者逮捕

2013年10月、インターネットサイト「シルクロード」の運営者が逮捕され、サイトが閉鎖に追い込まれました。
シルクロードは当時もっとも活発な闇サイトとして(界隈では)知られた存在であり、武器や薬物などの闇取引にも利用されていました。
取引の際にはビットコインを利用されることが多くなっていました。
実際、シルクロードが閉鎖したことで、ビットコインの価格が一時的に下落しています。

イーサリアムのホワイトペーパー公開

2013年11月、当時若干19歳だったヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏がイーサリアムプロジェクトのホワイトペーパーを発表しました。
ビットコインに魅せられ、ビットコインを研究した若き才能が打ち出した新しい仮想通貨の形を書いたホワイトペーパーです。
ビットコインの最大のライバルとなるイーサリアムの構想が世に出た瞬間です。

2014年

NEM提唱

2014年1月、ビットコイン関連のネットコミュニティbitdcointalk.orgの中で「新しい経済圏を創造して行く事」を目指すプロジェクトNEMが発表されました。
提唱したのはハンドルネーム Jaguar0625、BloodyRookie、gimreという3人の開発者です。
日本でも人気が高く、2021年に公開されたSymbolへとも続くNEMのプロジェクトが始まった訳です。

MtGox事件

2014年2月、日本の仮想通貨取引所「マウントゴックス(MtGox)」でハッキング事件が発生し、顧客からの預かり資産75万BTC、自社保有資産10万BTC、預り金約28億円が流出しました。
流出した85万BTCは当時のレートで約450億円にも及び、マウントゴックス社はこの事件によって事実上経営破綻に追い込まれました。
その後の調査でマウントゴックのセキュリティ対策が驚くほどに稚拙なものであったことも明らかになっており、大規模な訴訟に発展しています。
2015年8月1日にはマウントゴックス社のCEOであったマルク・カルプレス氏が逮捕されました。
また2017年7月にはマウントゴックス事件に関与したとして、ロシア人のアレクサンダー・ビニック氏がギリシャで逮捕されています。

モネロ公開

2014年4月、モネロ(XMR)が公開されます。
モネロとは、エスペラント語でコインを意味する言葉です。
モネロは匿名性に特徴を持つ仮想通貨(暗号資産)の代名詞的な存在です。
日本のコインチェックでも取り扱っていましたが、マネーロンダリングの観点から懸念する動きが広がり、現在は国内では取り扱われていません。

イーサリアムのICO

2014年7月、イーサリアムのICO(コインの販売による資金調達)が実施されました。
最初の2週間だけで25,000BTCの資金を集め、最終的には31,529BTCの調達に成功しています。

2015年

イーサリアムが一般に公開される

2015年7月、イーサリアムが最初のアップデート「フロンティア(Frontier)」を実施し、メインネットが稼働しました。
これによってイーサリアムは一般のインターネットに公開されました。
最初は敢えてブロックチェーンに記録をせず、バグが発生した場合にはブロックチェーン外に記録したデータをバグの前に戻し、バグを修正するという段階を経て本格運用が開始されれています。

ILPの公開

2015年10月、リップル社のCTOであるステファン・トーマス氏とソフトウェア設計者のエヴァン・シュワルツ氏が考案した決済方法の国際標準規格「Interledger Protocol(ILP)」のホワイトペーパーが公開されました。
世界中の異なる台帳やネットワークをまたがる取引における決済方法の国際標準規格であり、これを推進するプロジェクトでもあります
ビットコインのブロックチェーンと銀行の台帳など互換性がなかった台帳間で即時に取引をができる様な規格を作る取り組みです。

2016年

TheDAO事件

2016年6月、イーサリアムのブロックチェーンを使って展開する自律分散型の投資ファンド「The DAO」から360万ETH、当時のレートで約44億円相当のイーサリアム(ETH)がハッキングで盗まれるという事件が発生しました。
The DAOは自律分散型組織(Decentralized Autonomous Organization)という意味の名前を
持ち、非中央集権型を打ち出した投資ファンドです。
ドイツのスタートアップ企業 Slock it が展開し、集めた資金をイーサリアム(ETH)でプールしていました。
ところがその資金を何者かがハッキングして外部のアドレスに送信してしまうという事件が発生してしまいます。
The DAOにはスプリットという機能があるのですが、そのプログラムの脆弱性を突かれた形です。

イーサリアムの分裂

The DAO事件は技術的にはイーサリアムの問題では無く、The DAOのプログラムの問題を突かれたものでしたが、事件への対応を巡ってイーサリアム・コミュニティは大騒ぎとなりました。
この時点でもイーサリアムがこの盗難を阻止しようと思えばまだ阻止することができる状況だった為です。
犯行から28日以内にイーサリアム側が記録を事件前の時点まで巻き戻すことで盗難を無効にすることができました。
イーサリアムの提唱者であるブテリン氏を中心としたグループが主導して仕様変更を実施し、盗難前の記録に戻して不正な送金記録を無効にしイーサリアム(ETH)を元の所有者にある状態に戻しました。
この措置によって多くの被害者が救済された事は間違いありませんが、一方ではイーサリアムに問題が無いにも関わらず、開発コミュニティが意図的にブロックチェーンを書き換える措置は中央集権的で仮想通貨(暗号資産)のカルチャーに合わないと考える人もいました。
そしてその様に考える人達が仕様変更前のコインを存続する動きを取り、こちらがイーサリアム・クラッシック(ETC)と呼ばれるコインになりました。

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