Filecoin(FIL)とは!?次世代インターネットを支える注目の仮想通貨を解説

暗号資産(仮想通貨)
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Filecoin

Filecoin公式サイトより

Filecoinは、次世代インターネットを支えるデータ保管システムの本命と目される技術を基盤にした分散型ストレージシステムのプロジェクトです。
2017年に行われたICO(トークンの販売による資金調達)で2億500万ドルもの資金を集めて注目のプロジェクトとなりました。
Filecoinでは「人類にとって最も重要な情報を保存する」ことを目的に掲げています。
2020年10月にはメインネットを公開して実用化に大きく近づいてきました。
このFilecoinのシステムの中で稼動するトークンがFilecoin(FIL)になります。
Filecoin(FIL)は2021年1月3日時点で999億円*の時価総額を誇り、時価総額ランキングで33位*の地位にあります。

■PJ名称  Filecoin
■通貨単位 FIL
■通貨価格 2,240円*
■時価総額 999億円*
■時価順位 33位
■供給枚数 2,000,000,000FIL
■公開時期 2020年10月公開
■公式HP   https://filecoin.io/

*2021.01.03.CoinmarketCap公開データによる

Web3.0の基幹技術

次世代インターネットはWeb3.0とも称されます。
通信環境が4Gから5G、あるいは6Gへと進化し、データ量が桁違いに膨れ上がることは確実で、膨大なデータをどう保管・管理していくかが大きな課題となっています。
この問題を解決するために提唱されたのがInterplanetary File System(IPFS)と呼ばれる技術です。
IPFSは米国Protocol Labs社ジュアン・ベネット(Juan Benet)氏が考案した分散型のインターネットファイルシステムです。
端的に言ってしまうとホームページのアドレスで頻繁に目にする『http://…』の部分が『IPFS://…』に置き換わると言えばインパクトの大きさが理解しやすいでしょうか。
実際その可能性が十分にあるのです。

データはパンク寸前!?

現在のインターネット(Web2.0)ではAmazonやGoogleといった超巨大企業がストレージ(保管・管理)サービスを提供していますが、データ量が加速度的に増えていった時にストレージの維持コストが増え過ぎて、最悪の場合サービスの維持できなくなる危険すらあります。
インターネットではデータの複製が簡単にできます。
例えばメールを送ると送信側、受信側それぞれに同じデータがコピーされて別々に保存されています。
1,000人にメールを送ればデータは直ぐに1,000倍になります。
あるいは自動運転が本格的に進んでくれば膨大な位置データのやり取りが必要になります。
データ保管が必然的にパンクしてしまうのです。

分散型のデータストレージ

IPFSでは巨大なデータセンターを持つのでは無く、世界中に細かくストレージを分散してネットワークを構築します。
最終的には個人のパソコンやスマホの空き容量を提供して貰って、巨大データセンターを構築しようとしています。
データは細かく分割・暗号化されて分散して保管され、使う時には再構成して使います。
データのコピーも別々にデータを持つのでは無く、データを再構築する「手順(鍵)」さえ共有すればデータ量を増やさずに済むのです。

ICOは記録的な大成功

IPFSを提唱したジュアン・ベネット(Juan Benet)氏は、米国スタンフォード大学でコンピューター科学を学び、2014年5月にProtocol Labs社を設立しています。
そしてProtocol Labs社がIPFSの実現の為に立ち上げたのがFilecoinのプロジェクトなのです。
Filecoinのプロジェクトは2017年にICO(トークンの販売による資金調達)を実施しました。
ICOは記録的な大成功をおさめ、2億500万ドル(約230億円)もの資金を調達することに成功しました。
これはICOの歴代資金調達額で第2位に相当する金額です。
このICOには総資産額1億ドル以上を保有するか、年間20万ドル以上の利益を出した投資家 しか参加できず、一般投資家はほとんど参加できませんでした。
結果名だたる投資家や大手ベンチャーキャピタル、スタンフォード大学などが投資し、Filecoinは注目のプロジェクトとなったのです。
Filecoinでは、2019年半ばにメインネットを公開する予定でしたが延期され、2020年10月に公開されました。

Filecoinの特徴

Filecoinの特徴、メリットとしてはどの様なものがあるでしょうか。
主な項目としては以下の項目があげられます。

●独自通貨Filecoin(FIL)
●ストレージマイニングができる

独自通貨Filecoin(FIL)

Filecoinのプロジェクトではシステムを利用する際に使用量(Gas代)として独自トークンFilecoin(FIL)を支払うシステムになっています。
Filecoinの総発行枚数は20億FILで、発行枚数の内訳は以下の様に設定されています。

・ 5%( 1億FIL):Filecoin財団に6年間均等分配
・10%( 2億FIL):ICO参加者に36ヶ月間均等分配
・15%( 3億FIL):開発チームに6年間均等分配
・70%(14億FIL):マイナー報酬として20年間配布

ストレージマイニングができる

FilecoinをはじめとするIPFSのシステムではデータを保管するストレージの提供者が必要になりますが、何か提供する側にメリットが無いと大量のストレージを確保することはできません。
Filecoinのプロジェクトではストレージの提供者に報酬としてFILを支払う仕組みになっています。
ビットコインなどのマイニングになぞらえて、Filcoinでもストレージを提供して報酬を得ることを『マイニング』と呼んでいます。
但しビットコインのマイニングの様にコンピューター(CPU)の計算能力をフル稼動させて世界中で競争するものでは無く、行われるのはあくまでデータの記録装置(ストレージ)の提供です。
分散型ストレージの仕組みを確立するために、Filecoinでは初期の段階から多くのマイナーを必要としました。
そのためマイニング報酬は初期の参加者に手厚く配分され、新規発行分の分配はその後20年掛けて実施されることになっています。

マイナーには厳格な条件がある

ストレージの提供でマイニングができるということであれば、自分のパソコンやスマートフォンの空き容量を提供して報酬を獲得したいと考える人もいると思いますが、残念ながらFilecoinのマイニングは現時点では誰もが自由に参加できるようには設計されていません。
データの保管を任せたストレージがネットから遮断されたり、電源を落とされたりするとシステム全体に影響を与える可能性があるため、マイナーに担保の提供などの厳格な条件を求めたのです。
そのためマイニングを実行できる事業者は絞られ、個人が直接参加できるものでは無くなっています。

実は個人でもマイニングはできる!?

実は個人でもマイニングに参加することは可能です。
Filecoinのマイナーの中には広く参加者を募ってストレージを区分販売している業者があります。
そうした業者に参加して間接的にマイニングに参加するのです。
業者に管理費(手数料)は取られますが、市場価格より安くFilecoin(FIL)を獲得できる可能性があります。
日本でも参加できる業者はいくるか存在しますが、Filecoinマイニングについては改めて紹介したいと思います。

Filecoinの問題点

Filecoinの問題点・デメリットとしてはどの様なものがあるでしょうか。
主な項目としては以下の項目があげられます。

●既存のストレージサービスとの価格競争
●IPFSにFILは不可欠では無い
●国内の取引所で購入できない

既存のストレージサービスとの価格競争

当然のことですが、Filecoinは既存のデータサービスとの競争を経てユーザーに選ばれなければいけません。
現在のインターネットには無料で利用できるようなストレージサービスがいくつもあります。
例えばg-mailが無料で使えるのはメールサービスであると同時にストレージサービスも無料で使えるからです。
企業が使うような大規模なデータのストレージでもアマゾンのAWSなど非常に安価なサービスが存在します。
これに対しFilecoinではストレージサービスの利用時には利用料としてFILを支払うシステムになっています。
GAFAのような巨大企業との価格競争で優位性を見出していけるかについては不透明な部分が残ります。

IPFSにFILは不可欠では無い

IPFSは各方面から注目されている、Web3.0時代の重要技術であることは確かです。
但しこの分散型ストレージ技術にFilecoinが必ずしも必要なわけではないという点は指摘しておきたいと思います。
Protocol Labs社が立ち上げたこともあって現在の所はFilecoinが分散型ストレージの代表的存在となっていますが、今後他のプロジェクトが主役の座を奪い取る可能性は残ります。
AmazonGoogleが独自のプロジェクトを打ち出すことも考えられるのです。

国内の取引所で購入できない

Filecoin(FIL)は海外では有力な取引所に相次いで上場されていますが、日本国内の取引所(交換会社)には上場されておらず、取引をすることができません。
どうしてもFILを購入したいということであれば、海外の取引所に口座を開設して取引をする必要があります。
FILを扱っている主な取引所としては以下の取引所が挙げられます。

●Houbi Global
●Binance
●Coinbase Pro

価格の見通し

2021年1月3日現在、Filecoinの価格は2,240円を付けています。
ところが1月3日以降もFilecoinの価格は上昇し、4月3日時点では実に19,140円にまで上昇しています。
2021年に入ってからの価格上昇には目を見張るものがあります。
もしもFilecoinWeb3.0の世界でストレージの主役になるとしたら今後も大きな飛躍を果たすことになります。
それが本当に実現するかは冷静に見極めなければいけませんが、将来的な上昇余地は期待できるコインと言えそうです。

まとめ

Filecoinは次世代インターネットの到来と共に大きな飛躍を期待されるコインです。
但し注目が先行している分、プロジェクトの実態が本当にその期待に追いつくのかどうかは厳しい目で見て行く必要があります。
とはいえ既に多くの技術的課題をクリアし、実現と拡大を進めています。
GAFAの様に巨大な存在に育つかも知れないと思うとワクワクしますよね。
是非Filecoinの動向に注目してみて下さい。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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