日本の暗号資産規制② 課税方針とICOへの制限

各国の暗号資産状況
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2020年5月に新しい法律が施行

2020年5月1日、日本の暗号資産の今後に大きな影響を与える改正資金決済法が施行されました。
仮想通貨の名称も正式に暗号資産へと変わりました。
以後、日本の暗号資産に関係する政策・規制はこの改正資金決済法を基準に行われていくことになります。
何が変わり、日本の暗号資産規制はどのようなものになるのでしょうか。
時系列を追って3回に渡って日本の暗号資産の規制についてお伝えします。
今回は2017年の改正資金決済法施行以降の規制状況について紹介します。
少々とっつきにくい話ですがお付き合い下さい。

日本の暗号資産規制

前回説明した2017年施行の改正資金決済法によって日本における暗号資産(仮想通貨)の法的位置付が定められ、これを基に課税や会計処理の基本的な運用が整備されました。
2017年に消費税法が改正され、暗号資産(仮想通貨)は消費税法上、お金や電子マネーなどと同じ支払い手段の一つとして認定されました。
この法律により、これまで暗号資産取引の際に掛かっていた消費税が2017年7月から非課税に修正されました。
2017年9月には国税庁がビットコインなどの暗号資産(仮想通貨)について、コインの取引で生じる損益は原則雑所得扱いという見解を示しました。
この見解により暗号資産(仮想通貨)の利益は株式やFXなどの金融所得のような分離課税にはならず、利益を給与所得などの所得に加算した上で所得額に応じた累進税率が適用される事になります。
しかも雑所得なので暗号資産(仮想通貨)の損失を他の所得と相殺する事はできません。
個人の投資家には非常い厳しい課税制度が適用されています。

確定申告のガイド

2017年12月には「所得の計算方法について」として暗号資産(仮想通貨)の利益について確定申告の必要事例が示されました。
主な確定申告のルールは

■暗号資産(仮想通貨)を売却した時 
 売却価額と取得価額の差が所得金額になる。
■暗号資産(仮想通貨)で商品を購入する時
 商品価額と暗号資産(仮想通貨)の取得価額の差が所得金額になる。
■暗号資産(仮想通貨)同士の取引
 購入するコインの時価と保有していたコインの取得価額の差額が所得金額。
■複数回に渡る購入による暗号資産(仮想通貨)の金額
 移動平均法や総平均法を用いて計算すること。
■事業者の場合
 事業として暗号資産(仮想通貨)を保有して決済に使用した場合は事業所得になる。
■損益通算の可否
 他の所得との損失の損益通算はできない。

となります。う〜ん面倒ですね。
こうして2018年手続き分(平成29年度)の確定申告についての基準が固まりました。
2020年6月現在の課税制度も基本的にはこのルールに沿って進められています。

企業会計の法整備

企業の暗号資産(仮想通貨)の会計処理についても次第に処理方法が固まってきました。
企業会計上の処理については2017年10月に企業会計基準委員会(ASBJ)で企業会計ルールの原案が示されました。
これによると

●仮想通貨資産については最も利用頻度の高い取引所の価格で貸借対照表に計上する。
●会計期末に時価で評価し、簿価との差額を損益として処理する。

といった措置が示されました。

ICOへの対応

改正資金決済法ではICOを想定しきれておらず、ICOの法的な措置が示されていません。
(この時点ではIEO、STOは本格していませんでしたがこれらも同様です。)
その為、ICOについては税務上も仮想通貨の扱いと関連法規などから措置方法を推定する様な状況にあります。
ICOの課税措置、会計措置で最も重要な問題はICOの核となるトークンの扱いをどうするかと言う点にリます。
ICOを実施する事業者側から見て重要なのは、トークンの販売を売り上げとして計上するのかどうか、それが課税対象になるかどうかと言う事です。
トークンの販売が売上げとなれば、売上から経費を引いた額が利益として法人税課税の対象になります。
日本の実効税率は30.86から34.81%となり、事業者にとっては非常に大きな税負担となります。
事業資金を集める場合、起業投資での第3者割当増資であれば受け取ったお金をそのまま事業資金に充てる事ができます。
同じ事業資金を集めると言う目的で合ってもICOにすると30%以上の出資金が税金に徴収される事になってしまいます。
事業資金を集めると言うICOの機能、魅力を大きく減退させる課税措置になります。

トークンの定義

トークンの定義も重要になります。仮想通貨は決済手段として認められていますが、トークンが仮想通貨でないとすると8%の消費税が掛かる事になります
売上げではなく、一種の負債としてトークンを扱えば課税対象にならないと言う考え方もあります
2018年2月14日にはメタップス社がその子会社メタップスプラスが行なったICOの会計処理に関して監査法人と協議した結果、ICOで調達した資金を負債として貸借対照表上に記載した事を表明し、指針になっています。

金融庁の動向

2018年11月26日、金融庁が「仮想通貨交換業等に関する研究会」でICO規制のあり方を議論し、仮想通貨の技術を使った資金調達(ICOなど)に対する新たな規制の検討に入ったことを日本経済新聞が報道しました。
報道によれば、金融庁は配当や利子を出して投資と考えられるICOについて、国内非上場のトークンについては勧誘営業を制限して一般投資家への流通を抑制する方針とのことです。
ICOなどを取り扱う業者には金融商品取引法に基づく登録制の導入を検討する、ともなっていました。

まとめ

今回はやらら難しい言葉の連続で分かりにくい話でしたが、大事なことではあるのでここで一度押さえておこうと考えて取り上げています。
次回はいよいよ2020年5月1日に施行された関連法を取り上げます。
今日も最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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