ディークレッド
(2021.01.07.改訂)
ディークレッド(DCR)は、コインの運営方針はそのコインの保有者によって決められるべき という理念を掲げ、非中央集権的な意思決定を重視している仮想通貨(暗号資産)です。
取引記録の承認作業にPoWとPoSと言う2つの方式を併用する事で、民主的で スムーズな意思決定を実現しようとするなど、独自のアイデアを組み入れて注目されています。
通貨単位はDCR。605億円の時価総額を誇り、時価総額ランキング48位に付けています。
■通貨名称 Decred(DCR)
■通貨単位 DCR
■総合順位 48位* (前回35位**)
■通貨価格 4,807円*(前回3,065.5円**)
■時価総額 605億円*(前回305億円**)
■公開時期 2016年2月8日公開
■総発行量 2,100万DCR
■承認方法 PoW/POS
(※2019.06.20. CoinMarketcap公開データより集計)
ディークレッド(DCR)の特長
ディークレッド(DCR)の特長、メリットとしてはどの様なものがあるでしょうか。
主な項目としては、
●ハイブリット型の承認方式
●民主的な意思決定方法
●積極的な開発チーム
と言った項目が挙げられます。
ハイブリット型の承認方式
取引の記録を誰がどの様な形で承認するかと言う承認アルゴリズムは、マイニング方式や コインの特性にも大きな影響を与える重要な項目です。
承認アルゴリズムには様々な方式が存在しますが、それぞれにメリットとデメリットが あり一概にこれが最適とは言い切れない部分があります。
ディークレッド(DCR)では、メジャーな承認アルゴリズムであるPoW方式とPoS方式 を併せて採用する事で多くの問題の解決を試みています。
Pow(Proof of Work)は複雑な計算によって導き出される特殊な値を捜しだす マイニングを行ない、一番早く見付けた人がマイニング成功者として取引記録の承認 作業を行ない、報酬を受け取る方式です。
Pow方式では特定のグループがマイニングの過半数を握ると取引記録の改ざんが 可能になってしまう「51%攻撃」と言う問題を抱えています。
一方のPoS(Proof of Stake)は、コインを大量に保有している人が承認作業を担い 問題が発生する余地があります。
のですでは二重投票や不正なブロックの生成などを行う「Nothing at Stake」と言う ディークレッド(DCR)では、PoW方式でハッシュ計算を、PoS方式で出来上がった取引記録 を承認するかどうかの投票を行なうと言う形で両方式を組み合わせています。
これによって51%攻撃やNothing at stakeの問題が起こる可能性が圧倒的に小さくなります。
マイニングによる報酬は PoW方式に60% POS方式に30% 開発チームに10% の形で分配されています。
民主的な意思決定方法
ディークレッド(DCR)ではその運堂や開発の方針を決める為の投票制度があります。
新技術を導入する場合や仕様変を行なう場合などにはこの投票によって決定されます。
コインの保有者はコインを支払って投票権を手に入れ、事案への賛成または反対に投票します
多くのコインでは開発チームや有力なマイニンググループが強い影響力を持っていますが、 ディークレッド(DCR)では投票結果によって方針が決まる為、ユーザーの意見が反映 されやすい、より民主的なシステムであると考えられます。
積極的な開発チーム
ディークレッド(DCR)の開発チームは、新機能の実装にとても積極的です。
開発チームによってスマートコントラクト機能(自動契約機能)や直接交換を可能にするアトミックトレードも実現しました。
更にライトニングネットワークや、分散型ファンドなども予定されており、意欲的な姿勢が見られます。
ディークレッドのデメリット
ディークレッド(DCR)のデメリットとしてはどの様なものがあるでしょうか。
主な項目としては
●投票機能が機能しない可能性
●国内の取引所で購入できない
と言った項目が挙げられます。
投票機能が機能しない可能性
ディークレッド(DCR)の投票機能は、コイン保有者の意向を民主的に運営方針に反映 する事のできるシステムです。
しかしながらコインの保有者がコミュニティに参加しなくなってくると、一部のユーザーの 声に誘導されてしまい、投票機能が思う様に機能しなくなってしまう可能性があります。
投票制度による意思決定を重視してきたブロックチェーンのプロジェクトは幾つも有ります が、実際の所不調に陥ったThe DAOなど、上手く機能していないプロジェクトが少なく、 ありません。
投票制度の健全性の維持はディークレッド(DCR)の大きな課題と言えるかも知れません。
国内の取引所で購入できない
ディークレッド(DCR)は、日本の取引所では取り扱っている所が無く、購入する事が できません。
どうしてもディークレッド(DCR)を購入したいと言う事であれば、海外の取引所に口座を 開設して購入する必要があります。
海外でも現在の所はBainanceやHuobi Globalなでおでは取り扱われておらず、少し購入 がしにくいコインと言えます。
2019年6月現在、ディークレッド(DCR)を上場している主な取引所としては Poloniex Bittrex などが挙げられます。
価格の見通し
2021年1月3日現在、ディークレッド(DCR)の価格は4,870円を付けています。
もちろん、実際の取引は御自身の判断、自己責任でお願いします。
公式ウォレット
ディークレッド(DCR)はDecreditonと言う公式のウォレットを提供しています。
Decreditonはユーザーが視覚的に操作できるように設計されており、慣れていない人でも 直感的に操作する事ができます。
Windows、Macに加えてLinuxにも対応しています。
Decreditonは公式サイトから無料でダウンロードする事ができます。
ライトニングネットワーク
ディークレッド(DCR)では、取引の処理能力を飛躍的に向上させるライトーンパク 機能の実装を進めています。
ライトニングネットワークとは、ブロックチェーン外(オフチェーン)で取引の処理を行ない、 ブロックチェーンには最終的な結果だけを記録すると言う機能です。
ブロックチェーンに記録する1件辺りのデータ量が減るので、1つのブロックに沢山の 件数を書き込め、処理能力が向上します。
まとめ
ディークレッド(DCR)はビットコイン以来、多くの仮想通貨コミュニティが保持している 非中央集権志向と言うカルチャーを高く掲げた「王道」を行くコインと言えます。
非中央集権的でありながら、その弱点を克服してスムーズな意思決定を実現して 行こうと様々な技術を盛り込んで開発が進められています。
ディークレッド(DCR)が成功すれば、社会全般で中央集権型システムからの脱却が 進展するかもしれません。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
コメント