テザー(USDT)とは⁉ドルペック暗号資産の特徴を解説

暗号資産(仮想通貨)
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テザーとは

テザー(USDT)は、米国のテザー社 (Tether Limited)が運営する、米ドルに対して1ドル=1USDTに価値を固定している仮想通貨(暗号資産)です。
テザーのように、コインのレートを法定通貨に固定させようとしているコインの事をステーブルコイン、あるいはペッグ通貨と呼びます。
テザーは仮想通貨(暗号資産)を代表するペッグ通貨です。
2.2兆円の時価総額を誇り、時価総額ランキング3位に付けるメジャーコインでもあります。
米ドルと同じ価格であれば価格変動による差益は生まれない筈ですし、そもそも米ドルでいいじゃないかという事になりそうですが、 実は仮想通貨の市場にとっては非常に重要な役割を担うコインでもあります。
今回はデザー(USDT)を紹介します。

■通貨名称 テザー(Tether)
通貨略号 USDT
総合順位 3位*(前回9位**)
通貨価格 104.4円*(前回108.05円**)
時価総額 2.2兆円*(前回3,819億円**)
公開時期 2015年2月公開
発行上限 上限なし
承認方式 PoR(Proof of Reserve)

(* 2021.01.03. CoinMarketcap公開データより集計)
(**2019.06.20. CoinMarketcap公開データより集計)

テザーの特長

テザー(USTD))の特長、メリットとしてはどの様なものがあるでしょうか。
主な項目としては

●レートが米ドルに固定されている
●価格の変動が少ない
●基軸通貨に採用されている

と言った項目が挙げられます。

レートが米ドルに固定されている

テザー(USTD)は、1USDT=1ドルになるように制度設計されています。
実際には1USDT≒1ドルで完全に米ドルと連動できている訳ではありません。
実は法定通貨と価値を連動させる事はそれ程簡単では無く、テザー(USDT)でも誤差を生じています。
テザー(USTD)は独特な仕組みで1USDT=1ドルを維持しようとしています。

ドルペッグの仕組み

テザー(USTD)のブロックチェーンの承認方式はProof of Reservesと呼ばれる独自の方式を採用しています。
テザーの新規発行は、ユーザーがテザー社 (Tether Limited)に米ドルを入金し、テザー社が入金された米ドルと同量のテザー(USDT)を発行する事で実行されます。
反対に、ユーザーがテザー社の口座にテザー(USDT)を入金すると、入金分のテザー(USDT)が消滅し、ユーザーにはUSDTと同額の米ドルが振り込まれます。
市場に流通しているテザー(USDT)の量と同量の米ドルをテザー社がプールしている事で、テザー(USDT)の価格を安定させている訳です。

価格の変動が少ない

テザー(USDT)は米ドルにペッグしているので、当然の事ながら価格の変動が少ないと言う特性を持っています。
それでも状況によっては米ドルとの差が生じるのですが、他の仮想通貨(暗号資産)の様に5%、10%も価格が動く様な変動は生じません。
この為、仮想通貨(暗号資産)の相場が大きく動く様な場面では、テザー(USDT)が資産の退避先として機能します。

基軸通貨に採用されている

テザー(USDT)は、海外では米国系の取引所を中心に多くの仮想通貨取引所で基軸通貨に採用されています
国際的に活動する様な取引所では、法定通貨を扱っていないケースが少なくありません。
例えば取引所が日本円を扱おうとすると、日本の金融業法や銀行法などをに沿った事業体制を作る必要があり、事業内容にも制約があるなど各国の法規制との調整が難しくなる為です。
そうした取引所ではビットコイン(BTC)イーサリアム(ETH)などのメジャーコインを基軸コインに指定し、ユーザーは基軸コインを取引引所に入金してそれで希望するコインを買うと言う仕組みになっています。
そうした基軸通貨にテザー(USDT)も採用されていて、テザー (USDT)で他のコインを購入できる様になっているのです。
こうした取引所の場合、仮想通貨(暗号資産)の相場が荒れて価格の変動が大きくなった時、一旦法定通貨に換えて退避すると言う方策が簡単には取れません。
それでもコインをテザー(USDT)に換えて利益を確定する、と言った行動が取れるのです。
ペッグ通貨にはにうした機能を持たせられます。

テザーのデメリット

テザー(USTD)のデメリットとしてはどの様なものがあるでしょうか。
主な項目としては

●テザー社への中央集権への不安
●国内の取引所での取扱いがない

と言った項目が挙げられます。

テザー社への中央集権への不安

テザー(USDT)はそのシステム上、テザー社が中央集権的に管理している仮想通貨 (暗号資産)です。
この点では、管理者のいないビットコイン(BTC)などの他の仮想通貨(暗号資産)とは大きく異なっています。
その為、テザー社の経営が不安定になった時はもちろんですが、テザー社のブールしている資産に対する不正や消失が起こった場合には、テザー(USDT)は一気に信用を失う事になります。
テザーの信用を維持する為に、テザー社は毎日プールしている金額を公表していますが、時々の金額への疑念が生じてテザーユーザーが動揺する場面があります。

また2018年10月には、テザー社のプールするドルの預け入れ先だった銀行が債務超過に陥っていると ブルームバーグが報道しました。
テザー社と関係が深い取引所ビットフィネックスへの不信感は以前から高まっていたとの指摘もあります。

テザー社がプールしている筈の米ドル資産を流用していた疑いをもたれ、米国商品先物取引委員会 (CFTC)から招集を受ける事態も実際に発生しています。

国内の取引所での取扱いがない

テザー(USTD)は、現在の所は日本国内の取引所での上場(取扱い)はありません。
テザーを購入したいと言う事であれば、基本的に海外の取引所で購入する必要があります。
バイナンスをはじめ多くの取引所で売買をする事が可能です。

今後の価格の見通し

投資(投機)対象として考えると、テザーはレートが米ドルに固定されているので、基本的にはわざわざ購入する理由はありません。
少なくとも現状では、米ドルの方が余程買いやすいですし安心です。
但し、テザーは厳密には1ドル=1USDTを維持できていませんし、一方ではレートを固定化しようとしていますので、そのギャップを利用した投資と言うのは確かに存在します。
極簡単に言うと、例えば1USDTが1ドルより安くなった時に大量にUSDTを購入すればいずれ1ドルに戻っていくので差益が獲得できると言う手法です。
上級者向けの投機方法になりますのでここでは余り深く触れませんが、価格が完全に固定できない と言うのはそういう事でもあります。
基本的にはやはり投資対象としては特にお薦めできない、と言う結論になります。
もちろん実際の取引は御自分の判断、自己責任でお願いします。

まとめ

テザー(USDT)は、価格が安定している事が最大の特長と言う非常に独特なコインです。
価格が上昇して行くわけでは無いので、投機の対象にはならないかも知れませんが、仮想通貨(暗号資産)の発展の上では大きな役割を担っています。
相場の混乱・急変時の避難通貨として利用するなど、様々な利用価値があるコインでもあるので、その特性を知っておいて損はありません。
またペッグ通貨の特性を知っておけば、類似した通貨の怪しい儲け話を持って来られても冷静に対応できますよね。
テザーの動向に引き続き注目して下さい。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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