何だかよく分からない トークン
暗号資産(仮想通貨)の話の中でしばしば登場する「トークン」 とは何でしょうか。
仮想通貨(暗号資産)では無く、何故トークンなのか。
何となく分かるけど、よくは分からないと言う人も多い言葉ではないかと思います。
トークンとは何か、仮想通貨との違いやその特徴、魅力、 欠点などを解説します。
トークンとは
トークンについては、実は定義がしっかりとは固まっていないと言う状況があり、人によって、あるいは文脈によって、結構幅のある使われ方をしています。
技術的には、「他の暗号資産(仮想通貨)のブロックチェーンの上に乗って発行されているもの」がトークンとされる事が多いですが、一般的な認識とはズレがあります。
現象的には、「誰かが独自に発行したコイン」がトークンであり、その後発行したトークンが認知されて、取引所にも上場される様になって流通してくると、次第に暗号資産 (仮想通貨)の1つとして認識されて行くと言うのが実体に近いと思います。
本サイトでは原則としてこの定義でトークンを捉えています。
実際、技術的にはトークンだとしても、時価総額が上位に入ってくる様なものについては、殆どの人が暗号資産(仮想涌貨)のコインとして認識している筈です。
誰かが発行したもの
トークン(token)と言う言葉は、 日本語の日常会話では余り出てこない単語ですが、元々は記念品、証拠品、引替券などを意味する言葉です。
英語で”ブック・トークン (book token)”と言うと図書券を差しますし、”ギフト・トークン(gift token)” はギフト券・商品券の意味になります。
IT分野の用語としては「何かの証や印になるようなデータや器具」などを指してトークンと呼ぶ場合があります。
この意味で使われるケースの代表例としては、スマートフォンを利用した2段階認証の際に、 認証アプリの画面に表示される4~6桁の数字をトークンと呼んでいる例があります。
更に暗号資産 (仮想通貨)のトークンにイメージの近いものは乗り物のトークンでしょうか。
タイ(バンコク)の地下鉄などでは、紙の切符の代わりにプラスチック製のコインを購入して乗車し、このコインをトークンと呼んでいます。
これらのイメージを併せれば、 誰かが何かの目的で独自に発行しているもの(コイン)がトークンと言う説明も理解して頂けるかと思います。
日本語の印象で言うと、紙だったら商品券や引換券だし、コインだったらトークンと言う事になるかの知れません。
コインとは
暗号資産(仮想通貨)の話に戻して、 今度はコインとは何かについても確認しておきます。
コインと言う言葉も定義が暖味なまま色々な使い方をされていますが、前述の様にトークンを定義できれば、暗号資産 (仮想通貨)やトークンの総称と言う形で使う事ができます。つまり
●コイン= 暗号資産(仮想通貨) + トークン
です。
ただ「コイン」と言う言葉は、法定通貨のコインも含めてしまう言葉でもあるので、暗号資産のコイン全般を指す言葉として「トークン」が使われる事もあり、話はややこしくなります。
トークン・エコノミーーなどの言葉でトークンと言う言葉が使われる時がそうです。
この場合のトークンは暗号資産も含めた広義のトークンです。
まあ、暗号資産(仮想通貨)もトークンの一部と見る事もできるので、コイン=広義のトークンと考える事もできるでしょう。
コイン≒トークンでも良いのですが、イメージは掴めるのではないでしょうか。
トークンを購入する方法
トークンを購入したいと言う場合には、対象のトークンの発行段階によって購入方法が変わります。
購入方法としては、
●ICOのトークン·セールで購入する
●トークン取引所で購入する
●一般の取引所で購入する
と言った方法が考えられます。
尚、これとは別に投資セミナーなどで「特別販売」 の様な斡旋が行われている事がありますが、 ほぼほぼお薦めできないのでここでは割愛します。
ICOのトークン·セールで購入する
トークンは最初にICOのトークン・セール期間に販売されます。
セール期間は1ヶ月程度のものから、半年~1年に渡るものまで様々です。
1次セール、2次セールと何回かに期間を分けて販売されるケースも多いです。
プレ・セールとして、正式なトークン・セールの前段階でトークンを一部販売するケースもあります。
ICOでは、通常はトークン・セールの実施前に、トークンの販売価格、最低購入金額、支払用の通貨などの諸条件が提示されます。
支払用の通貨には、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)などのメジャーな暗号資産(仮想通貨)が指定される事が多いです。
ICOに参加してトークンを購入したい人は、事前にビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)などを用意して、それを送金してトークンを購入します。
トークン取引所で購入する
ICOが終了すると、以後のトークンの購入はトークンが取引所に上場されるのを待つ事になります。
暗号資産 (仮想通貨)の大手取引引所Zaifでは、暗号資産 (仮想通貨)の取引所とは別にトークン取引所を開設しています。
Zaifの運営会社であったテックビューロ社が整備した、ICO用のプラットフォーム「COMSA」
でICOを実施した案件のトークンは原則ここで取り扱われる事になっています。
COMSAトークンやZaifトークンなどが上場されています。
COMSAの場を使って実施されたICO案件であれば、 購入したトークンが何時取引所に上場されるのか、そもそも上場されるのかと言う不安を持たずに購入できると言う利点を持っています。
一般の取引所で購入する
Zaifのトークン取引所の様な例を除くと、後は通常の暗号資産 (仮想通貨)を扱う取引所への上場を待つ事になります
大概のICO案件は取引所への上場計画を持っていて、そのスケジュールに沿った上場を目指しています。
何時上場するのかも重要ですが、この時気を付けなければいけないのが、何処の取引所に上場するのかです。
有力な取引所に相次いで上場する様なら何も問題はありませんが、 殆どの場合、そうは行きません。
実際、よくあるのがエストニアの取引所とか、アゼルバイジャンの取引所とか、その国にさえ余り縁が無い様な所の無名の取引所に上場されるパターンです。
それが即ダメ、と言う事では無いのですが、取引所で売買取引をする場合には、身元確認(KYC)をする必要がある場合が殆どです。
余り知らない国の知らない取引所に身元確認書類を提出して口座を開き、取引してさらに日本でビットコイン(BTC)なり日本円に換えて引き出すと言う所まで考えると、これは相当にタフな作業です。
トークンを購入する時には、そうした出口まで考えておかないと大変です。
少なくとも上場を目指している取引引所がどこか位は考えておく必要がありますね。
トークンを貰う
さて、トークンについては購入すると言う方法の他に、エアドロップで貰うと言う方法も非常に有効です。
エアドロップとは、 無料で暗号資産 (仮想通貨)やトークンを配布する、一種のキャンペーンの事です。
とりわけ、まだ実績の無いトークンなどでは、エアドロップがしばしば実施されます。
暗号資産やトークンは、基本的に多くの人に認知され、利用されて行かないとその全体価値が上がっていかないので、多くの人に保有して貰う事が重要なポイントになります。
その為、トークンを無料で配ると言う方法が戦略的に有効なのです。
エアドロップでは、アカウント登録やLINEの友だち登録、twitter連携などの条件をフリアする事で貰える事が多いです。
イーサリアム(ETH)など特定のコインを、所定のウォレットに保管しているだけで、記布されるケースもあります。
エアドロップされるトークンはその時点では殆んど価値の無いもの(いわゆる草コイン)が大半ですが、その中から大化けするコインがでたら、もう笑うしかありません。
海のものとも山野ものとも分からないトークンだけに、無料で貰って待つと言うのも夢のある話ですよね。
まとめ
まだまだ使われ方が暖味で分かりにくいトークンですが、機能的には暗号資産(仮想通貨)と殆ど変らない、非常に近い関係のものと言う事はお分かり頂けたと思います。
独自仮想通貨とか派生通貨とか、 もう少し関連性のある名称にしてくれれば、もっと分かりやすかったのですけどね。
それでもトークンについてイメージできる様になると、暗号資産 (仮想通貨)の理解も一気に進みます。
これを機に色々なトークンについて覗いて見るのも楽しいと思いますよ。
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