FTX
FTXは、2019年創立と後発ながら瞬く間に世界有数の取扱い規模を誇る取引所へと躍り出た注目の仮想通貨取引所です。
「トレーダーがトレーダーのために構築した仮想通貨取引所」を標榜し、プロトーレーダーにも熱狂的な支持者が少なくありません。
一方では初心者にも優しい直感的な操作の取引画面を展開するなど幅広い層に支持を集めています。
またFTX独自のトークンとしてFTTトークンを発行しており、こちらも時価総額TOP40のコインとして注目を集めています。
FTTトークンの詳細については次の記事を参照して下さい。
今回はFTXの概要について紹介します。
■取引所名 FTX
■運営会社 Alameda Research
■運営形態 仮想通貨取引所
■設立時期 2019年
■公式HP https://ftx.com/
FTXの口座開設については別の記事を参照下さい。
米国発の仮想通貨取引所
FTXは米国のアラメダ・リサーチ(Alameda Research)という組織が運営する仮想通貨取引所です。
FTXはデリバティブ取引、オプション取引、レバレッジドトークンなどの革新的なサービスを次々に打ち出し、仮想通貨取引を大きく変革しようとしています。
2021年3月には米国NBAの人気プロバスケットチーム「マイアミ・ヒート」のホームアリーナ命名権を獲得して注目を集めています。
創業者サム
FTXのCEO兼創業者のサム・バンクマンフリード(Sam Bankman-Fried)氏は「サム(または敬意を込めてアフロ)」の愛称で広く知られる、仮想通貨(暗号資産)業界でも注目を集める人物です。
バンクマンフリード氏は米国マサチューセッツ工科大(MIT)で物理学を専攻し、ジェーン・ストリート社(Jane Street Capital)で国際ETFのトレーダーを務めました。
株式、ETF、先物などの金融商品の取引に精通しています。
FTXの特徴
FTXの特徴、メリットとしてはどの様なものがあるでしょうか。
主な項目としては以下の項目が挙げられます。
・多彩な投資メニュー
・有力な関連プロジェクトが多い
・独自トークンFTT
多彩な投資メニュー
FTXの最大の特徴といえば、何と言っても多彩な投資商品や取引メニューでしょう。
デリバティブ取引、オプション取引、レバレッジドトークンなど多種多様な仮想通貨取引ができます。
FTXを仮想通貨のデリバティブ取引所と紹介する記事もあります。
もちろん一般的な取引(現物取引)も行うことができます。
FTXでは次の様な取引を行うことができます。
・現物取引(Spot)
・先物取引(Futures)
・株式トークン(Stocks)
・レバレッジ取引(LevaregedToken)
・ボラリティ取引(Volatility)
・予測市場(PredictionMarket)
・法定通貨市場(Fiat)
現物取引(Spot)
一般的な仮想通貨取引所でも行われている現物取引です。
FTXでは殆どのコインを米ドルで購入できる所が特徴的です。
但し米国在住者はFTXのサービス提供対象外となっています。
先物取引(Futures)
先物取引とはある日時で取引する価格や数量を決めて予約取引を行う取引です。
設定した期限までに取引の決済を行います。
英語ではFuturesと表記されます。
株式トークン(Stocks)
FTXではテスラやアマゾンなどの株式をトークン化したものを取引することができます。
米国株などは1株で数十万円〜数百万円もするものもありますが、トークン化することによって1株以下の量でも購入することができるという大きなメリットがあります。
レバレッジドトークン(Leveraged Token)
レバレッジドトークンは2倍、3倍といったレバレッジを掛けたトークンです。
「3倍ロングビットコイン」「3倍ロングリップル」といったトークンがたくさん上場されています。
ロング(価格が上がると利益が出る)だけでは無くショート(価格が下がると利益が出る)のトークンもあり、相場の下落時にもトークンを持つだけで利益を狙えます。
ボラリティ取引(Volatility)
ビットコインの一日の変動幅といったボラリティ(変動性)を価格に反映させたトークンの市場もあります。
予測市場(Prediction Market)
予測市場はFTXの中でももっともユニークな金融商品と言えるかも知れません。
2020年は米国大統領選でトランプが勝つか、というトークンを販売して人気となりました。
トランプが勝てば1ドル、負ければ0になるというギャンブル性のあるトークンです。
法定通貨市場(Fiat)
FTXには法定通貨やステープルコインの市場もあります。
FXの取引に近い感覚といえるかも知れません。
シンガポールドル/米ドルといったレアな取引もできます。
有力な関連プロジェクトが多い
FTXとアラメダ・リサーチは、仮想通貨の取引所だけでは無くさまざまな関連プロジェクトを持ち、相乗効果を生み出そうとしています。
「FTX(サム)が絡んだプロジェクトのコインは高騰する」という評価もあり、投資家からも注目されています。
主な関連・提携プロジェクトは以下のものがあります。
●スシスワップ(SushiSwap)
●セルム(Serum)
●ソラナ(Solana)
スシスワップ(SushiSwap)
スシスワップ(SushiSwap)は2020年のDeFiブームの中で一気に勢力を伸ばした分散型取引所(DEX)です。
先行するユニスワップの大成功を見て、ユニスワップのコードをほぼ丸ごとコピーする様な形で作られました。
更にはユニスワップからユーザーを誘導する様な報酬の仕組みを生み出して取り扱い量を劇的に増やすことに成功しました。
独自トークンであるSUSHIトークンの価格も上がり、大手取引所に上場するまでになりましたが、スシスワップの創業者が上場直後に保有するSUSHIトークンを売り抜けていたことが分かりSUSHIトークンが暴落、分散型取引所としても信頼を大きく損なう事態となりました。
このままSUSHIスワップは沈んでいくと思われましたが、ここでバンクマンフリード氏が手を挙げ、創業者から運営を引き継ぐことになりました。
バンクマンフリード氏はコミュニティを活性化させると共にさまざまな改善策を打ち出し、SUSHIトークンの価格を再び上昇させることに成功しました。
セルム(Serum)
セルム(Serum)はFTXが開発し、2020年8月に運営を始めた分散型取引所(DEX)です。
FTXの画面から直接セルムに行くこともできます。
多くの分散型取引所がイーサリアムのブロックチェーンを利用している中、セルムはまだマイナーなソラナのブロックチェーンを採用しました。
ソラナのチェーンを使うことによって、セルムは高速の取引と格段に安い送金手数料(gas代)を実現しています。
セルムは取引所の独自トークンであるSRMトークンと、より希少性の高いメガセルム(MSRM)を発行しており、両トークンの動向も注目されています。
ソラナ(Solana)
ソラナ(Solana)は圧倒的な基本スペックを持つブロックチェーンプロジェクトです。
1秒間に50,000件の取引を処理できるという性能を有しながら送金手数料も非常に安く、既存のプロジェクトが抱える多くの問題を克服するプロジェクトとして期待されています。
FTXとは異なる独立した別の開発組織のソラナ財団によるプロジェクトではありますが、FTXが開発する分散型取引所「セルム」をソラナのブロックチェーンを使って展開したことで注目を集めました。
今やセルムはソラナのネットワークを代表するサービスとなっています。
レイディウム(Raydium)
レイディウム(Raydium)もセラム同様、ソラナのブロックチェーンで稼動する分散型取引所(DEX)です。
レイディウムは独立した分散型取引所ですが、ソラナのチェーンを使うセルムと連携できます。
独自トークンRAYを発行しています。
独自トークンFTT
FTXでは、取引所の独自コインとしてFTTトークンを発行しています。
FTTトークンについては別の記事を参照下さい。
FTXのデメリット
FTXの問題点、デメリットとしてはどの様なものがあるでしょうか。
主な項目としては以下の項目が挙げられます。
・日本在住者向けのサービスでは無い
日本在住者向けのサービスでは無い
FTXは米ドルやドルペックのステープルコインを基軸通貨に採用していながら、米国当局の規制方針を受けて米国在住者は利用することができません。
日本の金融庁も海外の取引所に対して日本在住者向けの営業をしない様に求めています。
そのためFTXも日本在住者向けに堂々とサービスを展開することができません。
日本在住者が自分の判断で投資をすることは違法では無いですが、この先規制がどうなるかは不透明です。
実際の投資は御自身の判断、自己責任にてお願いします。
まとめ
FTXは仮想通貨(暗号資産)の金融派生商品をも広く網羅した取引所です。
操作画面はシンプルで経験の浅いユーザーから上級者まで幅広い層に支持されています。
今後も先進的な取引や金融商品が続々と投入されてくると思います。
是非FTXに注目して下さい。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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