Internet Computer(インターネットコンピューター)とは⁉クラウド3.0を目指すプロジェクトを解説

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Internet Computer

Internet Computerはスイスに拠点を置くディフィ二ティ財団(Dfinity Foundation)が展開する分散型ネットワークです。
「いんたーねっと・こんぴゅーたー」というストレートなネーミングが何とも言えない感じですが、2021年5月8日に独自コインのICPトークンが公開されるといきなり時価総額トップ10へと躍り出て話題になりました。
一体何のコインだかも分からず、驚いた人も少なくないと思います。

ディフィ二ティ財団が開発を進めるInternet Computerは、特定の企業や組織が管理する現状のクラウドコンピューティングサービスからの脱却を目指すプロジェクトです。
現在のクラウドサービス(クラウド2.0)に対してクラウド3.0時代のプロジェクトとも言われています。
そしてInternet Computerのネットワークで使われるコインがICPトークンになります。
今回はInternet Computerのプロジェクトを紹介します。
ICPトークンについては別の記事を参照下さい。

■PJ名称  Internet Computer
■PJ区分  分散型クラウドコンピューティング

■開発組織 デイフィニティ財団
■発行通貨 ICP
■公式HP   https://dfinity.org/

コインベースも注目

Internet Computerの構想は2008年にスタートしました。
2016年にはInternet Computerの開発母体でもあるディフィニティ財団(DFINITY Foundation)が設立されています。
ディフィニティはスイス・チューリッヒの他、米国サンフランシスコなどにも研究拠点を持つ非営利団体です。
ディフィニティは2017年と2018年に、Andreessen Horowitz(a16z)ポリーチェーン(Polychain Capital)といった著名なスタートアップや投資家達から1億200万ドル(約135億円)もの資金調達に成功しています。
Internet Computerの発行するICPトークンは2021年5月7日に公開されましたが、公開前から米国最大手の取引所コインベースが取り扱いを表明し、先行してICPトークンを受け取る権利証での先物取引を開始するなど大きな注目を集めました。

クラウドコンピューティングの問題

現在インターネット上にある膨大なデータの多くは超巨大企業が展開するクラウドコンピューティングサービスで保管されています。
アマゾンのAWS(AmazonWebServices)などのサービスを使えば、ユーザーはデーターの倉庫(サーバー)を用意しなくても写真や動画、文字などのデータを自由に管理することができます。
データの保管はAWSであればアマゾンが建設した巨大データサーバーが引き受けてくれます。
自分達が気づかない所でも頻繁に利用しているサービスなのですが、この場合、自分のデータはアマゾンなどのサーバー管理者が握っているとも言えます。
サーバー側の都合でデータが凍結されたり削除される可能性もあります。
また5G6G通信ネットワークの到来によって世界のデータ量は加速度的に増加することが確実視されており、更なるデータセンターの増設が求められます。
今は無料か無料に近い料金で利用できるクラウドコンピューティングサービスも、突然高騰し支払いを迫られる可能性も十分にあります。
そうした特定企業によるデータセンターの管理から脱して、分散型のデータセンターを構築しようというのがInternet Computerの目的なのです。

分散型のクラウドコンピューター

Internet Computerでは、世界中からコンピューターの能力を提供して貰って、それをICP(Internet Computer Protocol)という手順によって纏めてネットワークを形成します。
分散型のクラウドコンピューティングという考え方です。
Internet Computerはクラウドコンピューティングと同様のデータセンターとして利用できる他、ネットワーク上で各種のアプリケーションを開発し、稼動させることもできます。
ネットワークのセキュリティやストレージ管理はInternet Computerが自動で調整してくれます。
Internet Computer上でサービスを提供しようとする場合、提供者はネットセキュリティやストレージ配分などを気にすること無く、サービスの開発に集中することができます。

Internet Computerの特長

Internet Computerの特長、メリットとしてはどの様なものがあるでしょうか。
主な項目としては以下の項目があげられます。

●サーバーの影響を受けないネットワーク
●エンドユーザーの手数料負担が無い

サーバーの影響を受けないネットワーク

既存のクラウドコンピューティングサービスではデーターセンターのトラブルによって日常のさまざまなネットサービスが止まってしまうという事例が少なからず見られます。
Internet Computerでは分散化したデーターセンターの一部が止まったり破損したりしても正常なサーバーのデーターを基に必要なデータを纏めることができます。
これによってサーバーの影響を受けない、止まらないネットワークを実現しようとしています。

エンドユーザーの手数料負担が無い

現行のクラウドコンピューティングサービスを利用したAWSの様なアプリケーションでは、アプリを展開する事業者がシステムの利用料を支払います。
エンドユーザーはAWSなどの費用を気にすること無く利用することができます。
これに対してブロックチェーンを利用した同様のサービスでは、ネットワークを利用した人が都度システム利用料とも言うべき手数料を支払う仕組みになっているものが殆どです。
この都度発生する手数料の存在がブロックチェーン型サービスへの移行の障壁になるのではと危惧されてもいます。
Internet ComputerではAWSなどと同様にエンドユーザーがネットワーク手数料を支払う必要が無く、支払い用のトークンを保有する必要もありません。
この為、既存のクラウドコンピューティングサービスから移行しやすいというメリットがあります。

Internet Computerのデメリット

Internet Computerの問題点・デメリットとしてはどの様なものがあるでしょうか。
主な項目としては 以下の項目があげられます。

●競合プロジェクトの存在

競合プロジェクトの存在

クラウドコンピューティングの課題に取り組むプロジェクトはInternet Computer以外にも少なからず存在します。
代表的なものとしてはやはり分散型のストレージを構築するFilecoinのプロジェクトが挙げられます。
Internet Computerの強力なライバルとなり得ます。
アプリケーション開発のプラットフォームとしてもイーサリアムポルカドットネムなど更に強力な競争相手がいます。
こうした競合プロジェクトとの競争に勝ち抜いて確固たる地位を築けるかには注視して行かねければなりません。
ただFilecoinと比べると、Internet Computerはエンドユーザーがネットワーク使用料を負担しなくて良いというメリットがあり、クラウドコンピューティングの分野では一方的に追いやられる可能性は少なそうです。

まとめ

Internet Computerはクラウド3.0時代を見据えた次世代ネットワークを目指すプロジェクトです。
既存のネットワーク技術と比べてブロックチェーンは遅いという前提を覆し、実用的なネットワークを構築しています。
アプリケーション開発のプラットフォームとしてのポテンシャルも高く、今後重要なネットワークに発展する可能性があります。
日本での知名度はまだ無いですが、注目しても良いプロジェクトと言えるでしょう。
ICPトークンと共にInternet Computerが切り開く世界に注目して下さい。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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