Aave
Aave(アーべ/AAVE)は分散型金融(DeFi)の中で、特に仮想通貨(暗号資産)の貸付サービスに強みを持つプラットフォームです。
資産を担保に仮想通貨を貸付する「レンディング」は、仮想通貨投資に新たな投資手法をもたらすサービスとして大きな注目を集めています。
このレンディングの分野に於いて、AaveはCompoundと共に最大手のプラットフォームの座にあります。
今回はこのAaveが展開するレンディングプラットフォームについて紹介して行きます。
Aaveの発行する仮想通貨(暗号資産)「Aaveトークン(AAVE)」の概要については別の記事を参照して下さい。
■PJ名称 Aave/アーべ
■PJ区分 レンディングプラットフォーム
■公式HP https://aave.com/
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本社はロンドン
Aaveは元々はETHLendというプロジェクトで2017年にステイニ・クレクホフ(Stani Kulechov)氏によって設立されました。
ETHLendは後にブランド名を「Aave」に名称変更しました。
幽霊、亡霊(ゴースト)を意味するフィンランド語だそうです。
ただし中身は決して亡霊プロジェクトではありません。
ETHLendについてはAaveの子会社となり、運営を停止して実質的にAaveに吸収されています。
Aaveはをロンドンに本社を置き、分散型金融のサービスを開発しています。
Aaveのプロジェクトでは2020年8月に英国法人のAave Ltd.が英国金融行為監視機構(FCA)から電子マネー事業の金融ライセンスを取得しました。
17億円を調達!?
Aaveは元のETHLendというプロジェクトの時にICO(トークンセールによる資金調達)を行いました。
2017年11月25日から1ETH=25,000 LENDのレートで37,600ETHをハードキャップ(上限)とするトークンセールを実施し、約17億円の調達に成功しました。
公式にはAaveとETHLendとは別のプロダクトとなっていますが、前述の通りETHLendはAaveに実質的に吸収されました。
Aaveは2020年12月にアップグレード版のV2を公開し、機能が大幅に拡大してDeFiのプラットフォームとしての地位を固めています。
Aave(AAVE)の特長
Aaveの特長、メリットとしてはどの様なものがあるでしょうか。
主な項目としては以下の項目があげられます。
●資産を預けて金利を受け取れる
●仮想通貨を借りることができる
●変動金利と固定金利を選べる
●本人確認が要らない
●大手監査法人の監査を受けている
資産を預けて金利を受け取れる
Aaveに資産を預ける(貸し出す)ことで預け入れ証明書の代わりとなるaトークンを受け取り、aトークンの保有者は所定の金利を受け取ることができます。
aトークンはDaiを預けるとaDai、USDCを預けるとaUSDCという形で1:1の比率で発行されます。
100DAIを預けると100aDaiトークンが発行されるわけです。
aトークンは預入れ時に発行され、償還時に消失します。
2021年5月6日時点で24種類のコインを預けることができます。
気になる利率ですが、コインによって大きく異なり殆ど0%のものもありますが、需要の多いステープルコインは高く、DAIだと4.12%、GUSDとなると実に12.07%もの金利がついています。
同日の主なコインの年利は以下の通りです(Aave公式サイトより)。
Aaveトークンをステーキングできる
Aaveの独自トークンであるAaveトークン(AAVE)をステーキングすることもできます。
AAVEを預けるだけで利益を得ることができます。
同日付の金利は年7.12%となっています。
Aaveトークンとステーキングについては別の記事を参照下さい。
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仮想通貨を借りることができる
Aaveに預けている資産を担保に仮想通貨を借りることができます。
(短時間無担保で仮想通貨を借りるフラッシュローンという仕組みもあるのですが、用途が特殊なのでここでは割愛します。)
通常のレンディングプラットフォームでは取り扱いコインを絞る傾向にあるのですが、Aaveは取り扱い銘柄が非常に多いのが特徴となっています。
需要の多い米ドル連動型のステープルコインだけでも7種類に対応している他、2021年5月時点で計20種類以上の通貨に対応しています。
変動金利と固定金利を選べる
通常のレンディングプラットフォームでは資金を借りる際には変動金利が採用されていますが、Aaveでは約半数のコインで変動金利と固定金利のどちらかを借り手が選べるようになっています。
変動金利の場合は資金を借りた後の金利変動のリスクがありますが、固定金利であればこうしたリスクを回避できます。
Aaveでは変動金利より高い金利を払うことで固定金利を選択できます。
例えばDai(DAI)を借りる場合であれば、変動金利だと5.07%のところ固定金利だと13.07%となっています*。
*2021.05.4.提示金利による
本人確認が要らない
担保を出す出さないに関わらず、資産を借りる場合には個人情報や本人確認書類の提出などが必要になりますが、Aaveでは借りる際も預ける際もそうした手続きを必要としません。
Aaveのネットワークに自分のウォレットを接続するだけで取引をすることができます。
この手軽さは分散型金融(DeFi)の大きなメリットと言えます。
大手監査法人の審査を受けている
Aaveは監査法人Open Zeppelinなどにプロジェクトの監査を受けており、監査結果は公開されています。
Open ZeppelinはコインベースやBrave、Compoundなどの監査も手掛けた大手監査法人です。
だから大丈夫と言いきれる訳ではないですが、こうしたプロセスを経ていないプロジェクトと比べれば格段に信頼性が高いことは言うまでもありません。
Aaveの問題点
Aaveの問題点、デメリットとしてはどの様なものがあるでしょうか。
主な項目としては以下の項目があげられます。
●金融庁認可のサービスではない
●類似プラットフォームとの競合
金融庁認可のサービスではない
Aaveは日本の金融庁が認めている金融サービスではありません。
そのためもしAaveとの取引で何か問題が生じても行政が助けてくれることはありません。
資産を失うようなことが
本サイトもAaveの利用を推奨しているわけではありません。
実際に利用する場合は御自分の判断、自己責任でお願いします。
類似プラットフォームとの競合
Aaveは有力な(分散型の)レンディングプラットフォームですが、Compoundという強力な競争相手を抱えています。
レンディングのユーザーは金利の僅かな差にも敏感な人が多いのでCompoundや後発のプラットフォームに顧客を奪われてしまうリスクが常にあります。
まとめ
Aaveは分散型レンディングという市場で強力な地位を築き、更に拡大させようとしています。
レンディングの市場は将来性が高く、また多くの関連ビジネスを生み出すものと期待されています。
個人の投資としてもコインの価格変動による差益を狙うだけではない、様々な投資手法をもたらしてくれるサービスであり、レンディングは重要です。
是非Aaveのサービス、そしてレンディングに注目してみて下さい。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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