中国の暗号資産環境

各国の暗号資産状況
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各国の暗号資産環境について

コイン資産倶楽部では、各国の暗号資産(仮想通貨)の市場やブロックチェーン・プロジェクトの状況などを纏めています。
各国の暗号資産状況、今回は世界最大の人口を持つ大国・中国です。
今やGDP(国民総生産)世界第2位の経済大国であり、IT産業が急拡大を見せるIT大国でもあります。
14億の人口を持つ国内市場もあって、中国では多くの有望なブロックチェーン・プロジェクトが生まれています。
中国は暗号資産(仮想通貨)の情勢に大きな影響力を与える国と言えます。
その一方で国内の暗号資産取引ICOに対しては、相当に厳しい規制方針を打ち出しており、取引に関しては規制の多い市場となっています。
中国の暗号資産市場や環境について見て行きましょう。
各分野の詳細についてはそれぞれ別の記事で展開して行きます。

中華人民共和国

中国(中華人民共和国)は世界最大14億の人口と日本の約23倍もの面積の国土を誇る国です。
近年では国民総生産(GDP)でも日本を抜いて14兆4000億ドルと米国に次ぐ世界第2位の座に付き、経済大国の地位も手にしています。
1人当りGDPも1万276ドル(約113万円)*に達し、経済成長率も2019年は6.1%と新型コロナ問題の発生までは高い成長を維持していました。

■国名 中華人民共和国
■首都 北京
■人口 14億5万人(1位)
■人種 漢民族(約92%)及び55の少数民族
■面積 960万平方km(3位)
■GDP 14兆4000億ドル(2位)*
■通貨 元(1元≒15円***)

*2019年IMF発表データによる。
** 2019年中国国家統計局発表による。
***2020年7月10日の通貨レートによる。

中国の暗号資産環境のメリット

中国の暗号資産環境のメリットとしてはどの様な点が挙げられるでしょうか。
主な項目としては

●暗号資産の投資熱が高い
●国内市場が大きい

といった点が挙げられます。

中国の暗号資産環境のデメリット

中国の暗号資産環境のデメリットとしてはどの様な点が挙げられるでしょうか。
主な項目としては

●取引の規制が厳しい
●ICOができない

といった点が挙げられます。

暗号資産の規制は厳しい

中国は2017年までは、ビットコインを始めとする取引が非常に盛んな暗号資産(仮想通貨)大国でした。
中国は元々日本とは比較にならないほど個人の投資意欲が盛んな国です。
都市部では、ごく一般的な市民の間でも、株式投資はもちろん、不動産、骨董品、宝石(ヒスイなど)と実にさまざまな投資・投機商品が注目され、ブームを使ってきました。
暗号資産への投資も例外では無く、中国では日本よりも早い段階からビットコインが盛り上がりを見せ、暗号資産の市場も急激な拡大を遂げました。
その結果として、一時は人民元建ての取引が世界の暗号資産取引量の約9割を占めるまでになっていました。
ところが加熱するブームを警戒した中国政府は、暗号資産(仮想通貨)に対して厳しい規制を課す姿勢に転じます。
以降は世界的に見ても暗号資産(仮想通貨)に対する規制が非常に厳しい国へと姿を変えています。

暗号資産に影響を与える大国

そうした中国当局の規制状況は世界の暗号資産相場にも大きな影響を与えています。
中国で暗号資産(仮想通貨)に対する規制が発表されたり、政財界の要人が暗号資産(仮想通貨)について否定的な発言をすると、それにビットコインなど多くのコインの価格が反応して下落したりします。
現在も尚、暗号資産(仮想通貨)に大きな影響を与える国であることは間違いありません。

厳しい取引規制

中国政府は、資産を容易に国外に送る事ができる暗号資産(仮想通貨)に対しては、当初から警戒を示していました。
2013年12月の段階で早くも暗号資産取引を禁止すると注意勧告を出しており、中国元を取り扱う銀行からの暗号資産取引所への入金を禁止しています。
この措置によって人民元建のビットコイン価格は実に9割近くも下落しました。
2017年1月にはビットコインの出金を4ヶ月間封鎖しており、この時も人民元建のビットコイン価格は4割以上下落しています。
同年9月には、中国当局が国内での全ての暗号資産(仮想通貨)ICOの取引を禁止しました。
これによって国内では取引所で暗号資産(仮想通貨)を売買する事ができなくなっています。
中国当局の規制強化を受けて、中国や香港を拠点としていたバイナンスや houbi などの大手取引所はシンガポールマルタなど中国国外に拠点を移しています。
中国政府がこうした厳しい対応を見せていても、ビットコインを始めとする暗号資産価格の上昇に伴って再び暗号資産人気が高まります。
しかしながら、2018年1月には中国の暗号資産規制が更に強化され、暗号資産(仮想通貨)に関する広告やウォレットサービスなども検閲や制限を受けるようになりました。
同年2月4日には、中国国内及び国外の暗号資産取引所に対して、規制措置を更に強化する政府の方針が明らかにされます。
これによって暗号資産取引所のホームページは閉鎖され、関連広告も禁止され排除ました。
更に政府はネット上にファイヤーウォールを構築して暗号資産関連情報へのアクセスを排除するとし、暗号資産に否定的な姿勢を鮮明にしています。
一連の規制を受けて2018年1月21日にはKu Coin、2月1日にはバイナンスが中国国内向けのサービス停止を発表しています。
中国政府が暗号資産から中国市場を遮断しようしている中で、国内での暗号資産事業の継続は難しくなっており、拠点を海外に移す動きは今後も増加すると見られます。

アリペイやバイドゥでも禁止

取引規制強化の流れは続き、2018年8月26日には、中国決済アプリ大手のアリペイが、暗号資産のOTC取引(個人間取引)を行っているアリペイユーザーのアクセスを強制的にブロックしていることが明らかになりました。
翌27日には、検索エンジン大手の百度(バイドゥ)が、百度のフォーラムサイトに暗号資産に関するコンテンツを投稿することを禁止するとの発表をしました。

ICOへの対応

ICO(トークンセールによる資金調達)についても中国はいち早く厳しい姿勢を取ってきています。
ICOの仕組みが確立されてくると、中国国内でもICOを実施する事業者が多数現れ、ICO投資が急激な拡大を見せました。
ところがICOの拡大に伴い、ICOを利用した投資詐欺も頻発するようになり、その深刻な
被害が社会問題化していきます。
中国金融当局は、ICOの殆どは投資詐欺でありネズミ講であると警告し、2017年9月4日に国内の全ICO の禁止及び排除措置を通達しました。
金融当局はICOが違法な資金調達であり、既存の金融システムを脅かすものと判断したのです。
金融当局の通達内容は以下の通りです。

●中国国内でのICOによる企業、個人の資金調達の禁止
●ICOのプラットフォームでの取引や交換サービスの禁止
●銀行や金融機関のICO取引関連業務の禁止
●ICOで調達した資金は原則投資家に返却すること

この通達に続いて、金融当局は国内60の暗号資産取引所について調査として実質的な取り締まりを行ないます。
こうした施策によって「Huobi」「OkCoin」「BTC China」などを含む全ての暗号資産取引所は9月末までに暗号資産取引の停止に追い込まれています。
新規のICO受付も停止され、「ICOage」「ICO.info」といったICOトークンの取引所も軒並みサービス停止となりました。
中国の暗号資産取引は急激に縮小し、人民元建ての暗号資産取引量は世界全体の僅か1%程度にまで落ち込みました。
中国の決定は世界の暗号資産規制にも大きな影響を与え、各国でICO規制を巡る議論が本格化して行くことになります。
2018年1月31日には、中国人がICOに新たに参加する事も禁止としました。
銀行や金融機関がICO関連のビジネスを行なう事は既に禁止されていたので、ICO はほぼ違法と位置づけられたことになります。

マイニング大国

中国では早くからマイニングも投資対象として人気を博していました。
最新のマイニングマシーンをずらりと並べたマイニングファームと呼ばれる専用の工場を造って大きなリターンを狙うマイニング企業が続々と台頭してきます。
暗号資産の取引が禁止された後でも、中国では暗号資産のマイニングについては投資熱が冷めず、依然としてマイニング大国であり続けました。
しかしながら2018年1月には、中国国内でビットコインのマイニング制限が始まり、こうした規制によって中国の有力マイニング企業の多くが台湾や日本に避難したと見られています。
2018年9月26日には大手マイニング企業のビットメイン社が香港証券取引所に正式な上場申請を行っています。
ただ一部の有力企業は地方の有力幹部と手を組み、国内のマイニングファームでのマイニングを続けていると見られています。

暗号資産投資への関心は高いまま

バイナンスOKコインなど大手の取引所やマイニング企業は日本やシンガポール、マルタなどに拠点を移して事業を継続しています。
中国の個人投資家の側も、国内での取引規制が相次いで強化される中、多くのトレーダーが香港や台湾、日本などの取引所を利用する事で規制を回避していました。
中国人民元を使って暗号資産(仮想通貨)を直接購入する事はできませんが、それでも人民元を米ドルに換えてから暗号資産(仮想通貨)を買うなど、他国の通貨を経由させて売買している投資家が数多く存在しています。
中国人の潜在的な暗号資産投資への意欲は依然として高いと言ってよいでしょう。

ブロックチェーンは評価

取引の規制が強化される一方で、中国政府は暗号資産の技術、ブロックチェーン技術については積極的に推進する姿勢を見せています。
2018年5月には中国の最高国家行政機関にあたる国務院が、ブロックチェーン技術の発展と商業化を進めようという方針を国内の各機関に伝達しています。
国務院の表明は、中国がブロックチェーンの将来性を高く評価している証拠とも言えます。
また同年5月17日には、中国政府が主要暗号資産(仮想通貨)28種類の格付けを発表しています。
中国工業情報化部の中国電子産業発展研究員が分析し、中央政府が発表した形のもので、以後毎月格付けを発表するとの話なので、この時点で政府が暗号資産に強い関心を持っていることは間違いありません。
因みにこの時のランキングでは

●1位 イーサリアム(ETH)
●2位 スチーム(steem)
●3位 リスク(LSK)
●4位 ネオ(NEO)
●5位 コモド(KMD)

となっていました。
こうした動きを見ても、近い将来、中国で改めて暗号資産の取引が合法化される可能性は十分にあります。
実際、2018年10月26日には、中国の仲裁委員会がビットコインを財産としとして認めるとの判断を示しています。
中国で取引が解禁されれば、暗号資産市場に世界最大の巨大マーケットが登場する事になります。

デジタル人民元

暗号資産やICOの取引を厳しく規制する一方で、中国は中央銀行発行のデジタル通貨(CBDC)については早くから強い関心を示してきました。
中国では中央銀行の中国人民銀行(PBOC)が中心となり、欧米諸国に先んじる形で2014年から中央銀行発行のデジタル通貨の研究を進めています。
中国のCBDC構想ではブロックチェーン技術を採用した通称「デジタル人民元(DCEP)」と呼ばれる通貨の開発が進められており、既に実証実験も行われています。
深センや蘇州でのデジタル人民元の試験運用も計画されています。
既にベネズエラなど政府が暗号資産(仮想通貨)を発行している国はありますが、デジタル人民元が発行されれば、国際的に影響力のある法定通貨を持つ国としては最初の事例となります。
中国銀行などの国営銀行や大手通信会社とも連携してデジタル人民元の普及を目指すとしています。
またデジタル人民元は中国国内のみならず、国際金融の新たな基軸通貨として普及していく可能性があり、欧米各国はその動向に危機感を募らせています。
中国人民銀行(PBOC)は基本設計は既に完了したと発表しており、深セン・蘇州でのテスト運用が予定されています。
国営銀行や大手通信会社とも連携して、中国内外への浸透を進めていこうとしています。
既に都市部を中心にキャッシュレス化が著しく進んでいるだけに、少なくとも中国国内ではデジタル人民元が一気に浸透する可能性が高そうです。

まとめ

中国は個人や民間企業の暗号資産取引に対しては厳しく規制をしながら、一方では政府主導のデジタル人民元を浸透させようとしています。
ブロックチェーン技術の推進についても非常に意欲的です。
世界の暗号資産市場に大きな影響を与える国であることは変わりません。
今後も中国の動向からは目を離すことができませんね。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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