イーサリアム史上最大のアップデート
イーサリアム(ETH)は、数千種類はあるといわれる仮想通貨(暗号資産)の中でビットコインあに次ぐ時価総額を誇るメジャーなコインです。
そのイーサリアムが今までにない大規模なアップデートを実施して「イーサリアム2.0(ETH2.0)」へと移行するという話が注目されています。
イーサリアム2.0とは一体どのようなアップデートなのでしょうか。
実はイーサリアムの投資戦略に大きな影響を与えるステーキング報酬という要素もでてきます。
イーサリアムを保有している人、興味のある人は是非確認しておいて下さい。
イーサリアムとは
イーサリアムは時価総額第2位につける非常に有名な仮想通貨(暗号資産)です。
仮想通貨という概念を実現したのがビットコインなら、イーサリアムは「スマートコントラクト」という素晴らしい機能を核に据え、世に送り出したコインとして知られています。
※実際にはビットコインも当初からスマートコントラクト的な機能を持っていましたが、イーサリアムは本格的にこの機能を実装し、その可能性を示したことで高く評価されています。
■PJ名称 イーサリアム
■英語表記 Ethereum
■通貨名称 イーサ(ETH)
■通貨価格 20,150円※
■時価総額 2兆2344億円※
■時価順位 第2位※
■公式サイト https://ethereum.org/ja/
※2020.5.12. CoinMarketCapデータによる。
イーサリアムはプラットフォームの名前!?
正確には「イーサリアム」はプロジェクトの名称、あるいはプラットフォームの名前であり、コインの名称は「イーサ(ETH)」です。
ただし一般的には仮想通貨(暗号資産)、コインの名前としてもイーサリアムの名称がかなり浸透しています。
イーサリアム・プロジェクトは一種の社会システム(プラットフォーム)を創ろうとしているプロジェクトであり、イーサ(ETH)はそのシステムの中で通貨のように機能します。
例えば日本の経済システムは「日本円システム」という事もでき、日本円が通貨として使えるように経済システムがつくられています。
イーサリアムのプラットフォームもイーサ(ETH)を通貨として使う経済システムと捉えればイメージがしやすいでしょうか。
更にイーサリアムのシステムの中では、イーサ(ETH)には通貨の機能だけではなく「契約を自動執行できる機能」を持たせることができるのです。
イーサリアムはプロジェクトの計画を提示し、それを確実に実現することで高い評価を得ています。
元々イーサリアムはさまざまな改善を進め2020年を目処に1つの完成形を創るロードマップを立てていました。
この完成形はイーサリアム(セレニティ)と呼ばれていましたが、2019年辺りからイーサリアム2.0の名前で呼ばれるようになりました。
通称としてセレニティの名称も併用されています。
イーサリアム 2.0はイーサリアムの基幹部分にまで踏み込んだ大規模なアップグレードであり、複数の改善策が実施されます。
但しこのアップデートには多くの改善策の実装が必要となるため、一度には移行できず、何段階かのステップを経て完成となります。
イーサリアムの問題点
アップデートするのは既存のイーサリアムに課題があるからです。
イーサリアムは非常に素晴らしい機能・スペックを抱えて衝撃的なデビューをしましたが、公開(取引所への上場)時点から考えても5年近くが経っており、日進月歩の世界ではさまざまな問題が露呈してきています。
イーサリアムではネットワーク容量が上限に近づき処理の遅延が起きる、スケーラビリティ問題が現実の課題となっていました。
また取引記録の承認方法にも問題が多いと考えられていて、それを克服する新たな承認方法が議論されていました。
何が変わるのか!?
イーサリアム2.0では具体的には今迄と何が変わるのでしょうか。
大きな変更点を簡単にまとめると
●処理能力の飛躍的な向上高
●取引記録の承認方式の変更
という事になります。
処理能力の飛躍的な向上高
イーサリアム2.0ではシャーディング(sharding)という技術の搭載によって取引の処理速度を飛躍的に向上させます。
シャーディングは取引記録の検証を本来のブロックチェーンとは別に並列化して進めることによって処理速度を大幅にアップさせる技術です。
イーサリアム2.0ではメインのブロックチェーンとは別に、最大で1,024ものシャーディング用チェーンの実装が検討されており、実現すれば単純に1025倍の処理能力を持つと考えられます。
取引記録の承認方式の変更
イーサリアム2.0では取引の承認方式がこれまでのPoWという方式からPoSに変わります。
この変更が今回のアップデートの中核と言ってもよいかもしれません。
PoW(Ploof of Work)はビットコインでも採用された非常にポピュラーな承認方式です。
PoW方式ではいわゆる「マイニング」によって承認作業を行ない、マイニングに成功した人が報酬を得ます。
民主的な方法と考えられていましたが、マイニングでは高性能のマシーンを揃えたマイニング・グループが圧倒的に有利となり結果的に寡占化が進んでしまうという現象が問題になっていました。
また世界中でPCやマイニング専用機をフル稼働して競争するマイニングは膨大な電力を消費し不経済という問題も生じています。
こうした経緯からイーサリアム2.0では承認方法をPoS方式へと移行します。
PoS(Ploof of Stake)はイーサを多く保有している人が承認者となり、報酬を得るという方式です。
PoSはPoWより承認方式としては遥かに効率的で、取引記録の処理能力の飛躍的な向上にもつながります。
またマイニングが無いので電力消費量が圧倒的に少なくエネルギー効率のよい方式でもあります。
ステーキング報酬
イーサリアムへの投資を考える上では、このステーキング報酬の発生という要素が今後非常に大きなポイントになります。
イーサリアム2.0ではイーサ(ETH)を一定量保有することで承認作業に参加できます。
2020年5月時点では32ETHの保有が必要とされています。
承認作業に参加するためにはステーキングの条件を満たすウォレットに必要なイーサ(ETH)をロック(動かせない状態)して、オペレーションに参加することによって参加できます。
参加すると取引記録を承認するバリデーターという立場になり報酬を受け取ります。
32ETHを報酬として1年で最大4.56ETHの報酬を獲得できると発表されています。
年利にすると最大14.25%という計算になります。
イーサリアムサイドからも2020年1月時点で、年利では4.6%〜10.4%の報酬を獲得できると発表されています。
参加料は65万円!?
1ETH=20,150円※とすると32ETHは約65万円弱になります。
決して小さな金額ではありませんが、投資としてなら出せない金額では無いという人も少なくないと思います。
ではそんな金額は投資できないという人には関係ないかというとそうでもありません。
ステーキングの仕組みが価格形成の影響を与えるからです。
イーサの価格は上がる!?
イーサ(ETH)をステーキングして報酬を得ようと考える個人投資家は大勢います。
彼らは保有するイーサ(ETH)をロックするので売りに出されるイーサ(ETH)は少なくなります。
供給が絞られるので価格の上昇圧力が生まれると考えられるのです。
まとめ
イーサリアムはイーサリアム2.0へのアップデートを進めています。
これだけメジャーなコインが核となる仕組みを大幅に変更する例は殆どありません。
アップデートがイーサリアムにどのような影響を与えるのか注目されます。
いずれにしてもそのスペックは飛躍的に上がるので、実社会への波及が大いに期待されるとことです。
イーサリアム2.0に注目して下さい。
今日も最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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