Basic Attention Token (BAT)
(2021.01.03.改訂)
Basic Attention Token(BAT)は「分散型広告システム」と言う革新的なアイデアを提案し、投資家を中心に大きな注目を集めている仮想通貨(暗号資産)です。
ウェブ広告の業界を一変させる可能性があると言う声もあります。
2017年5月に実施されたICOでは、僅か30秒で3800万ドルもの資金調達に成功し衝撃的なニュースとなりました。
通貨単位はBAT。313億円の時価総額を誇り、時価総額ランキング62位に付けています。
●通貨名称 Basic Attention Token (BAT)
●通貨単位 BAT
●時価順位 62位*(前回28位**)
●通貨単価 20.9円*(前回36.7円**)
●時価総額 313億円*(前回466億円**)
●公開時期 2017年5月31日公開
●発行上限 15億BAT
●提唱者 Brendan Eich
(* 2021.01.03. CoinMarketcap公開データより集計)
(**2019.06.20. CoinMarketcap公開データより集計)
ブラウザで使うコイン
Basic Attention Token(BAT)はブレイブ社が開発しているコインです。
ブレイブ社はブロックチェーン技術を導入したウェブブラウザ「Brave」を開発しています。
このBraveブラウザ上で使用できるコインとして開発されたものがBasic Attention Token(BAT)と言う関係になります。
ブラウザとは
ウェブブラウザとはウェブサイト(ホームページやブログ)などを表示し、閲覧できる様にしてくれる基幹的なソフトの事です。
代表的なブラウザとしては
●InterenetExplorer (マイクロソフト)
●Microsoft Edge (マイクロソフト)
●Google Crome (グーグル)
●Safari (アップル)
●Firefox(Mozilla Foundation)
と言ったものがあります。
どれかは知っている、使っていると言う人が多いかと思います。
提唱者ブレンダン・エイッチ氏
Basic Attention Token(BAT)の提唱者でブレイブ社のCEOを務めるブレンダン·エイッチ(Brendan Eich)氏は世界3位のブラウザであるFireFoxの元共同設立者だった人物です。
更に言うと広く知られるプログラミング言語Javascriptの生みの親でもあります。
エイッチ氏率いるブレイブ社の開発チームは、 ブロックチェーンを使ったウェブブラウザBraveを開発しました。
ブレイブ社は2016年1月にBraveのソフトウェアを公開し、一年後の2017年1月にはBraveの月間ユーザー数が25万人を突破した事を発表しています。
ICOの大成功!
開発チームは2017年3月にBasic Attention Token(BAT)のプロジェクトを公開し、同年5月にICO(コインの販売による資金調達)を実施します。
前述した様に、ICOは大成功を納めます。
Basic Attention Token(BAT) はイーサリアムのトークン発行機能(ERC20規格)で発行されました。
その経緯からICOへの参加希望者は、代金となるイーサリアム(ETH)を指定の口座に送金する流れになっていたのですが、この為にイーサリアム(ETH)の送金手数料を6, 600ドル(約72万円)に設定する人まで現れました。
イーサリアム(ETH)では取引が集中した場合には、 送金手数料を高く設定したものから処理する仕組みになっている為です。
ICOは大変な競争率となり、ICOの開始後僅か30秒で最大目標としていた3500万ドルの資金調達に成功しました。
既存のウェブ広告の問題
何故ICOがこれほどの爆発的な人気となったのでしょうか。
その大きな要因は、プロジェクトが提案する革新的なウェブ広告のアイデアとそれを実現し得るエイッチ氏やブレイブ社の技術への期待があったからと考えられます。
開発チームは既存のウェブ広告の複雑さと効率の悪さを指摘し、それでユーザー、サイト運営者、 広告主のそれぞれにとって問題だとしています。
インターネット・ユーザーは望んでいないウェブ広告の為に余計にバッテリーを消費し、関覧時間が遅くなります。
一方的に広告が表示され、マルウェアなどによるウィルス感染のリスクにも晒されます。
サイト運営者は自分のサイトで発生する広告利益の65%以上をgoogleなどに押えられています。
広告主は購買情報などのデータ不足により効果的な広告が中々打てない一方で、多くの広告がユーザーからはスルーされると言った問題を抱えています。こうしたウェブ広告の問題を解消して、Win-winの関係を築ける「分散型広告システム」を提供すると言うのがBATの基本的な考え方になります。
Basic Attention Token (BAT)の特長
Basic Attention Token(BAT)の特長、メリットとしてはどの様なものがあるでしょうか。
実際にはBATはBraveブラウザとセットで考えるシステムなのですが、
主な項目としては
●広告をブロックできるブラウザ
●高速で安全性の高いブラウザ
●投げ銭機能
と言った項目が挙げられます。
広告をブロックできるブラウザ
Braveブラウザでは標準設定でウェブ広告を表示させない「アドブロック機能」が実装されています。
ユーザーは自らウェブ広告を表示させるかどうかの設定をする事ができます。
これも大きな機能ですが、より重要なのはこれからです。
ユーザーがウェブ広告の表示を許可した場合には、当然ウェブ広告が表示される事になりますが、その際には閲覧した広告の広告料の一部がユーザーとサイト運営者に分配されます。
ユーザーは広告を見ると言う行為に対しての対価を受け取られる事になります。
サイト運営者にとっては、広告料の大半を受け取っていた仲介者がれる事で報酬が増える事が期待できます。
高速で安全性の高いブラウザ
Braveブラウザ上に表示される全てのウェブ広告は、個人データを利用したターゲティングを行わない為、 バッテリーやブラウザの表示速度などに影響を与えないとされています。
にうした基本設定の違いの結果でもあるのですが、Braveブラウザでは広告などの膨大な読み込み時間が無くなる為、 高速での表示が可能になると見られています。
公式サイトによれば、 Android端末上の試験ではChromeブラウザの最大8倍の速度での表示を記録したとアナウンスされています。
マルウェアなどによるウィルス感染の可能性も下がり、安全性の高いブラウザになると考えられます。
投げ銭機能
Braveブラウザには 「投げ銭機能」があります。
ユーザーが自分の気に入ったウェブサイトやコンテンツに対してBasic Attention Token(BAT)を送る事が可能です。
投げ銭機能によって、ウェブ制作者は従来の広告収入だけではなく、 寄付と言う手段による収入も考えられる事になります。
但し現状では投げ銭ができるコンテンツは限定されています。
BATのデメリット
Bsic Attention Token(BAT のデメリットとしてはどの様なものがあるでしょうか。
主な項目としては
●ブラウザの完成度への不安
● Googleと敵対するリスク
●国内の取引所で購入できない
と言った項目が挙げられます。
ブラウザの完成度への不安
Basic Attention Token(BAT)やBraveブラウザの構想は素晴らしいものですが、それが現実のサービスの質を保証している訳ではありません。
現状ではBraveブライウザは万人に使いやすいウェブブラウザとは言えないのが正直な所です。
確かに表示速度は早いですが、広告の表示の仕方などまだまだ改善を要する部分も多いと言うのが個人的な実感です。
Cokieなどに代表される追跡機能も、無ければやはり不便なものだったりします。
やはりgoogleなどの巨大企業が長い時間を掛けて改善を積上げてきたものでもあり、同等以上のものを一朝一タに作り上げると言う訳には行きません。
ブラウザの質を上げて快適なものにしていけるかどうかは重要な点と言えます。
Googleと敵対するリスク
Basic Attention Token(BAT)は、インターネットビジネスの巨人Googleの事業と正面からぶつかっています。
それ以上にGoogleの収益モデルを真っ向から否定するかの様なシステムを展開しています。
現在はGoogleからみれば小さな存在かも知れませんが、今後Braveが成長すればする程Googleにとっては自らの存立を脅かしかねない脅威となってきます。
従ってGoogleeだけでは無いですが、こうした企業があらゆる手段を使ってBraveを対抗してくる可能性があるのです。
この点は注意深く見てい行く必要があります。
国内の取引所で購入できない
Basic Attention Token(BAT)は、日本の取引所では取り扱っている所が無く購入する事ができません。
どうしてもBATを購入したいと言う事であれば、海外の取引所に口座を開設して購入する必要があります。
海外であれば、有力取引所の多くで取り扱われており、取引はしやすいコインと言えます。
2019年6月現在、BATを上場している主な取引所としては
●Binance (バイナンス)
●LATOKEN
●IDEX
などが挙げられます。
価格の見通し
2021年1月3日現在、 Basic Attention Token(BAT)の価格は20.9円を付けています。
2018年10月には「Iinvest in Blockchain」が、最も過小評価されているERC20トークンに、 Basic Attention Token(BAT) を選出しました。
潜在的な能力は高いと評価されているコインと言う事ができます。
もちろん、実際の取引は御自身の判断、自己責任でお願いします。
BATの動き
2018年9月23日、ネット・ブラウザ BRAVEは、ブロックチェーンを使った身元確認サービスを導入すると発表しました。
まとめ
Basic Attention Token(BAT)はウェブ広告と言う非常に巨大なマーケットを変革すると言う壮大なビジョンを持って現れた注目のコインです。
ウェブ広告の市場はgoogleやFacebookと言った超巨大企業が圧倒的な実力をもっている市場であり、そうした目巨大企業達と伍して競争に打ち勝って行く事ができるかについては不透明な部分もあります。
それでもBasic Attention Token(BAT)がウェブ広告の在り方に大きな一石を投じた事は間違いなく、これからの動きが注目されます。
今日も最後までお読み頂き、ありがとうございました。
コメント