ネオ(NEO)
2021.01.07.改訂
NEOは「中国版イーサリアム」と呼ばれ、国際的に注目を集めている仮想通貨(暗号資産)です。
通貨単位はNEO。1,043億円の時価総額を誇り、時価総額ランキング31位に付けています。
ネオは国内のメディアでも英語表記でNEOと表記される事が多く、単位も同じNEOと言う表記になります。
本項でも表記でNEO、またはNEO(NEO)と表記致します。
■通貨名称 NEO
■通貨記号 NEO
■通貨価格 1,475円*(前回1482.1円**)
■時価順位 31位*(前回18位**)
■時価総額 1,043億円(前回1,045億円**)
■公開時期 2016年10月26日公開
■発行上限 1億枚
■承認方式 DBFT
(※2019.06.20. CoinMarketcap公開データより集計)
NEO誕生の経緯
NEO(ネオ)の創設者はダ・ホンフェイ(Da Hongfei)氏とエリック・ハン(Erik Zhang)氏です。
2人は2014年に仮想通貨AntShares(ANS)を開発し、更に2016年にOnchain社を共同創設しました。
AntShares(ANS)は「中国初のブロックチェーンを使ったプラットフォーム」を開発したとして注目を集めます。
2017年にはブランド名を変更しAntShares(ANS)から現在のNEO(NEO) の名称となっています。
その後NEOの内部では分裂が有り、2018年にはネオの利益拡大を指向する一派がOntology(ONT)という仮想通貨(暗号資産)を発行し、関連プロジェクトを始めています。
プラットフォーム
NEOでは、Digital Assets +Digital Identity + Smart Contract=Smart Economyと言う言葉を掲げています(公式HPより)。
ブロックチェーン技術を使用した資産のデジタル化とスマートコントラクトを使った管理によって、スマートな経済を実現する、と言った所でしょうか。
その為にNEOでは、さまざまなアプリケーションを動かす事ができる土台 (プラットフォーム)の開発を進めています。
NEOと言うのはブロックチェーンを使ったプラットフォームの名称でも有ります。
そしてNEOのプラットフォーム上で動く仮想通貨 (暗号資産) の名前がNEO(NEO)と言う関係になります。
NEOGASとは?
実はネオでは2種類のコインが発行されています。
1つが仮想通貨(暗号資産)としてのNEO (NEO)、もう1つがネオのプラットフォーム上で燃料トークン(手数料)として使えるNEOGAS (GAS)です。
こうなってくると、何だかややこしいですね。
発行上限は1億枚
2019年6月20日現在のNEO(NEO)の総発行枚数は7,058万枚です。
NEO(NEO)の発行枚数の上限は1億枚(1億NEO)となっています。
その内訳は50%(5, 000万NEO)がICOなどで配布され、50%はNEO協議会がエコシステムの支援の為に管理するとなっています。
NEO(ネオ)協議会の保有分については、1年間のロックアウト期間を経て、2017年10月16日にロックが解除されています。
この部分の仕様計画については
●10%(1,000万NEO) NEOとNEO協議会のメンバーの為に使用
●10%(1,000万NEO) NEOのエコシステム開発者の為に使用
●15%(1.500万NEO) NEO理事会が所有しNEOプロジェクトや他のプロジェクトへの投資に使用
●15%(1,500万NEO)不測の事態への備え
とし、原則として年間使用は1,500万NEOを超えてはならない、としています。
因みにNEOGAS(GAS)の発行上限も同じ1億枚です。
NEOGAS(GASs)は取引記録の固まり(ブロック)が生成される毎に発行されて、約22年で全数を発行する予定になっています。
NEOの特長、メリット
NEO(NEO)の特長、メリットとしてはどの様なものがあるでしょうか。
主な特長としては
●処理速度が速い
●スマートコントラクト機能を実装している
●複数のプログラム言語が使える
●強力なコミュニティがある
●民主的な承認方式を採用
●中国との関係が強い
と言った項目が挙げられます。
処理速度が速い
NEO(NEO)と比較される事が多いイーサリアム(ETH)の取引記録の処理能力は、現状では1秒間に15件程度です。
これに対してNEO(NEO)では1秒間に1,000件の処理を行なう事が可能です。
更に処理能力を1万件/秒まで引き上げようとしています。
クレジットカード大手のVISAやマスターの処理能カが4,000件/秒程度と言われているので、この処理速度は相当に高いレベルになる事が分かります。
スマートコントラクト機能を実装している
NEO(NEO)の特長としては、スマートコントラクト機能を実装している事が挙げられます。
スマートコントラクト機能と言えばイーサリアム(ETH)が有名ですが、NEO (NEO)にもこの機能が実施されています。
NEO (NEO)が「中国版イーサリアム」と言われるのは、この機能の搭載している事が大きいです。
スマートコントラクトが実装されていることで、トークンの発行や分散型アプリケーション(DApps)の開発ICOなどを行なう事ができます。
複数のプログラム言語が使える
NEO(NEO)は複数のしかも一般的なプログラミング言語を使って開発をする事ができると言う大きな特長を持っています。
NEO(NEO)と比較される事の多いイーサリアム(ETH)では、solidityと言うかなりマイナーで且つ難易度の高いプログラム言語を採用しています。
solidityと言う言語を読み込めるプログラマー自体が少ない為、プログラムを書きこめる人や確認できる人材が限られると言う問題を抱えています。
これに対し、NEOでは一般的なプログラム言語の複数に対応しています。
NEOで扱えるプログラミング言語はVB.Net、Java、C言語、JavaScriptなど広範に渡り、しかも一般的なものです。
プログラミング言語が豊富であることから、エンジニアは自分の使っている言語でスマートコントラクトのプログラムを書く事ができます。
開発難易度も低くなり、コストも下がると言う利点があります。
強力なコミュニティがある
NEOは強力な開発チームを持ち、多くの独自技術を生み出しています。
NeoX、NeoFS、NeoQS、NEO EcoBoostなどの独自の技術、サービスを続々と打ち出しアナウンスしています。
代表的なものだけでも、
●NeoContract:NEO独自のスマートコントラクトシステム
●NeoX:クロスチェーンを実現するためのプロトコル(規定、約束ごと)
●NeoFS:分散ストレージプロトコル。中央サーバーを必要とせず、ブロックチェーン上にファイルを格納し、アクセスする事ができる仕様です。
●NeoQS:独自の暗号化メカニズム
コミュニティも活発で、日本でも盛んにミートアップイベントを開催したり、関連イベントに出展するなどの動きを見せています。
NEO JAPANと言う日本語中心のコミュニティもあり、NEO (ネオ)の最新情報を入手する事が可能です。
量子コンピュータ問題への対応
ブロックチェーンはデータの改ざんが極めて困難な技術とされ、それが仮想通貨(暗号資産)を成立させる基盤となってきました。
ところが現在のコンピューターに対して圧倒な計算能力を持つ「量子コンピューター」 の開発が進んだ事により、 将来的に量子コンピューターによってブロックチェーンのセキュリティを破られる可能性が出てきました。
NEO(NEO)は早くもその対策に乗り出しており、最新のトレンドと言える最短ベクトル問題を使ったメカニズムを持つ暗号技術を実装しようとしています。
こうした問題への対応の早さとそれを支える技術力はNEO(NEO)の大きな魅力となっています。
民主的な承認方式を採用
NEO(NEO)では、ブロックチェーンの取引記録を承認する為の方式として、DBFTと言う独自の承認アルコゴリズムを採用しています。
従来型のPOWやP。Sと言った承認方式では、有力なマイニング・グループやコインの大量保有者が更に有利になると言う懸念があります。
意図的にミスをしたり、裏切り行為によって全体の利益を損なう者が出る可能性があると言う問題(ビザンティン問題)も抱えています。
これに対しDBFT(Delegated Byzantine Fault Tolerance)は、よりも効率が良く、しかも民主的なプロセスを持つ承認方式と言え、ビザンティン問題の 解消にも有効な承認方式とみられています。
NEO(NEO)ではコインの保有者は、ブロックチェーン記録の記帳者(ブックキーパー)を選ぶ事ができます。
ブックキーパーは自分の名前 (団体名)を公表しなくてはなりません。
更にブックキーパーの中から代表者が選出されて新しいブロックを生成し、生成されたブロックは代表者以外の記帳者の投票にかけられ、2/3以上の賛成を得られると記録が承認されます。
2/3以上の賛成が得られない場合は、新たに代表者が選出されて同じ手続きを承認が得られるまで繰り返します。
DBFT方式では、コインの保有者がそれぞれの保有分に応じてブロックの生成に関与でき、より民主的な方法と評価できます。
消費電療も圧倒的に少なく、効率の良い承認方式と言えます。
中国との関係が強い
2019年現在、中国政府は仮想通貨(暗号資産) 取引に対しては、ICOの全面禁止や取引所の閉鎖など、非常に厳しい規制方針を打ち出しています。
中国国内ではどの仮想通貨(暗号資産)もあまり目立った活動ができないでいる状況にあります。
そうした中でNEO(NEO)だけは、例外的とも言える活発な動きを見せています。
NEO(NEO)は政府からの資金援助を受けており、地方政府とのプロジェクト提携なども進めています。
その為、NEO(NEO)は中国を代表する仮想通貨(暗号資産) と見られているのです。
今後中国が仮想通貨(暗号資産)に肯定的な立場に転換した際には、NEO (NEO)がその中心的な存在になる事は確かです。
NEOのデメリット
NEO(NEO)のデメリットとしてはどの様なものがあるでしょうか。
主なデメリットとしては
●国内の取引所では購入できない。
●NEO協議会が50%を管理している
●中国の規制の影響を受けやすい
●グループの分裂
と言った項目が挙げられます。
国内の取引所では購入できない。
2019年7月現在、NEO(NEO)は日本国内の取引引所では取扱がありません。
購入したいと言う事であれば、海外の取引所に口座を開設して購入する必要があります。
海外の取引所であれば、バイナンスを始め 多くの取引所でNEO(NEO)が上場されており購入できます。
NEO協議会が50%を管理している
NEO(NEO)の発行枚数の上限は1億NEOですが、この内の50%をNEO協議会が管理している事が懸念材料としてあります。
これはシステム運用を円滑に保守する為の措置で、NEO(NEO)の独占ではないとの事ですが、NEO協議会が圧倒的なシェアを持っている事には違いなく、コインをコントロールする可能性や、放出による暴落と言ったリスクがある事は否定できません。
中国の規制の影響を受けやすい
NEO(NEO)は中国政府との関係も強い仮想通貨(暗号資産)である為、 当然、中国の規制などの影響を受けやすいと言う側面を持っています。
グループの分裂
NEO(ネオ)は創設者のダ·ホンフェイ氏とエリック·ハン氏が設立したOnchain社の事業では無く、資金的にも別のコミュニティを基盤としたプロジェクトとして進められています。
但し両氏共にNEOの中心的存在であると言う事は変わりません。
Onchain社が企業として利潤を追求しているのに対し、NEOは非営利組織を母体としています。
NEOの価格見通し
2021年1月3日現在、 NEO(NEO)は1,475円と言う価格を付けています。
直近の騰落については何とも言えませんが、中長期的には非常に期待できるコインと言えると思います。
NEOでは、アリババの法人向メールの関連技術を提供したり、マイクロソフトとのコラボイベントを開催するなど、 巨大企業との提携を着々と進めています。
NEOのシステムや技術が高く評価されている証と言えるでしょう。
現在、中国政府は仮想通貨(暗号資産)の取引全般について、厳しい規制を掛ける姿勢を崩していませんが、暗号資産(仮想通貨)やブロックチェーンの急成長する市場をできれば取り込みたいと考えている事は間違いありません。
人民元とのバランスが取れ、資産の国外流出を抑えられる仕組みが固まれば、一転して仮想通貨(暗号資産)を開放してくる可能性も充分にあります。
そうなった時には、NEO(NEO) は巨大な中国市場で中心的な役割を狙う可能性が高く、その価値を高める事でしょう。
発行枚数も最大1億枚とビットコイン(2,100万枚)の5倍程度と多すぎない事を考えれば、その時に今のビットコインの1/5程度の価格を付けていてもおかしくは無いかも知れません。
中国政府の出方次第と言う大前提はあるものの、大きな可能性のあるコインだと言えます。
もちろん実際の取引は御自身の判断、自己責任でお願いします。
まとめ
NEO (NEO)は「中国版イーサリアム」 として知られていますが、実際には既に多くの機能でイーサリアム(ETH)をも上回るハイスペックのコインと言えます。
現状は中国との関係が強く、必ずしも国際的なメジャーコインとは言い切れないかも知れませんが、いずれはそう言う立場になる可能性も充分にあります。
開発コミュニティも活発で技術力もあり、大企業との提携も相次ぐなど、ポジティブな要素が多く、伸びしろもあります。
中国の規制の影響を直接受けてしまうのが懸念材料ではありますが、大きな市場を握っている点は魅力です。
当コイン資産倶楽部でも注目する暗号資産です。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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