Qtum(クアンタム)とは!?暗号資産の特徴を解説

暗号資産(仮想通貨)
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クアンタム(Qtum)

2021.01.20.改訂

Qtum(クオンタム/QTUM)はシンガポール発の暗号資産(仮想通貨)です。
ビットコインイーサリアム「いいとこ取り」をしたコインと説明される事が多く、実際両コインの基幹機能を併せ持っています。
通貨記号(テッカー)はQTUM。約224億円の時価総額を誇り、時価総額ランキングでは74位*の座を占めています。
発行枚数は1億QTUMに設定していますが、1億QTUMに到達した後は年に1%ずつ増加する予定になっています。
現在の拠点はシンガポールにありますが、中国系の有カコインとしても良く知られています。
中国の動向の影響も受けますが、状況次第では大きな成長も充分に考えられる勢いのあるコインと言えます。
2021年1月にはビットバンクへの上場も決まり、日本での注目度も上がってくるとみられます。

■PJ名称  クォンタム(Qtum)
通貨覧位 QTUM
時価順位 74位*(前回32位**)
通貨価格 230円*(前回39,6.28円**)
時価総額 224億円*(前回370億円**)
公開時期 2016年12月19日公開
発行上限 1億QTUM+ 1%/年
承認方式 PoS(Proof of Stake)
提唱者  Patrick Dai

■公式HP  https://qtum.org/en
(* 2021.01.03. CoinMarketcap公開データより集計)
(**2019.06.20. CoinMarketcap公開データより集計)

Qtum(QTUM)

Qtum(QTUM)は、シンガポールにある「Qtum財団」が展開するオープンソースのブロックチェーンプロジェクトです。
2016年3月にQtumのプロジェクトがスタートしています。
他の暗号資産プロジェクトでもよくあるパターンですが、Qtumはビジネスユースで展開が進むプラットフォームの名称であり、そのプラットフォーム上で動くコインがQTUMと言う関係性になります。

若き創始者パトリック・ダイ

Qtum(QTUM)の創業者であるパトリック・ダイ(Patrick Dai)は、中国の超巨大企業アリババと同社系列のアリペイで最高分析担当者を務めた若きエンジニアです。
フォーブス誌選出の「30 under 30 (30歳以下30組の若手起業家)」にも選ばれている、国際的に注目される若手経営者の1人です。
ダイ氏は2012年からビットコインのトレードを始め、各種ICOに参加するなどブロックチェーン分野で多くの経験があります。
ダイ氏はブロックチェーン技術が今後インターネットの構造的基盤になると考え、同時にモバイル端末向のプラットフォームこそが暗号資産を浸透させる為の窓ロであるという理念を掲げてプラットフォーム開発を進めていきます。
その中で、モバイル端末で暗号資産やスマートコントラクトを簡単に利用できるコインとしてQtumを開発しました。
ダイ氏の開発スタイルは、もっとも成功している暗号資産(ビットコインとイーサリアム)の技術を吸収するというもので、これがそのまま「両コインのいいとこ取り」と言われるQtumの技術特性となりました。

ICOの成功

2017年3月に実施されたQtumのICOでは、トークンセールの開始から僅か5日間で1,560万ドル(約18億円)の資金調達に成功しています。
ICOでは1億QTUMが発行され、その内の51%に当る5,100万QTUMがICOの参加者に配布されました。
残りの41%(4, 900万QTUM)Qtum財団の保有分となっています。

日本でも上場している

Qtumは2020年3月に日本の暗号資産交換会社コインチェックに上場しました。
これにより日本円でもQtumが取引できるようになったのです。
さらに2021年1月27日にはビットバンクにも上場することが決まっています。
複数の国内有力交換会社で取り扱いが始まったことで、日本でもQrumの認知が拡大していくとみられます。

Qtum(QTUM)の特長

Qtum(QTUM)の特長としてはどの様なものが挙げられるでしょう。
主な特長(メリット)としては、

●ビットコインとイーサリアムのいいとこ取り
●開発組織が強い!
●容量の軽いウォレットを開発
●中国との関係が強い
●韓国でも人気のコイン
●POS方式での承認

と言った項目があげられます。

ビットコインとイーサリアムのいいとこ取り

Qtum(QTUM)では、ビットコインのUTXOという技術と、イーサリアムのスマートコントラクト機能を併せ持っているコインです。
この為、Qtumの特徴を説明する時にはしばしば「ビットコインとイーサリアムのいいとこ取りをしたコイン」と言われます。
UTXO(Unspent Transaction Output)は、ビットコインで採用されている技術です。
UXTOは概念の説明が難しいので簡略化しますが、ビットコインではアドレスにUTXOのデータが記録されていて、これが残高データと繋って残高を証明しています。
これに対しイーサリアムなどでは、直接アドレスに残高を紐付けて記録する方式(アカウントベース)となっています。
UTXO方式の方が、プライバシー保護や匿名性の点では優れていると言われています。
一方のスマートコントラクトはイーサリアムの代名詞的な基幹機能です。
この機能を使う事で、コインに通貨的な機能だけでなく、契約を自動的に処理する機能を付ける事ができます。
これによってさまざまな作業が自動化できるため、非常に期待されている技術でもあります。
Qtumは、UTXO方式を採用しながら、スマートコントラクトも実装しているコインと言う事になります。
UTXOとスマートコントラクトを結びつけた技術についてはAAL(Account Abstract Layer)と呼ばれています。
ビジネスでの利用を考えると非常にメリットの大きなスペックと考えられます。

開発組織が強い

Qtum(QTUM)はその開発やメンテナンスを担うQtum財団を中心とした活発な開発コミュニティを持っており、開発のスピードが非常に速いと言う評価があります。
事業の決断スピードが圧倒的に速いシンガポールや中国でのビジネスを想定して開発を続けているだけに、その開発スピードも速く、次々に新しい動きを見せています。

容量の軽いウォレットを開発

QtumではQtumウォレットと呼ばれるウォレットを展開しています。
Qrumウォレットは既存のウォレットと比べて非常にデータ量が少ないウォレットです。
既存のウォレットが全てのデータを保存していたのに対し、Qtumウォレットでは自身が関わっている取引部分の情報しか保存しない事によってデータの軽量化を実現しています。
これによりスマートフォンなどの機器でも、容量に大きな負荷を掛ける事なく、簡単にウォレットを使える様になります。

中国との関係が強い

Qtum(QTUM)中国との関係が非常に強いコインであり、実際NEOと共に中国を代表するコインという形で紹介される事も多いです。
現在中国政府は暗号資産への投資には否定的な厳しい政策を打ち出していますが、一方でブロックチェーン技術のビジネスユース展開には積極的な姿勢を見せています。
その点で”巨大市場”中国への強いパイプを持っている事は圧倒的なアドバンテージと言えます。

韓国でも人気のコイン

Qtum(QTUM)は、韓国でも知られている通貨で、中国での取引所の閉鎖もあって一時は韓国の大手取引所Coinoneが約75%のシェアを持っていました。
韓国の他の取引所にも上場されており、韓国人のシェアが高い暗号資産と言えます。
現在はバイナンスやDigFinexなど他の国への拡張も進んでおり、世界市場に着実に浸透しています。

PoS方式での承認

Qtum(QTUM)では、ブロックチェーン記録の承認方法にPoS (Proof of Stake)という方式を採用しています。
PoS方式は、マイニング競争の結果で報酬が生まれるPoWと比べて中央集権化が進みにくく、電力消費量も少ない方式と考えられています。

Qtumのデメリット

Qtum(QTUM)のデメリットとしては、どの様なものが挙げられるでしょうか。
主なデメリットとしては以下の項目があげられます。

●中国の影響を受けやすい
●独自技術への不安がある

中国の影響を受けやすい

中国とのパイプが強く影響を受けやすいというのは、メリットでもありますがデメリットにもなります。
とりわけ暗号資産取引に関しては、中国当局が暗号資産取引の全面禁止という厳しい対応を続けており、Qtumもその影響を受けています。
Qtumは中国当局の規制以前は中国の取引所にも上場していたのですが、今は取引所自体が当局の指示によって閉鎖となっています。
今後も中国当局の影響を受けやすいという点は不安要素と言えます。

独自技術への不安がある

Qtum(QTUM)はビットコインとイーサリアムの基幹技術を継承しています。
その結果としてAALという技術を確立した事はとても素晴らしいのですが、逆に両コインの技術に引っ張られてしまうという負の側面も持っています。
ビットコインやイーサリアムも共に有力なコインではありますが、技術的には現在最高のスペックのものではありません。
日進月歩以上のスピードで進化する暗号資産業界の中では、更に高いスペックを獲得して行かなければ他のコインに追いて行かれてしまうかも知れません。
この点はQtumにとって不安な点と言えます。

Qtumの価格の見通し

2021年1月3日現在、Qtum(QTUM)の価格は230円となっています
Qtumの総発行量約1億QTUMとビットコイン(2,100万枚)の約5倍なので、価格がビットコインの金額まで上がるのはなかなか難しい所ですが、暗号資産の中では比較的発行数量の少ないコインでもあるため、可能性はあります。
現在は中国当局が暗号資産の取引に対して厳しい規制を打ち出していますが、その姿勢が今後も続くとは限りません。
暗号資産は大きな資産を生み出す可能性を持っており、人民元とのバランスを取り資金の流出を防ぐ方策が見付かれば、一転して中国当局が開放に向かう事が充分に考えられます。
その時巨大な中国市場の投資資金がQtumNEMに集まるのは確実でしょう。
そうなれば否応なしにQtumの価格は上昇するものと予測できます。
厳しい規制が続いている現状を考えれば、長期的には今が仕込み時と言えるかも知れません。
もちろん取引は自己判断、自己責任でお願いします。

まとめ

Qtum(QTUM)は中国の巨大な市場にアプローチできると言う、非常に大きな魅力を持つ暗号資産です。
現在は中国市場が厳しい規制下にありますが、今後開放に転じる可能性は充分に考えられます。
その時はQtumが今以上に注目の暗号資産になる事は確実でしょう。
今後も国際的な動向をにらみながら関心を持っていたいコインと言えます。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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