日本発のメタバースプロジェクト
2021年の後半以降、急速に市場が動き出し注目を集めるメタバースの市場。
既にディセントラランド(Decentraland)やザ・サンドボックス(The Sandbox)など世界中で支持されるプラットフォームが生まれており、仮想空間内の土地が高値で売買されていたりしています。
そうした中、日本ならではの特色を強く打ち出したメタバース・プロジェクト、その名も「江戸バース(Edoverse)」がスタートを切りました。
仮想空間を使ったイベント的なものでは無く、本格的な経済システムを持ったメタバース・プラットフォームの構築を目指しています。
江戸バースと名乗るだけの”正当性”を担保する根拠もしっかり持っています。
仮想空間内の土地の販売が既に始まっており、その第一弾は僅か1時間足らずで完売に至るなど勢いも大変なものです。
今回はそんな日本発のメタバース・プロジェクト「江戸バース」を紹介します。
※江戸バースはプロジェクト側の発表ではEdoverseと英語表記されています。実際エドバース或いはEdoverseと表記される事も多いのですが、本記事ではイメージのしやすさを優先して江戸バースと表記しています。
江戸バース
江戸バースは株式会社Edoverseが展開するメタバース・プロジェクトです。
仮想空間内に江戸の街を再現し、さまざまな活動を行える様にします。
Edoverseプロジェクトでは、西暦1700年の時点で100万人の人口を誇った江戸の街を可能な限り歴史的に正確に仮想空間内に再現します。
江戸バース内ではすべての土地や景色が実際の歴史の根拠を持っています。
それだけなら他のプロジェクトでも可能かも知れませんが、江戸バースでは江戸の街並みを監修するのが徳川家第19代次期当主である徳川家広氏という点で仮想空間に説得力を持たせています。
物語性としてはバッチリですね。
■PJ名称 江戸バース(Edoverse)
■運用開始 2022年7月7日
■運用会社 株式会社Edoverse
■独自通貨 エドコバン/エドゼニー
■チェーン イーサリアム・ブロックチェーン
■公式HP
公式HP(プロジェクト・江戸バース)
江戸バースの構成
江戸バースの仮想空間は以下の様なコンポーネントで構成されています。
●日本橋
●江戸城
●主要な仏教寺院、神社
●日本橋周辺の商業地区
●大名の江戸の邸宅
●吉原遊郭
江戸バースプロジェクトでは著名な専門家の委員会を組織して、可能な限りの歴史的な正確さを持って再現します。
アバター
江戸バースの本格稼働後は、各参加者は浪人または無職の武士としてアバター生活をスタートします。
江戸の都市生活をテーマにしたさまざまなゲームを楽しむ事ができます。
また、江戸バース内で多様な経済活動を体験する事ができます。
既にEdpverse社と多くの地方自治体、NPO、企業との間で提携が進められています。
最初の土地は完売!
江戸バースでは本格的な運営開始を前に仮想空間内の土地(ランド)をNFT化して売り出しています。
20022年7月にはシーズン1のフェーズ1として江戸城域内にある9,690区画の土地が世界に向けて販売されました。
一般販売に先立って、7月1日には日本在住者向の特別先行販売が行なわれています。
本来は暗号資産(USDC)で土地を購入する形式なのですが、先行販売では江戸バース専門の不動産業者、その名も「江戸城不動産」が仲介する事で日本円での購入ができます。
販売価格は仲介手数料込みで82,500円でした。
この先行販売はシステムのトラブルで開始が2時間ほど遅れたものの、いざ販売が始まると瞬く間に注文が積み上がり、40分程で予定数に達して終了となりました。
その後7月7日には正式な一般販売が開始されています。
一般販売での価格は1区画500USDC(約68,000円)で、販売開始後1時間程で予定数完売となっています。
販売元のEdoverse社の想定を大きく上回るスピードとなり、江戸バースへの期待の大きさを示すものとなりました。
エドゼニーとエドコバン
江戸バースでは独自の暗号資産『エドゼニ(EDO ZENI)』と『エドコバン(EDO KOBAN)』が発行され、仮想空間内の経済活動に使用されます。
2022年7月にはエドゼニのプレセールが実施され、こちらも即日完売となっています。
両暗号資産については別の記事で詳しく紹介する予定です。
江戸バースの将来像
江戸バースは第1フェーズではまだイメージ動画と土地の販売という段階ですが、当然将来的にはさまざまな活動が江戸バースの空間内でできる様になる計画になっています。
先行するザ・サンドボックスなどのメタバースプラットフォームでできる機能は概ね実装されていくと考えて良さそうです。
後はどれだけ独自の機能を打ち出して行けるかの勝負になりそうです。
土地については、初期フェーズでは江戸城を中心とした江戸の町並みを仮想空間に再現しますが、徐々に「藩」を拡充していって最終的には江戸時代に存在した藩を完全再現していく壮大な計画となっています。
シンワワイズHD社
Edoverse社の親会社はグループで美術品の売買やオークション事業を手掛ける東証上場(STD市場)のシンワホールディングス株式会社(シンワワイズHD)です。
江戸バースは東証上場企業が初めて手掛ける本格的なメタバースプロジェクト*として株式市場からも注目されています。
江戸バースの土地の先行販売(2022年7月1日)を前にシンワワイズHDの株価はどんどん上がり、販売開始後は色々な思惑が入り混じって派手な乱高下を繰り返しました。
それまで非常に地味な銘柄だったシンワワイズHDが株式市場でも一躍注目されるメタバース銘柄となっています。
江戸バースの今後の展開によっては、ここから更に株価が跳ね上がって行く展開もあり得ます。
*メタバース空間を展開している上場企業は幾つもありますが、独自通貨や土地の売買までを組み込んだ経済システムとしてのメタバース・プラットフォームとしては実質的には初めてと見られています。
■会社名
シンワワイズホールディングス株式会社
■英表記
SHINWA WISE HOLDINGS CO., LTD.
■資本金 1,133百万円
■所在地
東京都中央区銀座7-4-12銀座メディカルビル 2F
■公式サイト
まとめ
江戸バースは江戸時代という大変特徴のある文化、社会を仮想空間に再現しようとする大変ユニークで壮大なプロジェクトです。
海外のメタバース・プロジェクトが大きく先行する中で、日本発のそれも上場企業の子会社が手掛けるプロジェクトという点でも期待が集まります。
滑り出しは上場ですが、今後どのような仮想空間に育って行くのか楽しみですね。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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