暗号資産業界に驚きのニュース!?
2020年4月3日、世界有数の暗号資産取引所バイナンスによるCoinMarketCap(CMC)の買収が正式に発表されました。
CoinMarketCapは暗号資産の時価総額など各情報のデータサービスを手掛ける企業として知られていましたが、それがバイナンスの傘下に入るというニュースは驚きを持って受け止められました。
数日前から海外メディアでは報じられていたニュースなのですが、正式に発表された形です。
バイナンス
バイナンス(Binance)は日本でも知名度の高い世界有数の暗号資産取引所です。
2017年7月に香港で設立されると、僅か後半年後には暗号資産の取扱高世界1位を記録して衝撃を与えました。
2020年5月20日のCoinmarket Capの取引所ランキングでも第1位となっており、文字通り暗号資産(仮想通貨)市場を代表する取引所といえます。
現在では本拠地を香港からマルタ共和国、更にケイマン諸島へと移しています。
取扱いコインの種類が非常に多く手数料も安いなど数多くのメリットを持っています。
■取引所名 バイナンス(Binance)
■設立時期 2017年7月
■時価順位 第1位※
■本社所在 ケイマン諸島
■手数料額 0.1%(割引無しの場合)
■公式HP https://www.binance.com/
※2020.05.20. CoinmarketCap 取引所ランキングデータ参照による
CoinMarketCap
CoinMarketCapは暗号資産(仮想通貨)市場の日々の価格情報を発信し、世界中で利用されている価格情報サイトです。
数千種類に及ぶ各コインの価格、時価総額、ランキング、あるいは取引所ランキングなどが日々更新され、発信されています。
暗号資産(仮想通貨)を時価総額で評価する業界基準を最初に作り上げたサイトでもあります。
CoinMarketCapのデータは暗号資産(仮想通貨)のもっとも信用できる情報ソースとして、多くのメディアで引用されています。
CNBCやブルームバーグ、あるいは米国政府などもCoinMarketCapのデータを度々引用しています。
暗号資産を使った買収案件!?
複数の海外メディア報道によると、買収額は非公表ながら4億ドル(約430億円)の規模におよび、買収には現金に加えてバイナンスコイン(BNB)が使われているとのことです。
バイナンスコイン(BNB)はバイナンスが自ら発行する暗号資産(仮想通貨)で、2020年6月1日時点で約2,897億円の時価総額を誇り、時価総額ランキング8位につける堂々のメジャーコインです。
現時点では現金とBNBの割合がどれくらいかは分かりませんが、暗号資産(仮想通貨)による大型買収の事案としても記憶されるかも知れません。
問題もあります
ただ今回の買収には問題というか懸念される点もあります。
CoinMarketCapは公正なデータを発信し続けることでメディアや政府機関、ユーザーらに信頼を勝ち取ってきました。
これが最大手の取引所 バイナンスの傘下に入ることで、データの信頼性が確保できるのかという懸念が生じてしまうのです。
例えば仮にオリコンをエイベックスが買収したら、オリコンのランキングはエイベックスに有利なものになるのではないかとの懸念が湧きます。
やはり集計データを発信する会社には中立性が望まれるのは確かです。
CoinMarketCapのCEO、Brandon Chez氏は辞任する意向を明らかにしています。
今後バイナンス傘下でCoinMarketCapがどの様に中立性とデータの信頼を得ていくかについては注意していく必要がありそうです。
優位に立つバイナンス
2019年にバイナンスはDappReviewを買収しています。
DappReviewは中国に拠点を置くブロックチェーンデータ企業で、分散型アプリケーションのデータ分析サービスを展開しています。
バイナンスは今回のCoinMarketCap買収と合わせ、暗号資産(仮想通貨)の関連情報分野で圧倒的な優位に立とうとしています。
バイナンスの今後の動向にも注意が必要です。
まとめ
CoinMarketCapは本サイトも時価総額や価格のデータ参照に度々利用させて頂いている業界随一のデータバンクです。
それだけにバイナンスによるCoinMarketCapの買収は、暗号資産の関係者に大きな驚きを与えました。
CoinMarketCapの展開についても注視したいところですが、それ以上に圧倒的に情報優位に立ったバイナンスがどのような戦略を打ってくるのかにも注目ですね。
今日も最後までお読み頂き、ありがとうございました。
コメント