ビットコインダイヤモンド (Bitcoin Diamond)
ビットコインダイヤモンド (BCD)は、ビットコイン(BTC)からの分岐によって生まれた3番目の仮想通貨(暗号資産)となります。
ビットコインダイヤモンド (BCD)は、他の派生コインと比べても情報が少なく、ビットコインとの違いや特徴、将来性が分からないと言う方も多いと思います。
2017年11月に生まれた新しいコインなのですが、時価総額は91億円を誇り、時価総額ランキングでも117位につけています。
ビットコインダイヤモンド (BCD)がどの様なコインなのかについて解説します。
●通貨名称 ビットコインダイヤモンド (Bitcoin Diamond)
●通貨単位 BCD
●総合順位 117位*(前回139位**)
●通貨単価 49円*(前回139.01円**)
●時価総額 91億円*(前回259億意円**)
●公開時期 2017年11月24日公開
●発行枚数 2億1000万枚
●承認方式 PoW
(* 2021.01.03. CoinMarketcap公開データより集計)
(**2019.06.20. CoinMarketcap公開データより集計)
ビットコインダイヤモンドとは
ビットコインダイヤモンド (BCD) は、2017年11月24日にビットコイン(BTC)からのハードフォークと言う形で分岐し誕生しました。
The Bitcoin Diamond Foundationという開発チームが主導しています。
ハードフォークとは、以前の仕様には戻れない、互換性の無い形で仕様を変更する事です。
ビットコインダイヤモンド (BCD)はハードフォークによって分岐したので、ビットコイン(BTC)とは互換性が無い、全く別のコインと言う事になります。
ビットコイン(BTC)の派生コインとしては、先にビットコインキャッシュ (BCH)とビットコインゴールド(BGD)が有り、ビットコインダイヤモンド (BCD)は3番目の派生コインとなります。
ビットコインキャッシュ(BCH) は、ビットコイン(BTC)の取引量が処理能力を超えて集中すると送金処理が遅延を起こしてしまう問題、いわゆるスケーラビリティ問題の解決方法を巡る意見の対立から生まれたコインです。
ビットコインゴールド (BGD)はマイニングが一部の有力マイナーによって寡占化される問題の解決を目的に誕生しています。
一方、ビットコインダイヤモンド(BCD)では、匿名性、処理能力の拡充を掲げて誕生しています。
但しその背景には、ビットコイン(BTC)陣営と、ビットコインキャッシュ(BCH)陣営との激しい勢力争いの中で生み出されたコインと言う側面があります。
ビットコインの勢力争い
ビットコインキャッシュ(BCH)が誕生した背景には、ビットコインの開発チームと中国系のマイニンググループとの間での意見対立がありました。
前述のスケーラビリティ問題を解決する為に開発チームが提案した仕様変更案に対し、中国系の マイニンググループが、変更案では専用のマイニングマシーンが使えなくなる恐れがあると主張したのです。
その結果ビットコインから分岐して生まれたのがビットコインキャッシュ(BCH) です。
ハードフォークによる分岐の際には、ビットコイン(BTC)保有者に対し、保有するBTCと同量のBCHが付与されました。
ビットコインキャッシュ誕生当初は、ブロックの生成が不安定になって価格が落ち込んだものの、 程無く価格が上昇し、ビットコインキャッシュ (BCH) は有カコインの1つとして存在感を示しました。
同時にビットコインとの勢力争いも激しくなり、一時はビットコインキャッシュが本家に取って代わるのではとの声が出るほどの状況にありました。
こうした主導権の中で、実際にはビットコイン勢の基盤を固める為に生まれたのがビットコインダイヤモンド(BCD)だと言われています。
ビットコインダイヤモンド(BCD)は、ビットコインキャッシュの時と同じ方法で、ビットコインの保有者にだけ配布されます。
BCDに値段が付けば、ビットコイン保有者は丸設けになりますが、ビットコインキャッシュを保有していても何の恩恵もありません。
そうなるとビットコインの支持者が増えるだろう、と言う話です。
ダイヤモンドが受け取れない
但し実際には、ビットコインダイヤモンド (BCD)を受け取れていないビットコイン保有者が多数存在します。
ビットコインイヤモンドを受け取る為には、ビットコインを保管しているウォレットがBCDに対応している必要があります。
ところが実際には多くの取引所ではこれに対応しておらず、取引所に保管してある人はBCDを受け取れていないのです。
ビットコインキャッシュ(BCH)の誕生の時には、初めてのケースだった事もあり、多くの取引所がBCHの受け取り体制を整えました。
結果ビットコインキャッシュの一大市場が生まれた訳ですが、ハードフォークでコインが生まれる度に受入れ体制を整えるのは負担が大き過ぎます。
新しいコインが取り扱うものとして問題無いか、セキュリティやマネーロンダリングの可能性などについて、全てチェックする必要があるのです。
ビットコインゴールド誕生の際には対応する取引所は格段に少なくなり、 ビットコインダイヤモンドでは更に減少しました。
後は今後の人気によって取り扱う取引所の数も変わってくる事になります。
ビットコインダイヤモンドの特長、メリット
ビットコインダイヤモンド(BCD)の特長、メリットとしてはどの様なものがあるでしょうか。
主な特長としては
●ブロックサイズが大きい
●匿名性が高い
●発行数量が多い
●GPUマイニングができる
と言った項目が挙げられます。
ブロックサイズが大きい
ビットコインダイヤモンド (BCD)では、分岐する際に情報の固まり(ブロック)のサイズを1MBから8MBに拡大しました。
一度に纏められる取引量記録を多くする事で、スケーラビリティ問題の解決を図った形になっています。
匿名性が高い
ビットコインダイヤモンド(BCD)では、ユーザーのプライバシーを保護する為に匿名性を一定レベルで確保しています。
ビットコインではブロックチェーン上に全ての取引記録が公開されていますが、ビットコインダイヤモンドでは取引の金額が暗号化されます。
発行数量が多い
ビットコインダイヤモンドの発行枚数の上限は、ビットコイン(2100万枚)の10倍の2億1000万枚です。
ビットコインの発行枚数が仮想通貨(暗号資産)の中では比較的少なく、価格高騰を招きやすくなっている事から、発行枚数を増やして希少性による高騰を抑える意図があると見られています。
GPUマイニングができる
ビットコインダイヤモンド (BCD) の大きな特徴としてマイニング方式の変更が挙げられます。
ビットコインダイヤモンドでは、ブロックチェーン記録の承認方法にビットコインと同じPoWと言うアルゴリズムを採用しています。
PoWではマイニング作業によってブロックチェーンの安全性を確保しています。
但し同じPoWでも、マイニングの仕様が大きく変わっています。
ビットコインのマイニングではSHA-256という仕様が採用されています。
この仕様にはASICと言う、用途を特化したICを使った専用マシーンが圧倒的に有利になると言う問題が発生していました。
ASICを大量に保有するグループがマイニングを独占してしまう可能性が出てしまったのです。
そこでビットコインダイヤモンドではOPTIMIZED X13と言う仕様が採用されました。
OPTIMIZED X13はGPUマイニングの為に最適化された仕様であり、比較的安価な、グラフィックボード(GPU)搭載のコンピューターでもマイニングに参入しやすいと考えられています。
ビットコインダイヤモンドのデメリット
ビットコインダイヤモンドのデメリットとしてはどの様なものが挙げられるでしょうか。
主なデメリットとしては
●国内の取引所で購入できない
●流動性が低い
と言った項目が挙げられます。
国内の取引所で購入できない
ビットコインダイヤモンド (BCD)は、2019年7月10日現在、日本国内の取引所では取り扱いがありません。
匿名性を誕っているコインでもあるので、金融庁の実質的なお墨付きリストとも言える「ホワイトリスト」に追加される可能性も短期的には低く、当面は国内の取引所では売買できないコインと考えて良いでしょう.
どうしてもビットコインダイヤモンドを購入したいとなると、国外の取引所で売買をする事を考える必要があります。
流動性が低い
但し、海外の取引所での取扱いもそれ程多い訳ではありません。
ビットコイン(BTC)やビットコインキャッシュ(BCH)と比べると、格段に扱っている取引所が少なく、流動性が低いのが現状です。
最もバイナンスを始めとする最大手の取引所であれば上場している所も多いので、日本の方が取引引をしている様な海外の取引所であれば、ほぼ問題なく取引が可能だと思います。
今後の価格の見通し
ビットコインダイヤモンド(BCD)は、2021年1月3日現在、49円の価格を付けています。
実はBCDは、誕生当初は5,000円強の価格を付けていました。
18年1月には、一時的にながら実に16,000円にまで高騰しています。
ただそれからは価格の下落を続け、随分と価格を下落させてしまっています。
仮想通貨(暗号資産)のスペックとしては、ビットコインと同等かそれ以上のものを持っているので、ポジティブなきっかけがあれば上昇する可能性は充分にありますが、ビットコインに対する独自性を今以上に打ち出せないと、大きな上昇には繋がらないかもれません。
いわゆる詐欺コインである可能性はほぼ払拭されているので、今後の開発が順調に進めば独自の暗号資産としての足場を固めて、価格が上昇して行く可能性もあります。
実際の取引は、御自身の判断、自己責任でお願いします。
まとめ
ビットコインダイヤモンド(BCD)は、ビットコインと同等以上のスペックを持ち、発行枚数も10倍ある、非常に使いやすい特性を持つコインです。
ただ独自性が少なく、開発チームの実力にも未知数な面があって、コインとしては今一つ抜け出す事ができていません。
正直現在はビットコインの2番煎じ、3番煎じと言った印象を拭えておらず、このまま埋もれていってしまう可能性も少なくありません。
とは言え発行枚数の設定やマイニングの仕様などには、より幅広く利用して貰おうと言う理念が感じられます。
何かきっかけがあれば、大きく跳ね上がる可能性もあるだけに、 注目する価値はあると思います。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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